11月1日(金)表紙画像
9時半出社。昨日渡さんに取り出してもらったハードディスクを新しいMacBookに繋げ、必要なデータを抜き出していく。
私のパソコンの中で最も変えの効かない大切なデータはなにかというと、表紙の画像なのだった。
思い返せば表紙を画像データにするようになったのは、Amazon等ネット書店ができてすぐではなく、当時は取次店さんの窓口にいくと、その奥で画像をスキャンしていた人がいたように、それらの取次店さんかネット書店さん各々で表紙を取り込み商品ページに掲載していたのだ。
それがいつぞやから版元である我々が商品ページのデータを入力するようになり、そして表紙画像も自らアップロードするようになったのだった。
そうして今では、書籍や雑誌ができあがる度に(実際にはできあがる前)、編集から表紙の表一の帯あり、帯なしのデータが営業である私に届けられる。それはもはや紙に印刷されたカバーをスキャンしたデータではなく、デザイナーさんから届いたデジタル上のデータだ。
でだ。各々編集者からそうして届けられたデータを営業である私はせこせことアップロードした後、「表紙画像」というフォルダーに保存していた。
アップロードしてしまえば必要なさそうなものなのだがこれがまた自社の既刊本のチラシやあるいは雑誌やネット記事などから表紙画像がほしいという依頼がちらほらあったりして、結構使う頻度があるものなのだった。
それぞれ編集者も保存しているかもしれないけれど、すでに担当が退職していたり、あるいはメールを掘り起こすのも大変だろうで、本の雑誌社の表紙画像が一元保存されているのは私のパソコン(ハードディスク)だけなのだ。
だから今回画面が真っ白になったときに、まあもう新しいMacBookが手に入るならデータなんてどうでもいいかと思っていたものの、表紙画像のことを思い出し、私の頭も真っ白になったのだった。
かろうじて生きていたハードディスクから「表紙画像」をコピーする。あっという間に横棒がスライドしていきコピー完了となる。そして昨日渡さんが教えてくれたクラウドにも保存する。
果たして出版点数の多い出版社は、表紙画像をどのように管理しているのだろうか。
帰宅後、届いていたDVD「THE FOOLS 愚か者たちの歌」を観る。カッコ良すぎてノックアウト。