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9月24日(金)Amazonで初の一桁に腰が抜ける

  • 10代のための読書地図 (別冊本の雑誌20)
  • 『10代のための読書地図 (別冊本の雑誌20)』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    1,980円(税込)
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 数週間前にNHKの人から連絡があり、『10代のための読書地図』を番組で紹介したいのだが、その際表紙を映してよろしいかと尋ねられ、その番組というのが幾多のベストセラーを輩出してきた「あさイチ」で、表紙どころか全部朗読していただいてもかまいません!と了承したのであった。

 その放送日が本日なのであるけれど、残念なことに本日は病院に行って痛風発作を抑える尿酸値を下げる薬をもらいにいかねばならず痛恨の極みならぬ痛風の極み。これは果報は寝て待てではないけれど、家宝は病院で待てということで、放送が始まる時間を病院の待合室で過ごしていた。

 そもそも連絡があった際に、この日は秋の読書の紹介で何冊かの本を紹介するなかの一冊だと説明されたので、「あさイチ」で紹介されてベストセラーを期待するものの、その期待が外れたときの悲しみはあまりに大きいので、きっと表紙がちらっと映ってその他大勢扱いされるだろうと期待しないよう期待しないようこの2週間ほど自身に言い聞かせ過ごしてきたのだった。

 まあそうは言っても、本の雑誌社の本がNHKの人気番組で紹介される機会なんて今後30年はないだろうから、できるかぎり長く、一秒でも多く表紙が全国に向けて映し出されるよう、毎日、神田明神にお参りすることも欠かさなかったのである。

 そうして迎えた本日、祝日明けにしてはやけに空いた待合室のベンチに座ってぼんやり時を過ごしていたところ、「あさイチ」を見ていた書店員さんからぞくぞくと報告が届く。

 なんと表紙どころか中身の一部も映しだして紹介されているではないか。思わず名前も呼ばれていないのに立ち上がってしまった。

 今月は血液検査もなく無罪放免ということで薬だけもらい、すぐに会社へ。するとなんといきなり『10代のための読書地図』の客注の電話が鳴り始める。放送を見て、すぐさま本屋さんに向かったということか。すごい影響力だ...なんて驚いている間もなく、ぞくぞくと注文の電話が入る。

 イチかバチか勝負をかけて重版していた分は、翌週の月曜日にできあがるため、在庫は潤沢にある。いや、しかし、そうこうしているうちに大量部数の注文も入りだし、果たして重版分で持つのだろうかと心配になってくる。

 もう頭は完全にヒートアップしており、社内に誰もいなければ雄叫びをあげていたことだろう、が、本日は事務の浜田と編集の松村が出社しているので、ぐっと堪える。しかし頭の中は煮えたぎっており、これは頭を一旦冷やそうと神田明神へ御礼参りに行く。

 そうして頭を冷やし、冷静になったところで、スマホを確認すると、書店さんから注文のメールが届いており、そこに「Amazonで6位になってますよ!」と腰を抜かす報告が記されているではないか。6位?! 一桁?! もはやそれは人気アイドルの写真集でも作らぬ限り、手が届かぬ夢の世界ではないか。

 本の雑誌社の本ではこれまで二桁、それもたしか50位くらいが最高だったと思うのだけれど、まさか映えある一桁がゲットできるとは。

 もはや冷静になっている場合ではなかった。来週できあがってくる重版で足りないのは火を見るより明らかで、売れてるときに在庫を切らすのは出版営業の恥、大失態なわけで、ここは一日でも早く、次の重版をしなければならない。

 印刷会社のモリモト印刷に連絡を入れると、担当のSさんも「あさイチ」を見ていたらしく、同様に興奮しており、なんだかこうして印刷会社の人が一緒に喜んでくれることに感極まる。

 本が売れるとみんな笑顔になれるのだ。

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