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3月31日(火)本屋さんの閉店
伊野尾書店さんの閉店に立ち会いながら思い出していたのは、新橋の文鳥堂書店さんが閉店した時のことだった。
あの頃、本屋さんの閉店は特にニュースにならず、こうして最後にシャッターを下ろすときに人を集めることもなく、場合によっては版元の営業も知らずに次訪問したらお店がなかった、なんて感じだったと思う。
文鳥堂新橋店さんの閉店は私にとってまさにそれで、前回の訪問からひと月後くらいに訪問したらお店が閉まっていて、ちょうど什器を撤去しているところだった。
あれはいつ頃のことだったんだろうか。たしかその日のことをこの日記に記したよなと検索してみると、なんと連載の一回目がその文鳥堂新橋店さんの閉店のことだった。それは今から26年前、2000年の8月のことだ。
華々しく自社のホームページができあがるその連載一回目に私はいったい何を考え、本屋さんの閉店を記してたのか──。
20時ちょうどに伊野尾さんが店から出てきて、傘立てや雑誌を並べていた什器を店内にしまう。シャッターが下され、店の前に集まっていた人たちと並んで記念撮影をすると、伊野尾さんの「解散!」という声で、伊野尾書店の69年の歴史は閉じた。
閉ざされたシャッターには、6月にここで開店するBOOKSHOPトランスビューのポスターが貼られていた。
3月30日(月)飯嶋和一『虚空蔵の峯』
飯嶋和一『虚空蔵の峯』(小学館)読了。
藩主による悪政、困窮する農民による泣訴、背景にある幕府内の抗争、現代にぴったりなテーマであり、いくらでもドラマティックにできるのに、この著者飯嶋和一はたんたんと微に入り細に入り、まるで報告書のように記す。
ただひとり別の方法で小説という芸術に挑むよう。唯一無二の小説家。
既存の書店と独立系書店の話となるとその品揃えの違いに陥りがちなのだが、商売の仕方の違いに目を向けて欲しいのだった。買い切りで仕入れ、ときには正味交渉もされ、ネットでの通販も活発にする。
実はそこに出版社としての本作りや営業のヒントもたくさん転がっており、私自身それが知りたくて『本をひらく』で大森さんにしつこく質問を投げかけていたのだ。
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杉江由次 著作紹介
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- 『サッカーデイズ』
- 小学館文庫
- 2016年2月上旬刊行
- やりたいことはただひとつ。子どもとサッカーがしたい。父と娘の熱くて愛おしい日々を綴るエッセイ、待望の文庫化。
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