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山内 克也の<<書評>>
空中庭園
【文藝春秋】
角田光代
定価 1,680円(税込)
2002/11
ISBN-416321450X
評価:A
やたら「家族」をテーマにした本を読む機会が多くなった。他人の家を盗み見するようで読み解くのにしんどい半面、親子、兄弟、夫婦と限りなく狭い関係の愛憎劇は、刺激と緊張感を与えてくれる。
本書の主役「京橋家」の家族方針は「何もつつみかさず」。そんな家族がいるのか、と訝りながらページをめくるうち、短篇方式で紹介される一人ひとりの思いが家族方針とは微妙にずれていて、「やっぱり家族はこうでないとね」と興味を誘う。この方針をうち立てた母親は、家族を「私の完全なる計画のもと」とほくそ笑む。この異様なファミリーを息子の家庭教師であるミーナ(夫の不倫相手でもある)は「全員珍妙」とあきれる。第三者からみれば家族とは同床異夢の毎日を送る集合体なのだ。うそっぽさが漂う家族の仲良さをシュールに描き読み応えは抜群。
スパイク
【光文社】
松尾由美
定価 1,785円(税込)
2002/11
ISBN-4334923801
評価:B
作者は腕利きのバーテンダーのようだ。ミステリ、SF、そして恋愛の各テイストが巧みにシャッフルされ、色鮮やかな味わいのあるストーリーに仕上げている。松尾由美の作品は初めて読むけど、心地よく酔わせてもらった。
ストーリー全体に伏線が張り巡らされ、ネタばれしそうで紹介しにくいが、本筋は恋愛の物語。主人公の女性が、カメラマンの男性に恋し、その彼が住む世界と決して交わることはないと気づいても、恋い焦がれる切ない気持ちを最後まで描ききっている。
結末は、奇想天外な恋愛物語で知られる尾崎翠の佳品「初恋」を思わせる。甘く切ない、そしてスリリングな恋の物語に、読了感はすこぶる良かった。
見仏記 親孝行篇
【角川書店】
いとうせいこう・みうらじゅん
定価 1,575円(税込)
2002/11
ISBN-4048837818
評価:C
私が見た仏像の中で、ど肝を抜き一番感動したのは長崎・島原市の涅槃像。全長8メートル、高さ2メートルの像でとにかく大きい。何よりも釈迦が寝ている姿に斬新さを感じた。それまで私の仏像への鑑賞基準は、文化財的にどう位置付けられているか、の一点。なのに、文化財的にあまり価値のない島原の涅槃像になぜ惹かれるかをずっと疑問に感じていたが、本書を読みようやく理解できた。
仏像をはじめお寺にあるもろもろの宝物をみうらといとうが現代風に解釈する様子が面白い。室生寺(奈良県)にある蔵王権現が、勇ましい十二神将の横に鎮座しているため、警備員の役割さえさせてくれない、と嘆く様は笑わせる。明通寺(福井県)にある厨子を、「アートトラック系」と断じるのはみうら独特の思考だろうか。古くからの正当的な解釈をぶっ飛ばし、見たその瞬間に委ねられる解釈とは何かを真剣に説いている。二人の専門的な会話についていけない部分もあるが、仏像を多角的に見る格好のテキストだ。
リスク
【世界文化社】
井上尚登
定価 1,365円(税込)
2002/12
ISBN-4418025308
評価:C
株、マイホーム、リストラ。この3つのテーマを、生活に潜む「リスク」を抱き合わせ短篇形式にうまくまとめている。
特に「住宅病」の話では、社宅が廃止となり、「我が家」を探すことになった主人公の会社員が政府主導の住宅公庫制度を真っ向から批判する。会社員は金の用立てを目論むうち、疑問が浮かぶ。「でも、なんで国は家を買おうとする人に貸してくれるのだろう」。家を持つなら借金は当たり前、の感覚は以前の話だ。ローンを組んでも将来仕事がなくなるかもしれない。かえって最悪の「人生のリスク」を抱え込むことになる。この主人公の疑問は、持ち家を望むニッポンサラリーマンの共通するリスキイな事項かもしれない。各篇とも生活者の観点から「リスクとの関わり」を描き、説得力を持つ。ただ、「リスクとは何ぞや」を説明しすぎて、物語自体に緊迫感がなかった。
コレクションズ
【新潮社】
ジョナサン・フランゼン
定価 3,990円(税込)
2002/11
ISBN-4105425013
評価:B
ふるさとに帰省し、家族の絆を確認するのは、日本のお盆や年末年始の行為だけだと思っていた。本書ではクリスマスの日に家族が集う設定で、「アメリカにも同じような帰省の概念があるのか」と、感心してしまった。タイトルの和訳は、「修正」。少しとっつきにくい本の題名だが、簡単に考えれば、親子、兄妹が離ればなれになったため、価値観が理解しえず、喧嘩をしてしまう物語。日本では、帰省で家族が一堂に会した際よくある風景なのだが…。
本書では田舎の我が家にこだわる両親や、銀行に勤め典型的な核家族を養う長兄ら5人それぞれを、中編小説形式で生い立ちから現況の様子を細かに描き、現代アメリカの縮図にしている。そして、クリスマスの集まりも終わりに近づいたとき、教え子に手を出し教員をクビにされ、家族で一番浮いている次男が滑り込みで帰宅する。痴ほうが進む父親が次男を見て、それまでの気むずかしさを解き「おう」と喜びを発する声が印象深い。「ダメな子ほどいとおしい」との格言は、世界共通で家族を和ませるようだ。
ビッグ・レッド・テキーラ
【小学館】
リック・リオーダン
定価 1,901円(税込)
2002/12
ISBN-4093562725
評価:D
太極拳を使いこなし、赤色系のフォルクスワーゲンを乗る主人公が、正義感たっぷりのカゥボーイに思えた。舞台となるアメリカ南西部では、こうもタフな探偵に仕立て上げないといけないのか。
故郷へ帰ってきた主人公が、十数年前父を殺された真相と、町の汚職事件がらみで失踪した元恋人を追う。二つの事件に共通点を見出そうと主人公が動き回るが、単純なプロットなのに、えらく紙数を費やしている。ギャングの家の描写とかテキーラの酒の味については書き込む割には、主人公がこの時期になってなぜ父親殺しにのめり込むかなどの動機的な意義の説明がしっくりこない。ケレン味だけが残るハードボイルドだった。
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