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1月16日(水)

 ここ数日、ある同年代の書店の店長さんにインタビューしているのだけれど、自分に圧倒的に足りないのは、人のために、本の雑誌のために、という想い、考えだと気付かされる。私がいつも優先しているのは自分のこと。自分の感情。こんなんじゃダメだ。

 それは中学のサッカー部でレギュラーになれなかったときとまったく同じなのだった。あの時、チームのために戦うなんて考えたこともなく、いつもベンチに座って出番がないなら早く終わらないかなと考えていたのだ。そんなやつ、たとえ技術があったとしても使わないだろう。

 しかし試合に出られないのを顧問のせいにして、何度もぶつかって、結局、最後の大会も三年でひとりだけ出られずに終わってしまったのだ。

 あれから33年経って、自分もそれなりに成長しているかと思っていたけれど、24時間、少しでもお店がよくなるよう考え、スタッフに気持ちよく働いてもらおうと己を律する店長さんの言葉を聞いていたら、自分はまったく成長していないとわかったのだった。

 情けなくて、朝から涙がこぼれてしまう。自分はまったく中二病じゃないと思っていたが、真性の中二病だった。あの時のひねくれた考え方を捨てないと、とても前に進めない。

 そんなとき、浦和レッズのスローガンが発表された。

 浦和のために
 最後まで走り、闘い、貫く

 だった。

 私も

 本の雑誌のために
 最後まで売り、作り、貫く

 ことにしよう。

 なぜなら店長さんといつまでも友達でいたいからだ。

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 編集の松村がインフルエンザでダウン。

 午後、浜本とともに東五軒町の加藤製本さんへおじさん二人組の取材。束見本作りに挑む。

 芥川賞・直木賞が発表される。「1R1分34秒」で芥川賞を受賞した町屋良平氏が、私と同じ越ヶ谷高校卒で驚く。

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