1月13日(火)恐ろしい視線
多摩霊園にて坪内祐三さんの七回忌。
お経ととに墓前で過ごした時間を「いい時間でした」と感想を漏らした人がいたが、まさしく「いい時間」で、人生の中でこういう「いい時間」をいったいいくつ過ごせるだろうかと墓標にある坪内さんの手書きの文字と青い空を眺めながら思う。
帰りの電車の中で、いただいた講談社文芸文庫版の『文学を探せ』を読み始めると、すぐに「恐ろしい視線が消えて人は弛緩する。」という一文に目が吸い寄せられる。
これは小林秀雄や中上健次の死の後、文学者から緊張感が失せたことを指摘しているのだが、まるで今の「本の雑誌」やこの日記を指摘されているように思え、そこからページをめくることができなくなってしまった。
坪内さんや目黒さんの視線がなくなり、私はたしかに弛緩している。
目をつぶると電車は真っ暗闇の中を走っていった。






