11月3日(月・祝)おひがしさんブックパーク
6時すぎにホテル尾花を出、近鉄奈良駅に向かう。昨日あれだけの人でごった返していた街中はまだゴミ収集車以外の姿もなく、街自体が寝静まっていた。
京都駅に着いたのは7時半。昼食抜きになる可能性が高いため八条口前のなか卯に入り、銀鮭牛小鉢朝食(具だくさんとん汁に変更)を食す。店内はインバウンドのお客さんでいっぱいで、商品の出来上がりを告げるアナウンスも多言語で伝えられている。
8時過ぎに会場となる東本願寺に着くと、すでに140Bの青木さんが車で荷物を運び終えてくれていた。今日は「おひがしさんブックパーク」という本のイベントに140Bと英明企画編集と本の雑誌社の3社で合同でブースを出すのだった。
10時開店を目指し本を並べていると強い風とともに北の空から真っ黒い雲がやってきて、テントを建て終えた頃、ポツリポツリと雨が降ってきた。そこから断続的に雨が降り続ける。
ウインドブレイカーのフードを被り、息子のことを思う。きっと今頃息子も寒空の下、サッカーグラウンドにいるだろう。サッカーの仕事についた息子は、毎日、外にいる。雷以外の日は、雨が降ろうがボールを蹴っている。びしょ濡れになって帰ってくることもしばしばだ。
息子は何を思って毎日働いているのだろうか──。
いつも息子は玄関を開けると大きな声で「ただいま」というのだった。
そして晩御飯のメニューを確かめるようにして食卓を覗くと、「よし」っと小声でつぶやき風呂場に向かう。
そこには微塵の後悔もなく、その日一日太陽や月の下で身体を動かし働いた人間だけが手にできる疲労と満足感がみなぎっている。
雨の中、本を売る。ここ数日、私も空の下で必死に働いている。
息子の背中が東本願寺に向こうに見えた。





