10月1日(水)退院
雨で走れず不本意な気持ちを抱えて出社。
通勤途中、病院から電話があり、母親の退院日が決まる。
たった一週間で退院できたと喜ぶ気持ちはあまりなく、わが週末実家介護が母親の体調次第で崩壊するとわかった気の重さに包まれる。まあ、世の中すべての事項が健康前提にできているのだが......。
それにしてもすでに母親より妻といる年月の方が長く、実家で暮らすより長い日々を今の町で暮らしていても、病院に行けば医師や看護師から「息子さん」と呼ばれ、介護施設に電話する際には「息子です」と名乗っているのだった。
子供が産まれたとき親になるという責任に押しつぶされそうになったが、今は息子であることの責任に押しつぶされそうだ。
午前中はゲラを読み込み、気になる点をチェックしていく。
午後、伊野尾書店の伊野尾さんにそのゲラを届けにいく。店頭に貼られている閉店の告知を見て、散々話を聞いていたにも関わらず現実なんだと思い知る。
しばし店内をうろつきながらおつかいに出ている伊野尾さんを待つ。そこは小さいながら宇宙のように広く、各ジャンルともこんなのがあったのかと驚く本が棚にささっている。
それでも本屋さんは閉店する。閉店せざる得ない、のだ。
戻ってきた伊野尾さんにゲラを渡し、しばし打ち合わせ。
その後、神保町に戻り、ブックフェスティバルと同日に開催されるBOOKCAMPのキックオフミーティングという名の打ち合わせに向かうと、なぜか16時半スタートのはずが5分前に到着したのにも関わらず、すでに始まっていて焦る。
隣に座るS出版社のKさんが、小声で「はじめのメールに書かれていた開催時間が間違えていたらしいです」と教えてくれる。
長年サッカーを見ているけれど、キックオフ時間が変更になるなんて雷雨以外経験がなく、30分ほど説明を拝聴し帰社。
18時半までデスクワークに勤しんで仕事を終える。