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2月22日(火)

昨日からApple Musicで配信がスタートした浦和レッズのプレイリスト「GO REDS GO!」を聴きながら出社。

これは埼玉スタジアムで試合前に流れる音楽を集めたもので、スタジアムに着いて、席に座り、選手がグラウンドに出、練習をし、そしてまた戻り、選手紹介が始まるという、試合が始まるまでの一連の流れがまさしくこの音楽とともにあり、そうなると聴いてる私はもはや条件反射のように闘う気持ちがむくむくとわき起こり、いまにも拳を突き上げ雄叫びをあげたくなるというわけで、仕事を始める前にはぴったりな音楽なのである。

ただし私の仕事場は、神保町の雑居ビルの一室であり、そこには身体をぶつけてボールを奪い合う相手はおらず、時たま電話が鳴るだけであとはキーボードを叩く音くらいしかしないしんとした環境であり、ひとりいきりたっていても浮くだけなのであった。

それでも上がりきったモチベーションを胸に、近くの取次店八木書店さんに本日搬入の新刊『ずぶ六の四季』を納品し、来月から始まる芳林堂書店高田馬場店さんでのフェアの出荷準備に勤しむ。

昼にお客さんが来、おせっかいごと。1時間ほど古瀬戸でお話。

会社に戻るとすぐに外出。中井の伊野尾書店さんに追加注文いただいた「本の雑誌」を届ける。相変わらず、というかさらに伊野尾書店さんの品揃えは磨かれており、すっかりピカピカの街の本屋さんになられていて、なんだか嬉しくなる。家の近所にこんな本屋さんがあったら、週末は毎週まとめ買いに行くのだけれど。

伊野尾書店さんを出たところで、会社からメール。大変お世話になっていた人の訃報を知る。心の準備はしていたものの喪失感が大きく、その後は思い出の中で終日過ごす。

人はなぜ死ぬのがわかっているのに懸命に生きるのか。死ぬのがわかっているからこそ懸命に生きるのか。

2月21日(月)

  • サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)
  • 『サッカー店長の戦術入門 「ポジショナル」vs.「ストーミング」の未来 (光文社新書 1182)』
    龍岡 歩
    光文社
    1,034円(税込)
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  • ULTRAS ウルトラス 世界最凶のゴール裏ジャーニー
  • 『ULTRAS ウルトラス 世界最凶のゴール裏ジャーニー』
    ジェームス・モンタギュー,田邊雅之
    カンゼン
    2,530円(税込)
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 Jリーグが始まり、暗黒の月曜日も始まる。

 そんななか、龍岡歩『サッカー店長の戦術入門』(光文社新書)読了。これまでいくら戦術本を読んでも高校の基礎解析の教科書くらい理解できず、もはやサッカー戦術本は私にとって「Newton」の相対性理論特集化していたのだ。しかしこの『サッカー店長の戦術入門』は、そんな戦術偏差値48の私にもサッカーの戦術がめちゃくちゃくっきりはっきり理解でき、なるほどなるほどと相槌と膝を打ちまくる一冊だった。膝を打つだけでなく、この10年くらいサッカーで一番知りたかったことがすべて書かれており、ゾクゾクし過ぎて熱を計ろかと思ったほどだ。

 まだ2月だけど、そしてジェームス・モンタギュー『ULTRAS 世界最凶のゴール裏ジャーニー』(カンゼン)という破壊的サッカー本があるのだけれど、2022年サッカー本大賞最有力。

 電車は少し空いてるようなそうでもないような中、9時前に出社。

 まずは刊行待ち望まれている『その出版社、凶暴につき』の改稿に改稿に改稿を重ねられた原稿の感想を著者である田代さんにメール。すぐに電話があり、諸々お話。また一歩刊行に近づいたはず。

 そうこうしているうちに宅急便で内澤旬子さんから次の単行本で使うイラストが届く。思わず撫でたくなるようなカヨたち(ヤギ)のイラストに感無量。いい本になりますなとほくほくしつつデザイナーさんに連絡。

 またまたそうこうしているうちに、明日搬入の大竹聡『ずぶ六の四季』の社内納入分が製本所より届く。装画牧野伊三夫さん、装丁松本孝一さんのおかげで涙がこみあげるほど素晴らしい本に仕上がる。

 興奮を鎮めた後、夏前刊行目標の古書現世・向井透史さんの『早稲田古本屋劇場日記(仮)』の原稿整理に励む。

 コロナが始まってから2年、こうしてなぜか営業なのに本ばかり作っているのだが(毎号雑誌の特集も考えている)、常に私は日本中の本屋さんを廻って書店員さんと話し、少しでも本が売れるようにしたいと願っているのだった。

 しかしコロナによって、思うように、自由に動けない、人と会うことに緊張と不安を抱えざるえない。そんな日々に心底嫌気がさし、そして鬱屈するストレスを、走ることと歩くことでどうにか緩和しているのだけれど、そうするとどんどん健康的になっていくもので、誰も私がそんな憂いと屈託を抱えていることを知らないのだった。

 思う存分、心置きなく、人と会い、話し、本を売りたいのだが、果たしてそんな日は帰ってくるのかしら。

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