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5月2日(土)

 今日は休日なので仕事をしないでいいはずなのだが、もう休日と平日の区別がつかず、なんとなくだらだらと仕事をしそうになっている。

 村上龍『MISSING』(新潮社)読了。なんなんだこれは!? 幻想的で内向的でまったく村上龍らしくないのに、明らかに村上龍の小説なのだ。

 自伝なのか? 私小説なのか? いやそれにしたってこんなに美しい私小説なんて読んだことない。「私小説2.0」とでも呼べばいいのだろうか。おそらく作品世界の3割も理解できていないだろうけど、これはすごい作品なのはわかる。わからないけど面白い。わからないことが面白い。すごい小説はいつもそうだ。村上龍をずっと読み続けてきてよかった。

 それにしても村上春樹が父のことを書いた本を出した時に、村上龍が母について書いた小説を発表するというのが大変興味深い。

 昨日、Twitterで見かけ、しかしすでに絶版だったので「日本の古本屋」で注文した紀田順一郎『東京の下層社会』(ちくま学芸文庫)が届いた。自宅待機のこの期間で、すっかり「日本の古本屋」にハマっている。

 それにしても、どうしてこんなに通販で本を買っているんだろうか。いつも本屋さんで買う以上に買っている。やっぱりストレスなんだろう。本屋さんに行けない今、毎日一冊でも本が届くのが唯一の楽しみになっている。ぶるぶるとバイクの音がして、ことんとポストに投函される音が聞こえてくる。これまでまったく知らなかったけれど、わが家に郵便物が届くのは4時過ぎ。今はその時間が毎日楽しみで仕方ない。

『東京の下層社会』のページをめくると、冒頭で松原岩五郎『最暗黒の東京』(岩波文庫)という本が紹介されていた。早速、注文する。

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