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5月25日(土)

 6時起床。久しぶりにぐっすり眠っていたので、始発電車でディズニーランドへ出かける娘に気づかず。ランニング12キロ。肉離れの不安はまったくなくなり、以前のペースに戻る。

 シャワーを浴びて妻と買い物へ。空豆が終わり、枝豆が出始めるがまだ高い。真っ赤に熟れたトマトを箱で買う。

 昼にカレーチャーハンを作る。息子は美味い美味いと言ってお代わりするも、妻からは辛いと不評。

 午後、息子は部活、妻は息子の通う塾で来春の高校受験に向けて面談。

 図書館に行って文芸誌をめくる。「文學界」の「改元記念スペシャル企画 昭和最後の日、あなたは何をしていましたか?」や「群像」で平松洋子さんの「父のビスコ」など。

 某企画で課題図書となっている長浦京『赤刃』(講談社文庫)、深水黎一郎『美人薄命』(双葉文庫)を読む。

 夜、『着せ替えの手帖』の単行本化の準備。原稿を読みながら大声で笑ってしまう。

5月24日(金)

 なぜかトークイベントの聞き手にご指名いただき(6月5日三省堂書店池袋本店さんにて)、一足先に手に入れた小野寺史宜『ライフ』(ポプラ社/5月28日発売)を涙と鼻水止まらず電車を途中下車し、駅のベンチで号泣しながら読み終える。

 まさに"ライフ"。これがみんなの人生であり、みんなの生きるであり、みんなの命。そして僕の人生、僕の生きる、僕の命。

 本屋大賞2位と大躍進した『ひと』(祥伝社)以上にストーリーを廃しているというのに、なぜにこれほどまでに胸に響くのだろうか。もはや小野寺マジック。

 そして『ひと』に続く、フィジカルな本でしか表現できない方法で物語を締めた小野寺史宜。完全に脂が乗って、本屋大賞2位が奇跡でもなんでもないことを証明した。来たぞ、小野寺史宜の時代が──。

 と胸熱く出社し、我が社の期待の新刊『市場界隈』の販促パネルを制作。編集の高野から「取次店に搬入した新刊注文分は、沖縄の本屋さんには何日くらいで届くんでしょうか?」と訊かれ、そういえば何日で届くんだろうかと調べ慄く。そうか、そんなにかかるのか......。

 田原町のReadin' Writin'さんに『市場界隈』を、三越前のタロー書房さんに『旅する本の雑誌』を直納。沖縄にも期間限定本の雑誌出張所をこさえ、直納できればいいのだけれど。

 夜、千駄木の往来堂書店さんにて、『市場界隈』と『銭湯断片日記』(龜鳴屋)の刊行を記念して橋本倫史さんと武藤良子さんのトークイベント。満員御礼。日ごろより飲み仲間であるお二人の、リラックスした会話の中に、しかし執筆についてかなり緊張感も孕む真剣なトークが繰り広げられる。

5月23日(木)

 本の雑誌スッキリ隊、初出動ということで10時に高田馬場BIGBOX。浜本(スッキリ隊レッド)、古書現世の向井さん(スッキリ隊イエロー)、立石書店の岡島さん(スッキリ隊グリーン)とともにワゴン車に乗り込み、三軒のお宅の本棚整理へ。

 それにしても編集長(社長)と営業部長(取締役)が直接、読者のお宅に伺って、雑誌の感想などを伺いながら、本を引き取る出版社などこれまであっただろうか。これぞ究極のBtoCか?

 なんのためにやっているかといえば、やってみたいからであり、まあ楽しいことをやっているとそのうち商売になることもあるし、ならなければならないで楽しければいいのであり、何よりも知らぬ本を見て触るというのは至福の行為であり、そしてそれが人様の役に立てるというのであればこれ以上望むものもなく、ケラケラと終日笑って過ごせたことで大満足。

 というわけで蔵書整理に困っている皆様、スッキリ隊にご一報ください。

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5月18日(土)

 有隣堂目黒店にて、同社の草彅主税さんとトークイベント。1時間のところをぼくが脱線し過ぎて20分ほどオーバしてしまう。しかもかなりハイテンションで話したため、イベントを終えた時には頭の芯から疲労困憊。トークイベント・ハイをソフトランディングさせる方法は、決して振り返らないということ。反省したらそこには絶望が待っている。

 帰路、新橋で途中下車して、名古屋から上京されていた精文館書店の久田さんと紀伊國屋書店の山崎さんにご挨拶。

 帰宅して夕食をとって、なんとまさかの19時には起きてられず、ベッドに横になってしまう。

 しかし、そのおかげで1時に目覚め、FAカップ決勝。涙止まらず。

 マンチェスター・シティのイングランド史上初の国内三冠、スターリングのハットトリック、デ・ブライネの復活、ペップの満ち足りた表情はとても嬉しかったのだけれど、クラブ創設初の栄冠を目前に、0対5になっても応援をやめないワトフォードFCのサポーター、そして引退となる試合で大量失点してしまったGKゴメスの表情、決してアンチフットボールでなく闘ったワトフォードFCに感動する。

 勝つことはとても大切だけど、きっともっと大切なものがサッカーにはある。

5月17日(金)

 書店員さんから悲しい目をして「出版社の人ってあんな風に本や著者のこと見てるのかと驚きました」と例の幻冬舎の見城氏のツイートのことを話される。

 本の実売が著者のせいだというのなら、いったい出版社は何を請け負っているのだろうか。

 ぼくはいつも、どんな本も、もっと売ることができたんじゃないかと、著者の方はもちろん、装丁家さん、校正家さん、書店員さん、担当編集者、会社のスタッフと本に関わったすべての人に申し訳ない気持ちを抱えている。

 たとえ重版がかかったとしても、さらに重版をかけられなかったのは、ぼくのせいだと思っている。なぜならぼくは営業だから。本の雑誌社のたったひとりの営業だから。セールスに関してのすべての責任は、ぼくにある。ぼくの努力と工夫と熱意が足りなかったから本は売れなかったのだ。

 本の雑誌社から本を出したすべての著者のみなさんに、ごめんないという気持ちを抱えている。

5月13日(月)

  • 沖縄と私と娼婦 (ちくま文庫)
  • 『沖縄と私と娼婦 (ちくま文庫)』
    隆三, 佐木
    筑摩書房
    880円(税込)
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 昨夜は遅くまでプレミアリーグ最終節を観ていたため寝不足で出社。マンチェスター・シティを応援している私も、さすがに今年はリヴァプールが優勝してもよかったんじゃないかと思う。

 午前中、WEB本の雑誌の「書店員矢部潤子に訊く」を更新した後、8月刊行予定の単行本『書評稼業四〇年』のゲラを北上次郎さんへ送る。午後は次号「本の雑誌」の特集のため新潮社へ向かい、「新潮」の矢野編集長にインタビュー。

 夕方、会社に戻ってデスクワーク。寝不足がたたり疲労困憊のため本屋さんに寄ってから帰る。梨木香歩『椿宿の辺りに』(朝日新聞出版)、佐木隆三『沖縄と私と娼婦』(ちくま文庫)を購入。塾からなかなか帰ってこない息子が気になりつつもベッドに横になっているうちに眠ってしまう。

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