『餃子バンザイ!』

「餃子バンザイ!」は書籍になりました。

表面カリカリ、皮もちもち、肉汁ジュワ〜の焼き餃子。食感なめらか、のどごし爽やか、ツルツル入る水餃子。皮はサクサク、中はアツアツ、クリスピーで軽い揚餃子......「WEB本の雑誌」の連載分に書き下ろしを加えた、肉汁と餃子愛がほとばしる"スーパーガイドエッセイ"誕生!
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第1回 北京亭でおかず力の弱い餃子なのだ

焼き餃子と高菜挽肉チャーハン

本連載で最初はやはり餃子の名店の多い神保町界隈から行ってみよう。なかでも、白山通りにある北京亭ですね。ここは古い店でなおかつ餃子も有名。あんまり酒を飲まない私は昼のランチでの利用が多いが、夜にくるとあたりのサラリーマンが餃子や中華料理で宴会を開いているのをかつてよく見たね。
ちなみに私がこの店にくるときは、まずはJR水道橋駅で降りる。そしてそのまま白山通りをふらふら歩きつつ、途中で何軒かある古本屋の店頭で100円の文庫や新書をすでに買った後というシチュエーションが多い。古本は目的買いと衝動買いと大きく二つの流れがあるけど、この白山通りでは前者の衝動買いが多い。個人的には100円の衝動買いがとても好きかもしれない。100円なので失敗してもそんなに残念ではないし、自分の知らない分野に出会えることも多いからね。
ということで、夏の暑い日に北京亭にきた(※)。今回も例によってすでに新書を一冊買っている。岩波新書の羽原又吉『漂海民』だ。これはちょっと欲しかったのでうれしいですね(「ちょっと」いうところがポイント)。
11時に店に入ると、私は一番目の客だった。まあちょっと早いランチではあるよね。何にしようかなと思ったが、Aランチの高菜挽肉チャーハン680円と単品の餃子500円を食べることとしよう。合計すると1000円を超えたのでランチとしては高い値段になったが、まあたまにはいいか。ランチに単品をつけたので、私としてかなりの大奮発ということだ(笑)。こんなことは滅多にありませんぜ。
店の人に注文すると、カウンターの向こうでまたたく間につくってくれたようで、スープとチャーハン、そして餃子も素早くやってきた。まだ他に客もいないしね。まずはスープからいただくことにしよう。ネギ、高菜、豆腐の入ったやさしい味わいのスープ。こりゃなんとも体によさそうだ。続けてチャーハンにいってみよう。丸くポーションされていて美しいな。口に含んだとたん、このチャーハンのすごさがわかった。玉子の香ばしさがご飯全体にいきわたり、さらにお米はパラリとしている。なんともスプーンを動かすのが楽しくなるようなチャーハンだ。ちなみにレンゲでなくて金属のスプーンというところも面白いよね。
続けて餃子を食べる準備を行おう。醤油、酢、ラー油を調合してタレをつくり(ラー油は少なめが私の好み)、餃子を食べる。お皿の上でごろりと転がっている、一見何の変哲もない餃子だが、食べると皮は薄めで中は肉がミッチリ! かみしめるとうまさが口の中にじわりと広がっていく。単体で食べるとおいしいタイプの餃子だ、こりゃ。おかずとしてはややあっさりめ。ご飯と食べるとおかず力は弱いだろう。...ゆえに、今回のように味のしっかりついているチャーハンとの相性ならばバッチリだと思いつつバクバクと食べたのであった。焼きそばと食べてもいいかもしれない。あっ、ビールとの相性も良いと思います。餃子だけだと三皿くらいは食べられる気もするなあ。

※すみません、このルポは2013年8月の訪問の記録です。ちなみに、2014年4月以降、餃子は500円だが、チャーハン系は750円~800円の模様です。

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黄色い看板がステキ

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まずはチャーハン。暑いせいか、冷水に水滴がすごい

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調合して餃子のタレつくんなくちゃ。

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餃子もやってきて、豪華なランチ完成!

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これが実力の高い餃子なのだ!