11月11日(月)
雨。早起きしてDAZNにてマンチェスター・シティ対リバプールを見る。いきなり立て続けに点を取られ、この週末は黒星ダブル。
雨やむ。先週はノンフィクション本大賞の発表があり、その準備や発表会のお手伝いと、そしてその後17回目を迎える本屋大賞の打ち合わせなどが続いたので、なんだか仕事した感満載だったのだけれど、実はそれらすべて仕事ではなくボランティアというか余技というか余興というか自らはじめたものとはいえある種なんだかわからないものであり、しかもノンフィクション本大賞となったブレイディみかこ『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』がバカ売れの大増刷だよと興奮していたのも他社本であるわけで、いったい私は何してるんだろうと虚無に襲われた週末なのであった。
結局、本屋大賞みたいなことをやっているのは、実は自分の本来の仕事から逃げ出そうとしているのではなかろうか、あるいは自分の能力のなさと向き合うことから目をそらすためなのではないかとさらに落ち込みそうになったので、週末はいつもより長く走り、どうにか気持ち持ち直すのに成功、本日無事出社できたのであった。
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本の雑誌の取材で与那国島のカディブックスへ行けたのは、自分の中で宝物のような経験だった。
小さな島に小さな馬が好きなように暮らしていて、その馬のとなりに河田棧さんが居た。
あんまり自分は内面みたいなものと向き合わないようにしているのだけれど、カディブックスの本を手にすると、自分のやわらかいところの声をもっと耳を澄まして聞いた方がいいんじゃないかと思えてくる。日常生活でないがしろにしている言葉にならないなにかを。あるいはわざとフタをして聞かないようにしているものを。
今日、千駄木の往来堂さんを訪ねたら、そんなカディブックスの小さなケース入りの新刊『くらやみに、馬といる』』が並んでいた。まるでそれは与那国島から届いたmessage in a bottleのようだ。大切にじっくり読む。自分自身からどんな声が聞こえてくるか耳を澄ませる。