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スコーレNo.4
宮下 奈都(著)
【光文社】
定価1680円(税込)
2007年1月
ISBN-9784334925321
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
小松 むつみ
評価:★★★
私には中3の姪っ子がいる。彼女も本好きで、実家の私の本棚を物色したり、読みたい本を持っていないかと、メールで問い合わせが来たりする。
次に、彼女におすすめする本はこれにした。
いわば、ひとりの女の子の成長を描いたものだが、そこに、「ものを見る目」を持つということを強く絡ませている。どちらかというと、地味だった女の子が、さまざまな経験をしながら、いろいろなものを見ながら、少しずつ少しずつ自分の力で、自分の足で世界を切り開き、ゆっくりとだが階段を上っていく。ページをめくりながら、心の中で「フレー! フレー!」と主人公にエールを贈っている私がいた。
なかなかに得がたい、さわやかな読後感だった。これだから本読みはやめられない。
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神田 宏
評価:★★★★
祖母・両親・そして二人の妹のいる「麻子」の少女から大人になるまでの素直でどこか懐かしい成長譚。父の経営する古道具屋「マルツ商会」を舞台に、3姉妹がそろって熱を出して寝込むと「七葉に大変ねって言ったら、七葉はほんとうに寝込んじゃう。紗英にだいじょうぶよって言ったら、もっと心配してほしくて寝込んじゃう」と言う母に「私は」と尋ねる「麻子」。「あなたはほんとうのことを説明すれば納得してくれるから、いちばんたのもしいわ」とそれぞれに合わせて優しく声をかける母。何気ない会話の中に、家族を愛しむ、それぞれの優しさが滲み出す。恋をして、社会に出てゆく「麻子」は「たった一つの扉からいろいろなものが取り出せる」「いいことも、悪いことも、涙が出そうなくらいうれしいことも、切ないことも、扉の向こうの深いところでつながっている。」と言う。そして、家族というその扉を「私たちはきっとどんなふうにでも歩いていける。その扉を開けて、そのまた向こうまで歩いていくだろう。」と颯爽と開いて歩いてゆくのだ。その姿は羨ましくも美しい。すがすがしい読後感に浸った。
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福井 雅子
評価:★★★★
祖父の代から骨董屋を営む家に三姉妹の長女として生まれたひとりの女性の日常を追い、家族、友人、恋愛、仕事などから大切なことを学びながら成長していく姿を描いた長編小説。
キーワードは「拘り」。自分の感性の声に耳を傾け、理屈抜きでどうしても忘れられないもの、拘ってしまうもの、好きになるものを大切にすれば、そこから人生の扉が開かれる……。日常の1コマ1コマが静かな筆致で丁寧に書かれていて、読んでいてとても心地よい作品である。だがそれだけでは、他にもいくつか似たような作品が思い浮かぶ。この作品がその中でキラリと光って見えるのは、著者の感性の鋭さゆえの表現が、読者の感覚的な部分に訴えかけてくるからだろう。文学的に凝った表現ではなくても、感覚的によくわかるという部分がいくつもあった。例えば、中学生の主人公が恋におちる瞬間に周りの景色からその人だけが浮いて見える感じ、好きな物にめぐり合ったときに物が語りかけてくるような感じ、妹の七葉と言葉を交わさなくても微妙にわかりあえてしまう感じ──。
キレイで静かでインパクトのない小説を予想して読んだが、意外に芯のしっかりした作品だと思う。
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小室 まどか
評価:★★★★★
さかのぼれる一番初めの記憶――それは誰にとっても、懐かしくあたたかなものであると同時に、まったく同じ場所には戻ることができないがゆえの憧憬をはらんでいるものなのではないだろうか。
古道具屋の娘、麻子の一番初めの記憶に始まり、家族、学校、恋愛、仕事と、人生に大きな影響を与えたできごとを中心に日常を丁寧に追ったこの作品は、こうした甘酸っぱい、くすぐったいような気持ちを喚起する。いわゆる「かわいい」タイプではなく、何かを心の底から熱望したりそれを表現したりすることが苦手なために、一番わかり合える相手であった妹の七葉をはじめ、周りの人たちに相対的なコンプレックスを抱いてしまう麻子の苛立ちや哀しみが、痛いほど伝わってくる。あれほど愛していた七葉や家族・店との決別のきっかけとなった従兄の愼との微妙な関係の切なさ・苦しさと、懐かしい場所で養われた目利きのセンスに気づかせ、新たな気持ちで戻る自信を与えてくれた出会いの安心感・幸福感の対比が印象的。
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磯部 智子
評価:★★★★
初めて読む作家さん、期待しないで読み始めたらこれが面白かった(失礼)。それは丁寧に「こだわり」について書かれており、しかもその対象が「物」であり、子供の頃より徹底的に物にこだわり続ける事によって主人公自身の人生がくっきりと輪郭を持ち始める。読み始めは、こだわり人間を擬態する安易な人物造形なのかと半信半疑だったが、主人公(作家)は本気だと途中から納得する。祖母がいて母がいて二人の妹と父がいる古道具屋の娘・麻子。周りの人間から影響を受け、自分自身を見つめ大人になっていく過程で、常にこだわりの「物」がある。最も印象的なのはbRの靴、貿易会社に就職したものの現場を経験すると言う名目で靴屋の店員として配属される。何の意味があるのか、靴には興味はない、立ち仕事は貧血を起こしそうなぐらい疲れる。その逡巡の中、麻子は生活の糧としてではなく、一心に靴にこだわりを持つ事により「仕事」を自分のものとして体得し、周りにも受け容れられて行く。人間関係そのものに力点をおかず、物へのこだわりを通して、お互いを見極め認め合い共存する人間の在り方を描いた日本人離れした感覚の小説だった。
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林 あゆ美
評価:★★★★★
ひとつの物語でひとりの人生を描くと、いきおいそれは長編になる。もちろん、凝縮し、光をあてたその時が人生を描ける場合があるけれど、筆力がないともの足りなさが残ってしまう。この話は長編ならではの長さで、ひとりの女の子が女性になっていく様をほどよく軽やかに描く。人生を4つの章にわけてそれぞれの段階を丁寧になぞるその筆致はきまじめに感じるほどだが、決して四角四面の優等生を書いてはいない。津川麻子さんを実際に知っているかのように思えてくるほど、彼女が立体的にみえてくる。どうして、妹と距離を置くようになってしまったのか。最初に恋をしたとき、どんな風に心がさわいだのか。ひとつひとつのエピソードがぴんと立っている。父親がマルツ商会という古道具屋を営み、そこには常滑の壺があり、根来塗りの盆があった。美しいものの側で成長していった麻子ちゃんが、麻子さんとよばれるようになった時、彼女が選んだ仕事は、とても合点がいった。年齢を重ねるといったら少し大げさな気もするのだけれど、この話を読んで思い出を消化しながら経験を積むってとてもいいなと思えた。
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