3月5日(水)狂気
夜、本屋大賞の会議をしていて、ふと思う。われわれは相当狂っているのではなかろうか。
なにせまったくの無報酬、さらに正直ほとんど誰にも感謝されることのない文学賞というものの運営を22年に渡って嬉々としてやっているのだ。
現に本日も19時に集まり、会議が終わったのは22時。机の上には紙コップに注いだ麦茶とアルフォートやおかきといったまるで子供の頃の誕生日会やお遊戯会のごとくお菓子が並び、素面も素面で喧喧諤諤の議論をしているのだった。
こうしたボランティアは1年は誰にもできるだろう。3年もその勢いでできるし、5年は仲違いなどしながら疲労を覚えつつ続けられるだろう。そして10年やったら多くは満足してやめるのではなかろうか。
ところが本屋大賞は、22年だ。狂ってなければできない。
何に狂っているかといえば、本だ。本屋だ。本のために、本屋のためになるなら、こんなうれしいことはない。
その想いだけで実行委員みな22年こうして夜な夜な集まっているのだった。