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6月12日(水)

 朝イチで、ちくさ正文館さんへ。名古屋を、いや日本を代表する本屋さんだ。店内に入った瞬間に、あっ、本屋さんってこういうところだったと背筋が伸びる。そして棚を見れば、こんな本が出ていたのかという発見の連続。どんなに大きな本屋さんに毎日行っていても気づかぬ本がずらりと並んでいる。

 中村カメラマンに棚すべて撮ってくださいと無理難題を押し付け、私は古田さんからじっくり話を伺う。

 どうやってこういうお店、こういう棚ができていったのかと聞けば、むかしは周りの書店さんもそうだし出版社の営業マンもいっぱいものを知っていて、そういう人と話す時に失礼がないよう勉強していたし、そういう人たちからたくさん学んできたという。そうしてその頃世話になった人たちの名前をあげられたのだけれど、それは私自身もこの業界に入ってたくさんのことを学ばせてもらった先輩営業マンの方々で、古田さんはそういった人たちと酒を酌み交わし、時には旅をし、とことん話をして、本を売ってきたのである。

 私もそうやって、本を、人間らしく売りたい、と思う。

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