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延命 ゆり子の<<書評>>
将棋の子
【講談社文庫】
大崎善生
定価 620円(税込)
2003/5
ISBN-4062737388
評価:B
奨励会という特殊な空間で若い大切な時期を過ごす青年たち。成田英二という作者の知り合いを中心に奨励会を辞めていった青年たちのその後が描かれる。読んでいるときはどっぷりこの将棋の世界につかり、それなりに涙を流してはみたものの、ふと気づくと何かが引っかかる。恐る恐る言ってみますけど、こいつら甘くないですか(オニ?)。主人公の英二だが、とりあえずマザコンだ。将棋をやめ両親が死んだ後はその財産を二週間で食い潰し、故郷に戻ってパチンコ屋で働く。女と純愛したのち、ハマりすぎて借金まみれ。債権者から逃れた先は回収業だった……。なんてわかりやすい転落の仕方なんだ。奨励会というところでは、誰しもがギリギリの精神力で勝負に挑んでいるという。その結果を決めるものは単なる偶然で、プロになれなかった多くの者たちは技術もなく経験もなくひとりぼっちで挫折と屈辱を抱えながら世間の荒波へと漕ぎ出さなくてはならない、と作者は言う。でもそれは少しロマンチック過ぎやしないだろうか。挫折を感じながら生きてるのは彼らだけじゃない。しかもその奨励会に参加できるのは数少ない選ばれた幸運な者たちで、その運命も自分で決めたはずだ。奨励会を辞めたことで駄目になるような精神力なら、そりゃどこに行っても駄目だろう。作品の中のロマンチシズムに浸れなかった私のほうに問題があるのかもしれません。
菊葉荘の幽霊たち
【ハルキ文庫】
角田光代
定価 525円(税込)
2003/5
ISBN-4758430403
評価:B
主人公は登場人物の中で最も普通に見える。菊葉荘の住人はみんなどこかおかしい。四十代の少女趣味の女や、ふじこちゃーんと夜毎叫ぶ中年男、部屋で一心に何かに向かって祈る人物、どこの馬の骨ともわからない女と疑問も持たず暮らす男。どいつもこいつも変な人間ばかりだ。この話がこんなにも怖いのは、一番客観性を持っていると見える主人公が実は一番狂気をはらんでいるいるからだ。主人公の、定職もなくモラルもなく無気力な生活が、徐々に精神を蝕んでいく様がリアル。そして私も一歩間違えばその先の見えない世界に身をおくことが十分にあり得ることも。それを考えさせられるところが恐ろしいと感じました。
カカシの夏休み
【文春文庫】
重松清
定価 620円(税込)
2003/5
ISBN-4167669013
評価:A
短編が3つ。表題作はいつもどおりの重松清節。リストラ、友人の死、学級崩壊、あの日に帰りたい。いつもの身につまされる系です。なんだかあざとさが透けて見えてしまって少々鼻白ム。それよりも『未来』が良かった。高校をドロップアウトし、いい人になりたいからという理由でボランティアのはしごをする少女。彼女は何気ない一言で人を殺してしまった過去を持つため、感情が表に出せない心の病を抱えていた。ところが弟にも自分と同じ様に、思いがけずに加害者になってしまうという運命が降りかかり、大きな騒ぎに発展してゆく。そのとき彼女は……! 何気ない行動で一生背負う罪を抱えてしまった姿が痛々しい。そして、愛する弟に伝えたいことが伝わらない。そのもどかしさがせつない。心の闇や、罪について言及した作品は最近多いけれど、この作品は胸に響く。人を思いやる気持ち、大切な人を守りたいという気持ちが随所にあふれていて、泣けました。
おれは非情勤
【集英社文庫】
東野圭吾
定価 500円(税込)
2003/5
ISBN-4087475751
評価:B
よくできたミステリだと思う。ダイイングメッセージとか考えりゃすぐわかっちまうけども。小学生に向けて書かれた短編と聞いて納得。それぞれの作品にちゃんと謎解きがあるし、最後に教訓があってちょっといい話だし、金田一少年みたいだし、小学生には受けると思うわ。児童書で発売したら良いのに。大人が読むなら、通勤電車や細切れの時間にうってつけだと思われます。
いい人になる方法
【新潮文庫】
ニック・ホーンビィ
定価 780円(税込)
2003/6
ISBN-4102202145
評価:A
自分の夫がいきなり宗教に目覚めてしまったら、私はその結婚生活を続けていく自信を持てるだろうか。ケイティの夫はもともと怒れる毒舌コラムニスト。夫は突然、不思議な力を持つ怪しい宗教家のような男に傾倒し、それまでの家族や夫婦のあり方を根本から覆してゆく。夫の言っている事はいちいち正しく思える。近所の人たちと共同してホームレスを居候させたり、これまでにひどい仕打ちをしてしまった人に謝ったり、困っている人や助けを求めている人に対して手を差し伸べようとする。自分たちの生活をきりつめてまで。しかもそれはある程度の効果をあげるのだ。正しいことばかり述べる人や、それを他人に強要する人を、私は信じない。しかし怖いのはそれが自分の夫だった場合だ。所詮他人を全て理解することなど誰にもできないけれど、誰も信じることが出来ないで何が人生だろう。その兼ね合いの中に結婚というものがある。そして結婚を続けていく上で必要なのは作者の言うように“個性の死”でしかないのだろうか。結婚ってナニ?こわいよう。独身者である私は結婚に対しての恐怖感をこの作品でますます深めたのでありました。