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12月15日(日)

  • 贖いのリミット (ハーパーBOOKS)
  • 『贖いのリミット (ハーパーBOOKS)』
    カリン スローター,田辺 千幸
    ハーパーコリンズ・ ジャパン
    1,360円(税込)
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  • 図説 探検地図の歴史 (ちくま学芸文庫)
  • 『図説 探検地図の歴史 (ちくま学芸文庫)』
    Skelton,Raleigh Ashlin,スケルトン,R.A.,義郎, 増田,奈生, 信岡
    筑摩書房
    1,760円(税込)
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  • 深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと
  • 『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』
    スズキ ナオ,ポッポコピー
    スタンド・ブックス
    1,892円(税込)
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 書店アプリ「honto with」で検索するとすでに入荷しているようなので、カリン・スローターの新作『贖いのリミット』 (ハーパーBOOKS) を買いにジュンク堂書店大宮店へ。

 ジュンク堂と丸善と文教堂の在庫(と並んでいる棚番号)がわかるこのシステムが、全国の書店さんに活用されたらどれだけ地元で本を買うことが増えるだろうか。

 目的もなくぶらりと本屋さんに行き、その場で出会った本を買うのは幸福だけれど、多くの場合は目当ての本があって本屋さんに向かうわけで、その際これだけ便利になった世の中であるかないかわからない状態でものを買いに行くことはほとんどない。しかも電車に乗ったり、車を運転したりして、時間やお金をかけてあると信じて買いに行き、なかったときの落胆はそのお店への不信感を生んでしまう。

 それが事前に自宅で在庫確認でき、場合によっては取り置きまでできるこのシステムがあれば、家から一番近くにある、たとえ小さな本屋さんだったとしてもそこに本があることがわかればそのお店に向かうだろう。普及しますように。

 というわけでしっかり棚に並んでいた『贖いのリミット』とともに棚をうろつき、R.A.スケルトン『〈図説〉探検地図の歴史』(ちくま学芸文庫)とスズキナオ『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』(スタンド・ブックス)を買い求める。『探検地図の歴史』が文庫なのに1760円で、『深夜高速バス〜』は単行本で1892円。これはポテトはSもMもLも全サイズ150円みたいなものだろうか。

 大宮のあまりの人の多さに辟易し、浦和に戻ってパルコの好日山荘で買い物。前から目をつけていたノースフェイスの小さめのリュックを購入。ついでにパタゴニアのダウンを試着するも値札を確かめたら37,000円とあり、即座に棚に戻す。一瞬の試着だったが、その軽さ、暖かさが、忘れられず。

 今夜は息子の誕生日パーティーなので、息子が大好きな興梠慎三の家族が経営している「ローストチキン コオロギ」へ向かい、もも身とはね身を買い求め帰宅。なんだか人混み疲れでぐったり。埼玉スタジアムのほうが混んでるはずなのに不思議だ。

12月14日(土)

 予想通りうなされて3時半に目覚める。その後はなかなか寝付けず朝からぐったり。

 Jリーグが終わると週末は本当に何もやることがない。ランニング15キロ。どこまでも走っていけそうな青空。

 実家の灯油がそろそろ切れそうなので娘をアルバイト先に送った後、両親のところへ向かう。すっかり体調の回復した父親は高校の同級生と「東京さんぽ」にでかけたらしく、母親の買い物に付き合う。昼飯はその母親のお気に入り「とんかつ とんQ」でカキフライ定食。今シーズン初のカキフライ。美味。

 実家で湘南対徳島のJリーグ入れ替え戦を見てから帰宅。

 夜、娘の送迎を終えると眠気に襲われ、9時半に就寝。

12月13日(金)

 矢部潤子『本を売る技術』の原稿、最終確認。図版に不備が見つかり、あわてて修正。入稿前の原稿は何度見ても見足りぬのことはない。

 午後、その矢部さんの最後の弟子でもある小国さんが営む駒込のBooks青いカバを訪問。小国さんが倉庫から戻ってくるまでのあいだに棚を眺め、佐藤信行『未開と文明の交点』(NHKブックス)、ロナルド・M. ロックリー『アザラシの自然誌』(平河出版社)、アラン・ボンバール『実験漂流記』(白水社)を購入。イベントの打ち合わせ。

 6時に会社を出て、ヒューマントラストシネマ有楽町へ。ケン・ローチの新作「家族を想うとき」を観る。

 まるで重松清の小説のタイトルみたいだけれど、そこはケン・ローチ。サッカーでいったら肩を縮めて白い息を吐く中、ほとんど互いにチャンスもなく、延長120分戦って0対0みたいな映画だった。あまりにリアル(生活)で、もう映画を観てるんだか自宅に居るのだかわからなくなってしまい、どっぷり疲れる。冤罪事件のドキュメントを観たような気分。あっ、人生そのものが冤罪なのかもしれない。うなされそうだ。

12月12日(木)

 ときわ書房志津ステーションビル店を訪問し、店長の日野さんとお話。

 たしか田口久美子さんが『書店風雲録』の中で、「本屋は社会の鏡、ピカピカの鏡でなくてはならない」というようなことを書かれていたと思うのだけれど、このときわ書房志津ステーションビル店さんは本当に社会のピカピカの鏡の鏡のような本屋さんだ。

 フェアコーナーでは気候変動と自然災害に関する本が並び、緒方貞子さんや中村哲さんの著作が目立つところにしっかり置かれている。そういえば本屋さんってこういうところだったよなと背筋が伸びる。素晴らしい本屋さんが千葉にある。

 帰宅後ランニング。7キロ。

12月11日(水)

 昨日、一昨日に『本を売る技術』と『着せる女』の2冊の修正を、それぞれデザイナーさんと組版屋さんに依頼したので編集作業は一息つけるかと思いきや、なんとともに修正が終わったと連絡が入り、焦る。いやはや早い。早すぎる。世の中には仕事の超早な人がいるもんだ。

 慌ててプリントアウトし、修正モレがないか夕方までかけて慎重に確認する。原稿がこうして整っていくのは気持ちいい。私の父親は町工場を経営していたが、まさにあそこでひとつひとつの部品が作られ、組み付けられていく様子にそっくりだ。

 修正モレの部分を写メで撮り、改めてメールで送信。おそらく数十分後には修正されたデータが戻ってくると思うのだけれど、本日は『本を売る技術』の出版記念パーティーの打ち合わせがあるため銀座へ向かう。夜の蝶舞う銀座にクラクラする。

12月10日(火)

  • 本の雑誌439号2020年1月号
  • 『本の雑誌439号2020年1月号』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    897円(税込)
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 朝、雨がやんでからランニング7キロ。

 昨日から左足の薬指の指先がなんだかビリビリとしびれ通電したようになっている。これは日曜日にやったサッカーでなにか負傷したのだろうか。それとも土曜日に行われたJリーグ最終節で気温5度のなか埼玉スタジアム自由席の列に長時間並んでいたため凍傷にでもなってしまったのだろうか。それとももしや痛風発症の予兆か。

 痛風といえば通勤読書していた黒川博行の新刊『桃源』(集英社)が痛風もちの主人公で妙に肩入れしてしまう。

 早めに出社し、内澤旬子さんの『着せる女』の再校を引き続きチェック。昼前に終了したので、制作部を見渡すも(といっても1人しかいない)年末進行で殺気だっており家内制手工業も限界を迎えている。なので編集部の高野に紹介してもらい、データとゲラをもって神保町の組版屋さんへ修正依頼。

 会社に戻ると待ってましたと事務の浜田から直納の指示。新宿の模索舎さんと巻頭グラビアで掲載した千歳船橋の千歳書店さんへできたばかりの「本の雑誌」1月号を、そして『おすすめ文庫王国2020』のご注文をいただいた大塚の山下書店さんへ行くようにとのこと。お弁当をかきこみ、直納バッグを抱えて会社を飛び出す。

 直納を終えたのち、営業。とある書店さんがツーフロアからワンフロアへ大幅縮小の作業をしており胸が締め付けられる。

12月9日(月)

  • 山のクジラを獲りたくて―単独忍び猟記
  • 『山のクジラを獲りたくて―単独忍び猟記』
    武重 謙
    山と渓谷社
    1,650円(税込)
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 朝、駅に着くと東浦和駅で痴漢が線路内に逃げ込んだとかで武蔵野線運転見合わせ。みんなまた武蔵野線がと怒っているが、今回に限っては武蔵野線に罪があるわけではないので、同情しながら電車が動くのを待つ。

 1月刊行の『本を売る技術』の再校が著者の矢部潤子さんから戻ってきたので細心の注意を払ってゲラに書き写していく。諸々終えると昼を過ぎており、コピーを取った上でレターパックに入れてデザイナーさんへ送る。

 昼はコンビニでおにぎりとサラダを買い求め、家から持ってきたバナナとともに食す。先週録音してきた「北上ラジオ」の第10回分をYou Tubeにアップする。

 今回、北上次郎さんが熱烈推薦したのは『里奈の物語』鈴木大介(文藝春秋)。北関東のある町で、家庭すらない貧困状態の中育った女の子の苦しくもパワフルな青春小説。

 製本所より「本の雑誌」1月号が届くのを待っていたところ、内澤旬子さんより2月刊行の『着せる女』(連載時「着せ替えの手帖」改題)の再校が戻ってくる。またまたゲラに書き写す作業を始める。

 もはや営業なのか編集なのかよくわらからない状況なのだけれど、なんだかもう自分の中ではそういう仕事の区分けみたいなものはなくなっており、本を作るのも売るのも同じことというか、野球でいえばバッターのときもあれば、守備でボールを追いかけるときもあるように、どちらもひとつの流れの中にある。そしてさらに出版という仕事には、営業でも編集でもない仕事もたくさんあるわけで(最近は広報的な仕事がどんどん増えている)、それらも一連の流れの中で進めていく。そのすべてが「本を売る」ということに集約していくわけで、そういう意味ではやはり営業なのかもしれない。

 19時、頭がクタクタになったので仕事を切り上げ帰宅。

 シャワーを浴び、夕食後、『山のクジラを獲りたくて』武重謙(山と渓谷社)を夢中になって読む。ひとりで山に入り、足跡や五感や知識や経験や思考を駆使してイノシシやシカを追い仕留める単独忍び猟の、猟を始めて2年の記録と猟に必要な道具やハウツーなどがまとめられた一冊。非常に誠実で丁寧でフラットな目線で記されているので、たいへん好感をもって読み進む。子供の頃読んで宝物のようにしていた冒険本を思い出す。この本、すごく好きだ。

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