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5月7日(火)定価

電車満員。ほとんどの路線が遅延。みんな会社に行きたくないのだ。

しかし私は会社に行きたい。いや、行くことが嫌ではない。なぜなら昨日、浦和レッズが勝ったから。浦和レッズが勝利すればたいていの面倒事はどうでもよくなる。浦和レッズの勝利によって推定100万人くらいの人が人生ハッピーに過ごせるのだった。すごい仕事だ。あえて仕事というけれど。

そしてわが「本の雑誌」6月号の定期購読者分が出来上がり、製本所から納品となる。

すぐに封筒に入れて発送するのだけれど、その封入作業のとき、「本の雑誌」を裏返しにして封筒に入れていく。

目に入るのは沢野画伯のイラストではなく、そこに書かれた「定価(本体700円+税)」という文字だ。

なにもかも物価の上がる現在、書店さんから「「本の雑誌」は安すぎるよ」と指摘されることもあるのだけど、果たして770円の価値があるのだろうかと封入しながら自問する。

もちろんそれだけのものを作っているという自負はある。しかし、それが自己満足になってはいけない。

私にとっての浦和レッズの勝利のように、「本の雑誌」が届いた時に、いっときでも読者の人が日常の不満やストレスを忘れられるといいのだけれど。そういうものを私は、作っていきたいと思っている。

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