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2月7日(木)

 娘の受験同行4日目。まさかの武蔵野線が霧で運転見合わせの大アクシデント。一瞬その濃霧なみに頭の中が真っ白になるが、埼玉高速鉄道の浦和美園駅まで車で行き、難を逃れる。

 浦和美園駅は始発駅のため娘ともども座ることができ、疲労が蓄積しているであろう娘が私の肩に頭をのせて眠っている。私も疲労困憊だが、受験の前半戦も今日で最後。どうにかインフルエンザにも罹らず乗り越えられたことを誰ともなく感謝する。

 大学の正門前で娘を見送り、改めて出社すると心の削られる報告で、メンタルをやられる。本というのは要するに人間そのものであり、そのものの人間というのは美しいだけではない。私はどちからというと人間の汚いものから逃れるようにして本に出会い、それを職業にしたため、時折ふいに本という生身の人間の塊を前に苦しめられるときがある。しかもサイコロを転がすかのような売れる売れないの責任をひとりで取らされており、ストレスも最大に鬱屈する。

 夜、気が晴れるまで走る。

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