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3月13日(火)

  • 津波の霊たちーー3・11 死と生の物語
  • 『津波の霊たちーー3・11 死と生の物語』
    リチャード ロイド パリー,Richard Lloyd Parry,濱野 大道
    早川書房
    1,980円(税込)
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 リチャード・ロイド・パリー『津波の霊たち』(早川書房)読了。ルーシー・ブラックマン事件を描いた前作『黒い迷宮』は、これが日本なのか!?と驚く傑作事件ノンフィクションだったけれど、この『津波の霊たち』は、これが日本人なんだなと日本人ながら教えられる一冊だった。

 タイトルや帯のコピーにある"霊"や"心霊現象"から思い浮かべるようなオカルトな話でなく、日本人なら当然あると思っているもっと身近な"魂"を扱ったルポルタージュ。外国人が見た"震災と日本人"といった感じで冷静な視点で描かれるものの、涙なしにというか、何度も胸が押しつぶされそうになってしまった。

 朝、出社して、倉庫に『絶景本棚』の在庫部数を確認。予想していたものの、それ以上に注文が溜まっていたようで、一夜にして在庫が大変心もとない状況になっていた。頬をつねりながら、4刷めを決め、編集の高野と印刷所へ連絡。もしかしたらタヌキに化かされているのかもしれない。

 何度も書いているし、ほかの仕事もそうかもしれないけれど、出版営業の難しいところは、今出ている本の仕事をやりつつ、これから出る本の準備もしなければならず、さらにいえばずっと前に出た本にも目配せをし、また売れている本とともに、まだそれほど売れていない本も売れるよう策を練らねばならず、様々な状況の仕事を同時にこなすことだろう。

 というわけで、午前中は5月の新刊案内とDM作りに勤しみ、昼は尊敬する出版人でありサッカープレイヤーの芸術新聞社の相澤社長と「げんぱち」でランチ。午後は中央線を営業。

 夜、本屋大賞の会議。まさか酒飲み話の延長で始まった本屋大賞が15年めを迎えるとは。そしてもう準備段階から含めると16年もこうやって毎月、実行委員で集まることになろうとは。何のために?と訊かれたら、本のために、だ。

 4月10日の発表に向けて夜遅くまで打ち合わせ。

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