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無銭優雅
山田 詠美(著)
【幻冬舎】
定価1470円(税込)
2007年1月
ISBN-9784344012844
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
小松 むつみ
評価:★★★★
一冊すべてがラブレターといった趣。今恋に恵まれていない人が読めば、鼻につくほどバカらしい……かもしれない。しかしメラメラギンギンしているわけじゃない。多少ベタベタはしているが、ちらちらと燃え続ける暖炉のような、出汁のきいた和食のような、ラブストーリなのである。
「お金がなくとも、愛があれば」とよく言う。そんなことは現実的じゃない、陳腐だと、一蹴するのは簡単だが、人には一生に何度かは「愛さえあれば」と心の底から思える瞬間がある。それは比較的若いころ、世間にすれていないころが多いのかもしれない。が、たぶん年齢なんて、本当は関係ない。そう思える相手に出会ったとき、それは訪れる。すれていようがいまいが、「愛さえあれば」と思えることは素敵なことだ。
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川畑 詩子
評価:★★★★
無銭優雅。なんて美しいタイトル。年収、家柄、年齢。そんなものにこだわらず、ただひたすらお互いを慈しみあう中年カップルが美しい。お互いを肯定しあう会話が楽しい。食事のシーンがまた美味しそう。おから、うどん、はたまた気取らないフランス料理屋さん。そこに二人の会話がからんで特別なごちそうになる。
能天気と見られることも多いだろう、忠告と心配もさぞやされるだろう。慈しみあう関係を貫くためには、勇気と努力が必要であり、ふらふらし続けるのには、根性がいるのだ。二人の関係は私にとって憧れだ。憧れながら、勇気がなくて実践できない道だ。
だが、作者は慈雨たちの敵対勢力にも温かい目を注ぐ。世間や常識にとらわれている義妹や姪にもハートがあることを、また世間や常識にも一理あることをきちんと描いている。
所々に挿まれる他の小説からの引用も、流れを邪魔することはなく、二人だけの世界に普遍的な広がりを与えている。とても丁寧に下ごしらえされた喉ごしの良いポタージュのような読み心地に満足を覚えた。
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神田 宏
評価:★★★★★
バーでイチャついてマスターに「馬鹿」と言われる。「いいもーん。私たち馬鹿みたいで、いいんだもーん。」と言い返す彼女。うら若い女性ではないのである。友人と花屋を共同経営する慈雨(♀)、独身。42歳である。対するは塾講師、慈雨の膝で猫よろしく「みーみー」鳴くのである。栄(♂)、45歳。独身。げーっと言って食傷してはいけない。西荻窪、吉祥寺を舞台にした中年のロマンスなのである。中年だからこそ、おもんぱかる深い愛なのである。中年だからこそ人目を気にしないのである。貧乏も平気なのである。「私たちだって、やがて死んじゃうんだもんね」(慈雨)「一緒に死ぬんだろう? 明日」(栄)「そして、明日になったら、また一緒に死ぬって思うんだろう? 毎日、毎日、それを続けて、偽もんの精霊流しをながめて笑うんだろう? おれ、そういうのがいい」中年にしか言えない台詞である。一緒に入浴しながら「おなら、ぷりっ」として「なあ、お尻の穴って、その人のお臍と似てないか?」と呆けるのも中年にしか出来ないのでる。そして、長いこと生きてきたからこそ哀しみを抱えているのも中年だからこそなのである。お互い言わずもがななのである。そんな、二人の美しい恋の物語なのである。堪能あれ。
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福井 雅子
評価:★★★
42歳の慈雨と45歳の栄のオトナの恋。「心中する前の日の心持ち」でつき合う、大人になりそこねた二人の、まるで自分たちだけの三文恋愛小説を綴っているような生活を淡々と描いた恋愛小説。
美男美女がバーのカウンターで静かにグラスを傾けるような恋だけが「大人の恋」じゃない。冴えない40代の男と女の恋だって、いつか訪れる死を意識すれば、それはロマンチックな「死に至る恋」。第三者の目には、ボロ屋で一緒にご飯を作って食べる冴えない地味なカップルでも、二人の恋は、些細な言葉や行動にしみじみと喜びを感じ、日常生活の一瞬一瞬を愛しく感じるような「大人の恋」なのだ。相手を慈しみ、相手と共有する時間を慈しむことが恋愛の本質だと考えれば、日常生活の一瞬一瞬を慈しむような恋愛こそ究極の恋愛なのかもしれない。こんな風に愛されたい、こんな風に愛したいという人は結構多いのではないだろうか。
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小室 まどか
評価:★★★
友人と生花店を営む慈雨は、42歳になってついに「運命」の出会いを果たす。その相手、栄は45歳の予備校の国語教師で、死の匂いのする文学が大好きだった――。
いかにも「大人の恋」と思われるかもしれないが、慈雨はけっこう強情なパラサイト・シングルだし、栄もとんでもなく情けないホラふきのバツイチ。こんな二人がしょっぱなから遺憾なくバカップルぶりを発揮する。
出だしこそ引きかけたが、心ない言葉に傷ついたとき、自分自身を否定したくなるくらいダメな自分に気づいたとき、そのまま全肯定して愛してくれる存在の心地よさにいつのまにか取り込まれてしまった。「死」の扱い方についても、軽んじられているようで違和感を覚える部分もあるが、常におたがいがいつ失われるとも知れない刹那的な存在であるという認識を共有できることの素晴らしさを、全編にちりばめられた多彩な文学作品が引き出している。中央線沿線の舞台が、物語にほどよい活気と生活感を添え、やさしく包む。
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磯部 智子
評価:★★
どうも合わない……上手いとは思う山田詠美作品を読んでいつも思う。ひとつには恋愛体質が違うこと。40代の恋は、それまでの人生の結果として巡り会えたものなら、その進化の課程が決定的に違うからほとんど異世界ぐらいに差が広がっている。無銭は優雅か?と言うより、共に45歳独身の男やもめの予備校講師と、親と同居する花屋の共同経営者、この無銭として定義付けられた状況が底辺だとは思えない。中流遊民(ですらない)が発する「地に足をつけた生活」なる言葉を読むとき、人生に対する高い基準点からの、気取らない事を気取る一手間かけた自己肯定だと感じてしまう。主人公は両親をパパママと呼ぶ……いくつになっても呼ぶのは自由だが、成長する課程で別の選択肢もあったはずで、その地点で疑問に思わないほど鈍感なのか? 或いは頑固にパパママと言い続けることを選んだのか? 私は後者に賭ける。作家が描く一つ一つは全て選び抜かれたスタイルをもち、見え隠れする「子供心を失わない大人」という選民意識を自家中毒のように感じてしまう。
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林 あゆ美
評価:★★★★
大人の恋はいいものだ。分別もあり、世の中を渡る術も身に付けている。そのうえで、世間をけっとばして生きていくこともほぼ許される。これはそういう大人の恋愛小説。東京に住んだことは一度とてないので、出てくる地名にこだわりも愛着もないけれど、小説の中で大事に存在する、そこここの駅名を近しく感じるのは、文体が滋味深いからだと思う。
慈雨は42歳、恋人の栄さんは45歳。慈雨は友人と共同出資で花屋稼業をしている。常連の石川さんは80歳近い方で、亡くなったつれあいの仏壇に供える花を買いに来る。夕御飯は鯛のお刺身とカレーという世間話をする何気ない描写が心に残る。ふたりの恋話の合間に、いろんな小説の引用文が挿入されていて、あんまり素敵なので、ついつい後ろの出典を確認しながら読んでしまう。「先のことを考えるな。快楽を貪れ。淫らな虫のように生きよ」――短いこれらの引用はどれもピカリと光っていて、恋話がいっそう映える。映えた話をじっくり堪能し、しごくまっとうにいい話を読んだと満足した。
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