10月12日(月・祝)鴨川

4時25分起床。持ってきていたノートパソコンを広げ、デスクワーク。今週発送予定の書店さん向けDM作りに励む。

8時にホテルを出、鴨川を歩く。川床の下を流れるみそそぎ川に、鴨がすいすいと浮かんでいる。鴨川を歩いていると不思議といろんなことが考えられる。仕事のこと、家族のこと、自分のこと。まるで10代に戻ったときのように、プリミティブな対話が自分とできるのだ。だから僕は京都が好きなのだ。

三条で鴨川を上り、イノダコーヒ三条店に向かうもまだ開店前で、すぐ近くの本店に向かうとすでに列ができていた。その列に10分ほど並び、コーヒー(アラビアの真珠)を飲む。美味しい。

その後、大垣書店三条店さんと丸善京都店さんを覗き、ホテルに預けていたキャリーケースを引き取り、がらがらと音を立てながら八条口の鴨葱書店さんに歩いていく。店主の大森さんがPodcastで紹介していた佐藤ちえみ『鴨川ARCHIVES #01』などを購入。

大森さんと昼食を食べ、コーヒーを飲んで、新幹線で帰る。次に京都に来るのは来年3月(KOBE BOOK FAIR & MARKET)になるだろうか。新幹線のホームから京都の街並みを眺める。

10月11日(日)下鴨中通ブックフェア2日目

4時38分起床。暗闇の中、京都ラン。本日は鴨川を超えて東に足を向け、坂道で心肺機能に負荷をかける。汗、流れ落ちる。

走りながら昨日浮き玉△ベースのMさんから聞いた「まるき製パン所」のことを思い出す。朝6時半からやっていて、その頃ならそんなに並ばずに買えるかも、とのことだった。

5時45分にランニングを終え、一旦ホテルに戻り、財布を持ってそのまるき製パン所に向かう。開店15分前に着くとすでに人が並んでおり、8番目だった。店の前に並んでいるとパンのいい匂いが漂ってくる。

開店するとすぐに順番が回ってきて、コロッケパン、ウインナーパン、ドーナッツを購入。セブンイレブンでホットコーヒーを買い求め、ホテルで広げる。

8時に140Bの青木さんが迎えに来てくださり(青木さんにもコロッケパン、あんぱん、ドーナツを進呈)、京都学・歴彩館へ。下鴨中通ブックフェア2日目。

今日も今日とてたくさんの読者の方がきてくださり、本のこと、音楽のこと、Podcastのこと、京都の美味しいお店(篠田屋の皿盛)の話をうかがう。そして、「また来年お会いしましょうね」と声をかけられ、胸が熱くなる。

いったい本(や雑誌)とは何のか。私とは何者なのか──下鴨中通ブックフェアにくると毎年考えさせられる。そしてもっともっとおもしろくて、いい本を作らねばと思い改めてるのだった。

16時に無事イベント終了となり、段ボールに本を詰めていく。この瞬間、本は本でなくなる。いやまた次の出番を待つためにステージから楽屋に帰るのだ。またよろしくね、と思いながら判型を揃えて無駄なくしまう(段ボールは2箱に減っていた)。

夜は、4Bの面々で東北家という人気の中華料理屋で餃子などを食す。三夜連続の中華。そしてまた五条のコメダ珈琲でコーヒーを飲みながらシロノワールを頬張る。

8時半に部屋に戻り、スリップを数えて集計する。心地よい疲労と大きな充実感に包まれる。

10月10日(土)下鴨中通ブックフェア1日目

4時48分起床。5時半よりランニング。鴨川沿いを出町柳まで走り、戻ってくる。至福のランニング。五条のこのホテルはすぐ鴨川に出られるので大変心地よい。

8時に140Bの青木さんが車で迎えに来てくださり、京都学・歴彩館へ。スタッフの方と一緒にテント張りを手伝うが、一年に一度のことなのですっかりコツを忘れていて手間取る。しかも夏が戻ってきたかのような暑さで、額から汗が流れ落ちる。

段ボール5箱と送りすぎてしまったような気がする本をテーブル2台に並べ、売り場を作る。10時スタートとともにたくさんのお客様がやってくる。4年連続の出店となり、毎年顔を合わせている読者の方も多く、「お元気でしたか」と声をかけ合えるのがたいへんうれしい。

そうしておしゃべりして本を売っているとあっという間に時間が過ぎ、終了の16時に。本を一旦段ボールにしまい(4箱に減っていた)、歴彩館にしまう。

夜は、140Bの青木さん、1冊!取引所の渡辺さんと佐藤洋一郎『京都の食文化』(中公新書)で紹介されていた二条の大鵬へ。名物のてりどんきんしなどを食す。美味い。

8時にホテルに戻り、売上集計していると、事務の浜田がから「さらばのこの本ダレが書いとんねん!」のイベントも無事終了し、会社に戻ったとの連絡が入る。

そう、今日はイベントが重なっており、浅草公会堂で行われたイベントは、社員総出しても足らず、フリー編集のキンマサタカさんや絶景本棚撮影の中村カメラマン、そして浜田の義妹や私の娘も動員して対応していたのだった。

無事終わったことの安堵と感謝の想いが湧く。

10月9日(金)売ってこそ

9時30分発のぞみ21号に乗車し、京都駅に11:44分到着。階段を降りるとき、持ち上げた無印良品のキャリーケースの取手が真っ二つに破断する。長年使っているので劣化していたのであろう。慌てて検索すると自分で直せるらしく、取手をAmazonに注文する。

取手は壊れても伸縮するハンドルは無事なので問題なく利用はできる。がらがらと新幹線中央改札を出ると140Bの青木さんが迎えにきており、駅前で車に乗り込む。一路、新大宮商店街にできた本屋・彩文堂さんを目指す。そこは素敵な本屋さんでうっとり眺める。小指『小指の沖縄冒険記』を買い求めた。

続いて西陣の余波舎/NAGORO BOOKSさんを訪問する。内装から素敵で新刊と古本がバランスよく並んでいる。

京都は新しい本屋さんがどんどんできていて、楽しく、頼もしい。

夜、コメダでコーヒーを飲みながら、青木さんが漏らした言葉が胸を熱くする。

「売ってこそですよ、俺たちは。」

ほんと、そう。本を作っただけでは、それは単なる紙を束ねた物なのだ。

本は、売って、読まれて、初めて本になる。

僕たちは、そこまで責任を持つ。持ちたい。

今回は京都の定宿アルモントホテルではなく、相鉄フレッサイン京都清水五条に投宿。

10月8日(木)米本浩二『父よ、わが糞尿譚』

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  • 『父よ、わが糞尿譚』
    米本 浩二
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昨日、池袋の三省堂書店さんで神々しい装丁が目に止まり、手を伸ばした米本浩二『父よ、わが糞尿譚』(共和国)を一気読みする。

介護真っ只中の当事者である僕は、実はあまり人の介護の様子を読みたくないのだけれど、この本はそういうかたくなな心の壁をあっさり乗り越えてくる文体だった。

まず痴呆症の症状がでた93歳の要介護1の父親を「じいじ」と記すのがいい。そうなのだ。高齢者というのはなんだかゆるキャラに近づいていくもので、なんだか愛くるしい面もあり、しかし手間はたいそうかかるので、そこで「じいじ」などといった呼称をつけることのより、客観的に接することができるようになるものだ。

そのじいじの介護に博多と徳島を行き来し、ケアマネや訪問診療の看護師、デイサービスの人たちとあたっていく。その様子が端的な文体で具体的に綴られる。時折、毒気がまじるが、それは僕の心にも湧いている毒気であり、何度も拍手喝采してしまう。

父と息子──。それまでそれほど会話のなかった2人が、噛み合わない会話の末に交流していく。タイトルにあるとおり、それは時に糞尿まみれになることもあるが、人がいかに死に向かっていくのかが客観的に綴られたルポルタージの傑作だ。

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