9月16日(火)NEWoMan

ランニングしながら往来堂書店のPodcastの素粒社さんの回を聴いていると、「やっと涼しくなってきてお客さんがお店に戻ってきた」という話がで、足を止めて配信された日を確認すると2024年の9月29日だった。ということはまだ2週間近く暑い日を過ごさないとならないのだろうか。

午前中、新刊のページを作ったりとデスクワークに勤しむ。

午後は『マンションポエム東京論』の追加注文をいただいた紀伊國屋書店新宿本店さんに直納に伺う。

その足で、高輪ゲートウェイ駅に移動し、駅の目の前にオープンした商業施設NEWoManに入る「文喫」を覗きにいく。

文喫といえば「入場料のある本屋」がコンセプトだったと思うのだけれど、ここNEWoManのお店は普通の本屋で、一部がTSUTAYAの「SHARE LOUNGE」のようになっているのだった。なので営業のみなも安心して訪問するといい。

お店を見渡すと児童書コーナーが大人気。ベビーカーに子供を乗せたお母さんの姿が店内や休憩スペースに多く、既視感があるなと思ったら我が街のイオンだった。都心にありながらなんだか不思議な光景。

東京創元社の営業Mさんの姿を見かけたので、「最近は円筒形の棚が流行っているんですかねえ」などと話す。

9月15日(月・祝)ホームセンター

  • 過疎ビジネス (集英社新書)
  • 『過疎ビジネス (集英社新書)』
    横山 勲
    集英社
    1,100円(税込)
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    HMV&BOOKS

カインズにフライパンとやかんを買いに行く。日頃週末は介護にあたるため、こうした祝日以外買い出しにいけないのだった。

あまりに広すぎる店内、しかも商品がありすぎて、ホームセンター慣れしていない私には何を買っていいのかわからない。実家用に買い求めたいトイレの洗剤だけでも相当種類があるのだ。嗚呼、ふだん本を読まない人は大型書店にいったらこういう気分に陥るのか。

横山勲『過疎ビジネス』(集英社新書)読了する。これぞ新聞記者の仕事。あっぱれ。

9月14日(日)伏尾美紀『百年の時効』

  • 百年の時効
  • 『百年の時効』
    伏尾 美紀
    幻冬舎
    2,310円(税込)
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    HMV&BOOKS

読み終えた今、物語酔いにふらついている。すごい物語だった。550ページ、まったく途中で本を置くことなく、食事のときも、その食事を作っているときも、お風呂もトイレも本を手にしながらだった。

伏尾美紀『百年の時効』(幻冬舎)は、骨太で、壮大で、人間の苦しみ哀しみ、そして執念...すべてが詰まった物語だ。

昭和49年、春の嵐の夜、東京の佃島でとある一家が日本刀で虐殺される事件が起きた。その事件は主犯がひとり逮捕されるも犯行現場から推測される共犯者は見つからぬまま時は令和を迎えていた。

昭和、平成、令和と事件に司る3人の刑事が、まさしく「警官の血」で、時効が止まっている事件を追い続ける。単なる犯人探しや謎解きを超え、物語が広げる風呂敷の風圧に吹き飛ばされる放心の小説だ。

今日が休みでよかった。もし休みでなかったとしても休みをとって読んでいたことだろう。

9月13日(土)お茶丸ブックマーケット

何度も何度も天気を確認しても雨が降ると予想されており、すっかり中止かと思っていたお茶丸ブックマーケットだったが、確認するたびに雨雲がどんどんずれていき、結局時折ぱらつく雨はシートで凌ぎ、5時過ぎまで丸善お茶の水店前広場で30社の版元と本を売ることができた。

良いイベントとはなにかといえば主催者が楽しんでいることだ。この日も丸善の方々が大きな声で呼び込みをし、新たなイベントとして出版社が本の宣伝をする辻説法のコーナーも設けられ、さらにイカロス出版のMさんがギター片手に「Sweet Memories」を熱唱するという盛り上がりだった。3年目にしてマンネリになるどころか、イベント力がパワーアップしているのはなかなかないことである。

おかげで、本の雑誌社ブースにもたくさんの読者の人が来てくださり、楽しい一日となる。こういう場を設けてくださる人たちに深く感謝。

中井の伊野尾書店さんが来年3月いっぱいでお店を閉めることが、SNSで発表される。

9月12日(金)書窓展

昼前、古書会館で開かれていた「書窓展」を覗いてきた北原尚彦さんが来社。太ももの肉離れで起き上がることもできず、蔵書整理も体力のあるうちだと気づいたと語りながらも回復されればこうして古本を買い求めてきているわけで、古本者の業というものを思い知る。

北原さんが帰った後は、大阪より見本出しにやってきた140Bの青木さんが来社され、昼飯を食べながら秋以降の京都・大阪出張の予定を立てる。関西に行くとほとんど青木さんにアテンドしてもらっており、この秋は、京都、奈良、大阪と出張の予定なのだった。

午後、私も「書窓展」を覗き、田中二郎『砂漠の狩人 人類始源を求めて』(中公新書)、酒井敦『沖縄の海人』(晶文社)、児玉隆也『一銭五厘たちの横丁』(晶文社)を書い求む。

この夏、ちくま文庫で読んで感動した『一銭五厘〜』の単行本を見つけられてうれしい。

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