出版営業ってどんな仕事?

文=本の雑誌特派員

  • 平台がおまちかね (創元推理文庫)
  • 『平台がおまちかね (創元推理文庫)』
    大崎 梢
    東京創元社
    770円(税込)
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 出版社といえば本を作る編集者ばかりに注目が集まるが、作ったものを売らなければ商売にならないわけで、そこには出版営業という仕事があるのだった。もちろん「WEB本の雑誌」を注目の読者なら、本の雑誌社のひとり営業マン・杉江由次が書く「帰ってきた炎の営業日誌」をすでにお読みかと思われるが、そんな出版営業マンを主人公にした小説がまもなく文庫化されるぞ。

『平台がおまちかね』大崎梢(創元推理文庫)

 外回りを初めて4ヶ月の新人・出版営業マン井辻くんが書店で起きる謎を他社の営業マンなどとともに解き明かす、ほんわかミステリーだ。書き手はあの書店を舞台にしたミステリー『配達あかずきん 成風堂書店事件メモ』で大人気の大崎梢だから、それはもう出版業界のリアルな姿が描かれ、本好き、書店好き、そして出版業界に興味のある方は必読だ。そしてなんと解説を炎の営業が書いているらしいので、ぜひともこちらもお読みいただきたい。

 さてさてその「平台がおまちかね」でも似たようなフェアが取り上げられていたが、出版営業マンが推薦図書とPOPを持参し、販売数を競う「ガチンコ対決フェア」が、良文堂書店三店舗(松戸店、綾瀬店、ユアエルム八千代台店)で開催されている。gati.JPG

 主に文庫を推薦する「MMAガチンコ対決部門」と新書を推薦する「新書ガチンコ対決部門」に分かれ、角川GP、河出書房新社、廣済堂あかつき、集英社、シンコーミュージック、新潮社、東京創元社、本の雑誌社、ポプラ社、メディアファクトリー、角川書店、かんき出版、講談社、祥伝社、青春出版、ソフトバンク、ディスカヴァー21、PHP研究所、フォレスト出版、文藝春秋の20社20名の出版営業マンが激闘を繰り広げている。こちらのフェアは上位販売出版社にはフェアコーナーの権利が、そして下位出版社は次回参加券を剥奪されるというシビアなフェアであり、果たしてこちらにも出場している本の雑誌社はどんな結果になるのかご注目。フェアは10月9日まで。sinsyo.JPG

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