追加注文だい! 『だいたい四国八十八ヶ所』だいたいこんな感じで売れてます日記
文=本の雑誌特派員
あまりの面白さに『だいたい四国八十八ヶ所』宮田珠己著(本の雑誌社刊)を「もし読んで面白くなかったら返品を受けますという」掟破りのキャンペーンで発売している丸善ラゾーナ川崎店沢田氏から売上報告が届いたぞ。
●1/21(金)晴れ
日直:沢田
10:00 【開店】
初日2冊のショックを引きずりながら出勤。発売前1ヶ月に亘って試し読み用の〝ちょいゲラ〟を配布していたのだが、その捌け具合が余りに良かったので勝手に大船に乗った気でいたが、そんなに甘くはなかったか......。
11:00 【POP掲示】
『WEB本の雑誌』上で売れ行きを毎日UPだなんて変なこと提案しちゃったな、と少々後悔しながらも、《1/21の売れ2冊、返品0冊》のPOPを描いて掲示。写真を撮って杉江氏にメールしつつ、確認のTEL。
(沢田)「どうする、ホントにUPする? 下手したら逆効果ってことも......」
(杉江)「取り敢えず、返品OKの販売を始めたってことだけUPしましょうか......」
などとお互い弱気な発言に終始するも、数分後には写真入りでドーンとUPされる。
12:00
この時点で本日の売上4冊。まぁこのぐらい売れてくれればどうにか恰好はつきそうで、ひとまず胸をなで下ろす。
19:00
上がる前に売上を確認すると、本日ナント10冊! ザ・二桁! 思わず杉江氏の携帯を呼び出してヨロコビの報告。
(沢田)「今日の売上、知りたい?」
(杉江)「何ですか、その思わせぶりな口調は。3、4冊は売れました?」
(沢田)「ナント10冊! 昨日と合わせて12冊!」
(杉江)「マジっすか!? あり得ない! 凄ぇーっ! 何かちょっとイケそうじゃないですか!?」
(沢田)「こりゃあイケるよ、イケちゃうよ!」
などなど今朝の弱気がウソのように一転。まるで天下を獲ったような騒ぎ。なんとも単細胞な営業マン&書店員なのだ。
本日私は公休日の為、『だいたい四国』が気になるものの、掃除洗濯などの家事を片付けた後、杉江氏に影響されてすっかりハマってしまったランニングに出発。
10kmほど走って帰宅後、風呂が沸くまでの間にメールチェック。そうか昨日の売上報告メールが来てる筈だと思い出し、厳かな気持ちで受信ボックスを開くと......、ジャーン! 我らが『だいたい四国』は昨日、私の退社後も着々と売れ続けたらしく、インド人も吃驚! の17冊売れっ!! キターっ! っつー訳で、速攻で杉江氏にTEL。
(沢田)「杉江さん杉江さん、大変だ大変だ! 『四国』が」
(杉江)「はい......」
(沢田)「昨日17冊も売れてた!」
(杉江)「マジっすか!? 一日でですか!? マジっすか!? うぉーあり得ない!」
杉江氏は驚いた時3回に2回は「マジっすか!?」と言うことに気付いたが、無論そんなことはどーでもよく、冬晴れの土曜の昼過ぎに私たちは神奈川と埼玉で、それぞれヨロコビとコウフクを噛みしめたのだった。
13:30 【出社】
本日は遅番の為、重役出勤。真っ先に『だいたい四国』の売れを確認すると、一昨日に引き続き昨日も17冊! 実質二日半で36冊! こりゃあ、いよいよ本物か!? 今日のところはまだ2冊だが、まぁ混むのはこれからだし、この時間ならこんなもんだろうと、この二日間ですっかり気が大きくなっているせいで、我ながら実に堂々と男らしい落ち着き振りである。
とは言え、2月末までは返品を受け付けてる以上、今まで売れた分が全て戻って来ちゃうって事態も、可能性としては否定出来ないんだよな。う~む、自分で始めたことながら面倒臭い。
22:00 【閉店】
とか何とか言ってるうちに店内には『蛍の光』が流れ始めて、早くも弊店時間。本日の売れは9冊。2冊だった初日から見れば充分喜ぶべき数字だが、2日続けて17冊の後では「まぁこんなもんだろう」ってな感じ。全く我ながら勝手なもんである。