出版厚生年金基金、代行返上で新たな確定給付年金を設立へ

文=新文化編集部

出版厚生年金基金は、国から預かって運営していた代行部分の積立金1214億円を返上し、独自の年金資産で新たな確定給付企業年金を設立する方針を固めた。今後、加入事業所に向け10~11月に東京や大阪で説明会を行う。事業主や加入員からそれぞれ3分の2以上の同意書を得たうえ、来春以降、具体的な手続きに入る。

新企業年金の独自運用資金は248億円。新たな企業年金が設立しても当面、掛金率は変わらないという。同基金は書協、雑協、取協、日本出版クラブ、出版健保が呼びかけて1986年10月に設立。出版社、取次会社など748社の事業者、2万7440人の加入員がいる。厚生省は2008年のリーマンショックや12年に起きたAIJ投資顧問による年金資金の消失事件以来、全国500余の基金に他制度への移行や解散を促す方針で政策を打ち出している。

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