作家の読書道 第181回:岡崎琢磨さん

デビュー作『珈琲店タレーランの事件簿』が現在第5巻まで刊行される人気シリーズとなっている岡崎琢磨さん。ノンシリーズ作品も順調に刊行され、作風を広げている注目の若手ですが、実は大学時代まで音楽の道を志していたのだそう。そんな岡崎さんが作家を目指すまで、そして作家になってから読んできた本とは? 

その1「読書好きでやんちゃ」 (1/5)

  • ねむいねむいねずみ (PHPおはなしプレゼント)
  • 『ねむいねむいねずみ (PHPおはなしプレゼント)』
    佐々木 マキ
    PHP研究所
    1,153円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    LawsonHMV
    honto
  • 金田一少年の事件簿File(1) (講談社漫画文庫)
  • 『金田一少年の事件簿File(1) (講談社漫画文庫)』
    さとう ふみや
    講談社
    648円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    LawsonHMV
    honto
  • 十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫)
  • 『十五少年漂流記 (講談社青い鳥文庫)』
    ジュール ベルヌ
    講談社
    778円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    LawsonHMV
    honto
  • それいけズッコケ三人組 (ポプラ社文庫―ズッコケ文庫)
  • 『それいけズッコケ三人組 (ポプラ社文庫―ズッコケ文庫)』
    那須 正幹
    ポプラ社
    648円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    LawsonHMV
    honto
  • キツネ山の夏休み (ジョイ・ストリート)
  • 『キツネ山の夏休み (ジョイ・ストリート)』
    富安 陽子
    あかね書房
    1,404円(税込)
  • 商品を購入する
    Amazon
    HonyaClub
    LawsonHMV
    honto

――一番古い読書の記憶を教えてください。

岡崎:幼稚園の時は絵本を読んでいました。チャイルド社の「おはなしチャイルド」という、申し込むと毎月送られてくるレーベルみたいなものがあったんです。それをすごく読んでいた記憶があって。なので物心ついた時から本を読むことには抵抗がなかったというか、まあお話の好きな子どもだったと思います。この前実家に帰ったら、自分の部屋にまだそれが残っていました。結構物持ちがいい家だったので、かれこれ25年くらい前のものが本棚に並んでいて、折に触れ見返したりできるのというのは楽しいですね。

――実家は福岡ですよね。お父さんのご実家がお寺なんでしたっけ。

岡崎:父の実家が寺で、僕の実家と同じ太宰府市内にあります。父は長男で本来は継ぐはずだったんですけれど自分がやりたい仕事を選んだので、寺は父の弟、つまり叔父が継いでいます。

――家で本を読むのが好きな子どもでしたか。

岡崎:いえ、僕はとにかく元気な子でした。小学校とか幼稚園とかで、クラスで1人2人くらいものすごくうるさくて保護者にまで名前が知れ渡る子どもがいると思うんですけれど、僕、そういうタイプでした。ものすごくやんちゃ。ガキ大将っていうような強気なタイプでは決してなかったんですけれど、本当にギャンギャン言っているような、おしゃべりなタイプでしたね。
でも本を読むのも好きで。母親が積極的に読ませようとしていた部分がありました。「こどもちゃれんじ」もずっとやっていたし、姉の影響もあって結構いろいろ読んでいました。

――どういう話が好きだったか憶えていますか。

岡崎:すごく好きだったのは『ねむいねむいねずみ』とか。ひたすら眠いねずみが寝ようとしていろんなところに行くんですけれど、寝たくても寝られないとか、そんな話だったかと思います。やっぱり動物系の話が好きだった気はしますね。
児童文学も読むようにはなったんですけれど、小学校低学年の頃の本はあまり憶えていなくて。目についたものとか、母親が買ってくれたものを読んでいた気がしますね。

――漫画やアニメなどで好きなものはありましたか。

岡崎:僕は小学校6年生までずっと、小学館の学年別学習雑誌を買ってもらっていたんですよ。「たのしい幼稚園」から始まって、「小学一年生」から「小学六年生」まで。毎月読んでいたので、そこで漫画とかには結構触れていました。少年漫画を読んでいた時期はほとんどなくて、いわゆる「ジャンプ」「マガジン」「サンデー」あたりは好きな作品の単行本を買うことはあったんですけれど、雑誌はあまり買っていた時期がなかったです。

――以前、はじめて触れたミステリーが『金田一少年の事件簿』だとおっしゃっていましたよね。

岡崎:そうです。あれはドラマが最初だったんです。小学校3、4年生の頃姉がドラマを見ていたので一緒に見て、子ども心にすごく怖いけれど面白いなと思って。それで漫画も確か11巻くらいから買い始めて今でもずっと買い続けています。

――小学校中高学年の頃はどのような読書を。

岡崎:3年生か4年生くらいの時に親に何かのプレゼントみたいな形で星新一さんの本を買ってもらったんです。それを読んですごく面白いなと思って、一時期星さんのショートショートを買い漁っていました。
4、5年生くらいから結構児童向けの小説も読むようになったんです。読書が好きだなって、毎晩布団の中でちょっとずつ読んでいました。読み終えた時にすごく達成感がありました。青い鳥文庫だったかの『十五少年漂流記』とか、単行本の『ロビンソン漂流記』とか。すごく憶えているのが、ダーウィンが進化論を研究していく過程を描いた『ダーウィンのぼうけん』という本があって、それを読み終えた時はすごく達成感がありました。当時の自分からすると結構大長編だったんですよね。でもこの間、自分の部屋にあったものを見てみたら、そんなに分厚くなかったんですよ。当時はすごく分厚い印象があったんですけれども。......部屋の本棚の写真を撮ってきたんです(とスマホで自宅の本棚の写真を披露)。

――わあ、ありがとうございます。ああ、チャイルド社の本が並んでいますね。

岡崎:『ダーウィンのぼうけん』とか、『まねやのオイラ旅ねこ道中』とか。『イレブン日記』はサッカーの話です。僕、サッカー好きだったので。あとは『タートル・ストーリー』と『ロビンソン漂流記』とか。「ぽっぺん先生」のシリーズがすごく好きだったんです。だから一昨年に作者の舟崎克彦さんが亡くなった時はすごくショックだったんです...。

――ああ、そうでしたか...。他には那須正幹さんの『ズッコケ三人組』とか、富安陽子さんの『キツネ山の夏休み』とか、シンシア・パターソンの『ひみつがいっぱい』とか...。

岡崎:『ひみつがいっぱい』はすごく憶えていて。動物が冬に冒険する話で、何度も読み返しました。

――釣りのガイド本みたいなものが結構ありますね。

岡崎:鹿児島の指宿の母方の祖父がすごく釣り好きで、毎年夏休みに行って釣りするのが楽しみだったんです。本ももらったりしました。

» その2「次第に興味は音楽へ」へ

プロフィール

1986年、福岡県生まれ。2012年、第10回『このミステリーがすごい!』大賞・隠し玉に選出された『珈琲店タレーランの事件簿 また会えたなら、あなたの淹れた珈琲を』でデビュー。翌年、同作で第一回京都本大賞を受賞。ほかの著書に『季節はうつる、メリーゴーランドのように』『道然寺さんの双子探偵』など。