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6月22日(土)

  • 日本の異国: 在日外国人の知られざる日常
  • 『日本の異国: 在日外国人の知られざる日常』
    室橋 裕和
    晶文社
    1,944円(税込)
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 父親の車を売りに行く。なぜか娘もついて来てくれたのは娘は娘なりにおじいちゃんを心配しているということなのだろうか。それとも私のことを心配しているのかもしれない。

 その車中、私が何か言うと「それドイツ語でこうやって言うんだよ」とドイツ語を話す。大学に入学してたった3ヶ月でこんなにわかるものなのだろうか。もしかして娘には語学の才能があるのではなかろうか。語学の才能があるということは将来もしかして探検家になったりしないだろうか。未知動物を探しに行ったり、カートに溺れたり、納豆を食べまくったりしないだろうか。娘の将来を心配しているうちに実家につき、すぐに父親の車に家族一同乗せて、中学の先輩が営む中古自動車屋さんへ。

 さて問題です。一台の車に4人乗って中古自動車屋さんに車を売りに行きました。では車を売った後、4人の人たちはどうやって家に帰るのでしょうか? というわけで私は中古自動車屋さんで準備体操したのち、3キロほど走って実家へ。そして私の軽自動車に乗り、再度中古自動車屋さんへ。ランニングしていて良かったと初めて思う。

 車を無事売れたので、両親行きつけのとんかつ屋さんで昼ご飯をご馳走になる。ずっと具合の悪かった父親が、「ここにまた来るのが夢だったんだよ」と店員さんにいうと「そんな大げさな。小さな夢ですよ」と笑われたけれど、日常がままならなくなっていた人にとっては、その日常の中でのちょっとしたスペシャルなことこそ大きな夢になるのだろう。父親は大好物のカツ丼を半分残し、母親が少なめにと頼んだご飯を半分残し、それらすべてを娘が平然と食べる。胃袋こそ人生のバロメーター。

 午後、帰宅するとすっかり疲れてしまったので昼寝。晩御飯で起こされるも、まったくお腹は減っておらず、枝豆と麦茶のみ。

『日本の異国』室橋裕和 (晶文社)読了。

 我が家から近所の蕨がいつの間にかワラビスタンと呼ばれ、多くのクルド人が生活していたりするのだけれど、そう行った各所の在日外国人のコミニティーがどのようにできあがり、また現在どのように暮らしているのか教えてくれる素晴らしいルポ。

 人は一人で生きることはできないからこうして同国の人たちが助け合うわけだけれど、もっと大きな目で見れば国籍など関係なく助け合って行きなければ生活が成り立たなくなっているのが人口減少社会なのだろう。

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