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2月26日(木)江口大和『取調室のハシビロコウ』

  • 取調室のハシビロコウ: 黙っていたら、壊された。 ある弁護士の二五〇日勾留記
  • 『取調室のハシビロコウ: 黙っていたら、壊された。 ある弁護士の二五〇日勾留記』
    江口大和
    時事通信出版局
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「まず江口さんに謝っておきたい。最初の感想として、この本には最も不適切な言葉を書いてしまいます。面白かった。」と著者への謝罪からはじまるとても興味深い朝日新聞の書評で知った江口大和『取調室のハシビロコウ』(時事通信社)を一気読みした。

身に覚えのないことで逮捕された弁護士が、拘置所に閉じ込められた250日を克明に記しており、罪の確定していない人に人格を破壊して自白を捻り出そうとする検察の取り調べには、自分にもしこういうことが起きたら...と地の底から恐怖が湧いてくる。犯罪を犯す人以上に正義を司る人たちが恐ろしい。

しかし被収容者を「中の人」といい、横浜拘置支所を「横プリ」と呼び、さらに黙秘を続ける自身を「ハシビロコウ」と例える著者のユーモアに、まさに朝日新聞の書評にあったように面白い本だった。

別丁扉の後に真っ白の本文ページがあり、普通ならば書名を印刷して本扉にすると思うのだが、そこには何も印刷されていない。まったくの空白のページになっている。読み終えた後、その空白のページをじっと見つめる。

朝日新聞の書評の効果か2軒の本屋さんで売り切れで、3軒目の超大型書店で面陳最後の一冊を購入した。

まだまだ書評の力はある。

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