2月19日(木)切実な本
先日、荻窪のTitleを訪問した際に店主の辻山さんから「杉江さんもここ数年変わってきた気がします。遠くから見ていてそう感じます」と言われた。自分自身もどこか変わってきた気がしているので、荻窪駅まで歩いて帰る道すがらその足跡を見つめ直してみた。
そうすると私の変化の第一歩は、そう指摘した辻山さんがかつて話した「切実な本は売れています」という言葉なのだと思い当たる。
それはレジ打ちしてもらいながらうかがった言葉で、「本が売れないと言われますけれど、切実な本は売れています」という話だった。
売れる本を作らなければならないというのが私の人生なわけで、その売れている本が「切実な本」と教えられ、Titleにも並んでいたいくつかの本が頭に浮かんだ。
しかしそれは私が作れるような本ではなかった。作りたい本でもないし、私が読書に思い描いているものとはずいぶん違う感じがした。
切実ってなんだろう......というのがここ5年くらいずっと頭の中にあり、もし私が変化しているとするならば、辻山さんが言った「切実な本」というのがその源なのだ。
大森皓太さんとの共著『往復書簡 本をひらく』ができあがった。
できあがってみると、これは私にとって「切実な本」だった。






