最後まで読んでつまならかったら返品承ります!?
文=本の雑誌特派員
本やゲームを買った後に後悔したことはないだろうか。想像したものと違った、とんでもないクソゲーだった。しかしどんなにがっかりしたとしても、洋服のサイズ違いじゃないから、お店で交換や返品なんてできないのは当然だ。
しかしなんとそんな常識をやぶったフェアを開催している書店を発見したぞ。
店頭にうず高く積まれた『階段途中のビッグ・ノイズ』越谷オサム著(幻冬舎文庫)に、「もし最後まで読んでつまらなかったら、責任を持って返品を承ります!」と看板が掲げられているではないか。
そのお店は丸善ラゾーナ川崎店で、こちらのお店で『階段途中のビッグ・ノイズ』を購入し、最後まで読んでも「面白くなかった」場合、発売後1ヶ月間(平成22年6月11日まで)に限り、レシートと商品を持っていけば、返品を受付け、代金を返してくれるという。
担当の沢田さんに話を伺うと、単行本で『階段途中のビッグ・ノイズ』を読んだ際、感動と興奮で居ても立ってもいられないほど夢中になったそうで、この傑作青春小説を一人でも多くの人に読んで欲しいと文庫化を記念して烈々プッシュしようと、この「返品承ります」フェアを思いついたとか。
そこまで言われたら読みたくなるのが人の常。すでにこちらのお店では120冊以上売れており、本屋大賞受賞作にして映画化で大ヒットしている『告白』湊かなえ(双葉文庫)に次いで、文庫部門2位の売上だとか。
今のところ返品に来たお客さんもいないそうで、それこそ「面白い」証拠かもしれない。