2月11日(火・祝)高崎サイン会革命
10時45分、大宮から湘南新宿ライン特別快速に乗り、高崎を目指す。高野秀行さんとAISAの小林渡さんは新宿よりグリーン車乗車しているのだが、私は普通車両で読書。しかし、籠原で乗車していた車両が切り離され車庫に入るということで、慌てて後部列車に乗り換える。
11時58分に無事高崎につき、高野さん、渡さんとタクシーに乗り、イベント会場であるREBEL BOOKSさんに向かう。
REBEL BOOKSさんからは何年か前に高野さんのイベントしたいと連絡をいただいていたのだ。しかしそのときは本の雑誌社からの刊行物がなくお断りしていたのだけれど、店主の荻原がさんが熱烈な高野ファンである、また店頭にずらりと著作を並べ販売していただいているのを知っていたので、いつか新刊を出すことがあったら高崎でイベントをして、高野本の聖地化高野さんと私の想いでもあったのだ。
念願叶ってREBEL BOOKSさんに到着。屋上付きの三階建ての建物の1階が本屋、二階がイベント施設となっており、まるでアジトのような雰囲気で、大変居心地良く、お店にはしっかり行き届いた本が並んでいた。これは近所にあったら入り浸るだろうと思いつつ、イベントの準備に勤しむも、予想通り高野さんのパソコンはプロジェクターに認識されず、渡さんのパソコンを繋いで急場をしのぐ。さすがITクラッシャー高野さんなのだった。
ところが大変活発な質疑応答もあったトークイベントを終え、サイン会にうつると、そのITクラッシャー高野さんの口から信じられない言葉は発せられたのだった。
「宛名も書きますので、よければ自身のスマホに名前を打っておいてください」
おおおお。これまでサイン会の立ち会いで何に難儀していたかというと、本を受け取り、落款を押し、合紙を入れるという作業をしている間に、立ち並ぶ読者の方にため書き用のメモとペンを配ることなのだった。このワンオペ対応に苦しんでいたところに、高野さんのまさかの提案。
するとみなさんスマホを取り出し、メモ機能に自身の名前を記入し、高野さんに差し出すのだった。目の前で「革命(イノベーション)」が起きたことの感動に打ち震えながら、イベントは無事終了したのだった。
高野さんは気づいていないけれど、これは出版史あるいは書店史に刻まれる「高崎サイン会革命」の瞬間だ。高野さんは出版業界のナポレオンと呼ばれることだろう。
荻原さんのおすすめの「Bedford Market」で打ち上げし、20時発の新幹線あさま630号で帰宅。