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9月26日(月)

 昨日、浦和レッズがセレッソ大阪に手も足も出ず、まあ手を出したらハンドで反則なのだが、0対4と大敗を期し、先週起きたことはすべて忘れてしまった。

 それにしても、ついひと月ほど前にリカルド・ロドリゲス監督自身が「私が浦和レッズに来てから一番いい時期を迎えている」と言うほど連勝大勝していたはずが、一気に急下降、今季最悪の試合をしてしまうとはどういうことか。セレッソ大阪との相性もあるだろうし、ACL後に選手やクラブスタッフがコロナに感染しコンディション不良もあるかもしれないが、それにしてもジェットコースターにも程があるのではなかろうか。

 日曜日に負けると、心の回復ができず、まったくやる気が起きないまま週が始まってしまうのが何よりもつらい。それでも気を取り直して出社し、かたやヤクルトスワローズがセ・リーグ連覇を果たし大喜びしている事務の浜田におめでとうの声をかけ、週末に読んだ奥田英朗『リバー』(集英社)の感想を話す。これだけは浦和レッズの大敗でも忘れないほど、すこぶる面白かったのだ。宮部みゆきの『模倣犯』や横山秀夫の『64』と双璧をなす犯罪小説であり、比類なき群像劇。奥田英朗あっぱれ。

 梅屋敷の葉々社さんに、追加注文いただいた「本の雑誌」10月号を納品にあがると、ちょうどそのときいらしていたお客様が、なんと群さんが本の雑誌社で働いていた頃からの読者の方であり、しかも先月刊行した向井透史『早稲田古本劇場』もお読みいただき、「すっごく面白かった」と感想をお聞かせいただく。

 営業に行った先で、自社の本が買われる瞬間を目撃することすら30年間の営業生活でほとんどないというのに、まさかお店で読者と出会え、しかも感想を直接聞けるなんてことは、これまでまったくなかったのではなかろうか。

 そうしたコミュニケーションが起きる可能性を演出しているのは、間違いなくここ葉々社の店主小谷さんの力であろう。ここにいるだけで不思議と知り合いが増えていくような気がする。

 牟田都子『文にあたる』(亜紀書房)を購入する。

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