11月6日(木)出川イングリッシュ
朝、秋葉原から歩いて会社に向かっていたところ、淡路町のあたりで女性から声をかけられる。
一瞬なにかの勧誘かと身構えた自分を恥じたい。顔を見ればアジア系の外国人で、スマホを差し出し、画面を指差している。
そこには「Shinochanomizu ST」の文字が記されていた。
あっ、道がわからないのか。
目の前の階段を降りて淡路町の駅から新御茶ノ水駅にも歩いていけるけれど、地下通路もわかりにくかろう。そういえば先日パブリシャーズウィークリーの外国人記者から取材を受けた際、私はまるで出川哲郎の英会話のように「ドゥー ユー ノウ リュウムラカミ?」と質問をして通じたのだった。
OKの意味を込めて大きく頷き、「カモン!」と声をかけ、私は彼女と並んで歩き出した。彼女も安心した表情を浮かべついてくる。
しかしである。よくよく考えてみると、新御茶ノ水駅という行き先は間違っていないが、そこから電車に乗りたいのかは聞いていなかった。
そこで出川イングリッシュを発してみる。
「ドゥー ユー ウォント ライド トレイン?」
しかし彼女は?の表情を浮かべる。どうやら私の「トレイン」という発音が伝わらないらしい。
そこで言い方を変えて「チヨダライン?」と尋ね直すと、彼女は大きく頷き、「なんとかかんとか荒川」という返事がきた。
荒川なら千代田線で間違いない。
地下への入り口で別れてもよかったのだけど、私も急いでいるわけではないので千代田線の改札まで案内した。
改札で別れる時、また私は出川イングリッシュを発してみた。
「ディス イズ チヨダライン。ホームナンバー トゥー」
すると彼女は、満面の笑みを浮かべてこう答えた。
「アリガトウゴザイマシタ」
もしかして日本語ができる人だったのだろうか。





