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11月29日(月)

  • ULTRAS ウルトラス 世界最凶のゴール裏ジャーニー
  • 『ULTRAS ウルトラス 世界最凶のゴール裏ジャーニー』
    ジェームス・モンタギュー,田邊雅之
    カンゼン
    2,530円(税込)
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 先週ドロップされ、それ以来ずっと聴いているROTH BART BARONのニューアルバム『無限のHAKU』でトランスしながら、9時半に出社。社内ではヤクルトが日本一となり喜んでいる事務の浜田が傘を開いて東京音頭を歌っていた。

 午前中、ネット環境が調子悪いと工事に来ていたNTTの人たちが、その問題点を突き止め改善してくれる。ついでに浜田のパソコンが激遅の理由を突き止め、改善方法を教えてくれる。「これは業務に支障が出るレベル、私もこれまで見たことないレベルですね」。明日から浜田の仕事はさらなるスピードアップが期待される。

 朝日新聞に『頁をめくる音で息をする』と『古本屋的!』の三八広告出稿したので、その電話注文がポツポツ入る。朝、新聞を見て、お昼には本屋さんに向かってくださる読者の人がまだこれだけいるということに電話注文を受けるたびに感動を覚える。

 午後、高野秀行さんと打ち合わせ。エッセイ集の構成がなかなかまとまらず、出版が年越しになってしまったのは痛恨事。改めて検討す。

 ジェームス・モンタギュー著、田邊雅之訳『ULTRAS ウルトラス 世界最凶のゴール裏ジャーニー』(カンゼン)がくらくらするほど面白く、じっくりゆっくり読み進む。

11月15日(月)

  • ドードーをめぐる堂々めぐり――正保四年に消えた絶滅鳥を追って
  • 『ドードーをめぐる堂々めぐり――正保四年に消えた絶滅鳥を追って』
    川端 裕人
    岩波書店
    2,970円(税込)
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  • ニホンカワウソは生きている
  • 『ニホンカワウソは生きている』
    宗像 充
    (株)旬報社
    1,760円(税込)
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  • 絶滅魚クニマスの発見: 私たちは「この種」から何を学ぶか (新潮選書)
  • 『絶滅魚クニマスの発見: 私たちは「この種」から何を学ぶか (新潮選書)』
    中坊 徹次
    新潮社
    1,870円(税込)
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 9時に出社。電車はもはやコロナ前と変わらぬ混雑ぶりで、テレワークも夢のあと。これでまた第6派になるとみんな家に籠もるのだろうか。雨季と乾季があるように、これからの世界はコロナ季と非コロナ季の中で暮らしていくことになるのだろうか。

 朝イチで暗黒世界に引きずり込むようなメールが届き、どす黒い思いを抱えていると、遅れて出社してきた事務の浜田から、金曜日に私がテレワークにしたことを烈火のごとく叱られる。

「杉江さんがいないとせっかくヤクルトが勝ったのにクライマックスシリーズの話ができないじゃないですかっ!」

 というわけで溜まっていたヤクルトの話を1時間ほど伺う。

 今月の新刊2点(『頁をめくる音で息をする』と『古本屋的!』)の初回注文の締め作業をする。間違えては大変なので慎重に慎重を重ねる。これ、いったい同日何点も新刊を出している出版社の人はどうやって締めているのだろうか。

 無事新刊の締め作業を終え、どす黒い思いを抱えつつ、外に飛びたつ。

 この週末で、

『ドードーをめぐる堂々めぐり』川端裕人(岩波書店)
『ニホンカワウソは生きている』宗像充(旬報社)
『絶滅魚クニマスの発見』中坊徹次(新潮選書)

 を読了したのだけれど、かつていたことを証明するのも(ドードー)、今いることを証明するのも(ニホンカワウソ)、そして見つけたものがその種であると確定するのも(クニマス)、本当に大変なんだと思った。

11月1日(月)菅豊『鷹将軍と鶴の味噌汁』(講談社選書メチエ)がめちゃんこおもしろかった

  • 鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学 (講談社選書メチエ)
  • 『鷹将軍と鶴の味噌汁 江戸の鳥の美食学 (講談社選書メチエ)』
    菅 豊
    講談社
    1,980円(税込)
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 ランニングをしているとたくさんの鳥と出会う。

 といっても私は鳥に詳しいわけではなく、見分けられるのはスズメとオナガとカワセミ、それとシラサギ、アオサギ、カモの仲間くらいなんだけど、そういった鳥たちを見かけたときに、これ簡単に獲れそうだけれどだれか獲って食べないのだろうか? もちろん今は獲っていい時期や場所、獲っていい鳥も決まっているのだけれど、ならばそういった法律ができる前は獲って食べていたのだろうか? でもサギなんて美味くないのか? なんてことを疑問に思いつつ、息を切らせてランニングを続けていたのだった。

 そんなところに書店の棚で菅豊『鷹将軍と鶴の味噌汁』(講談社選書メチエ)を見つけ読みだしたところ、これがめちゃんこおもしろかった。無知の私にはほとんど全ページがワンダー(驚き)の連続で、かつて特に江戸時代はツルも含めて野鳥をたくさん食べていたし、鳥料理が献上物の一つとしてその料理作法まで決まっていたなんてまったく知らなかった。

 30年以上かけて過去の文献を紐解くことで、ここまで面白いノンフィクションが書けることにも驚いた。まさしく書評家・東えりかさんがいう「鳥ノンフィクションにハズレなし!」なのだった。

 昨日一昨日と神保町ブックフリマという、神保町ブックフェスティバルがコロナで中止なのは寂しすぎると白水社の営業Kさんとはじめたイベントを開催していたので、本日は休日なしの連続勤務8日目にあたるのだけれど、たくさん本が売れた満足感に浸りつつ出社。

 それにしてもイベントという非日常ではあれほど本が売れるのに、日常ではさっぱりな感じなのはそれだけ本が非日常の存在になってしまったということなのだろうか。できるかぎり日常で本が売れるといいのだけれど、本を売ろうとあくせくするとそこからどんどん離れていってしまうことに激しいジレンマに陥る。

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