8月20日(月)

 馬インフルエンザで、土日の競馬が中止になった。これまで台風や雪などで中止になったことはしょっちゅうあるが、インフルエンザで中止になるのは36年ぶりだという。36年前なんて、私はまだ競馬をやってない。つまり、初めての体験だ。では、競馬がなくなるとどうなるか。1週間が長い!

 私は毎週、土日とも競馬場や場外に通っているので、1週間は5日しかない。それが実感である。月曜から金曜まで真面目に仕事するのは、土日を絶対に空けるためで、つまりその5日間しか私にはないのである。その生活にすっかり慣れているのだ。ところが競馬がないと、土日がぽっかり空いてしまうのである。なんと1週間は7日もあったりするから驚く。長いんである。1週間が。

 やることがないわけではない。いつか読もうと思いながら、手をつけられなかった本が結構あるので、そういう本を読むにはちょうどいい。あるいは、来週は仕事が押しているので、このあたりで来週分の原稿を1本くらい片づけておくと、来週が楽になる。やるべきことは山ほどある。じゃあ、仕事が進むからいいんじゃないの、という意見もあろうが、違うのである。

 競馬の中止が発表になったのが金曜の昼。すると途端に仕事をする気力がなくなってしまったのだ。土日が空くなら、なにもいま仕事する必要もないよな、とだらけてしまうのである。緊張の糸がぷつんと切れてしまうのだ。土日に競馬があれば、金曜中にこの原稿をあげなければと思うところだが、1週間が突然7日になると、そんなに急がなくてもいいよなという気がしてくるのである。

 土曜の朝に起きても、なんだかなあと全然仕事モードにならない。その間に競馬友達からメール。彼は夏休みを利用して上京したのだが、中央がだめでも大井があればいいやと土曜に大井に行くつもりだったらしいが、なんと大井まで中止で、「なんのために東京に来たんだよお」と泣きのメールだった。別の競馬友達は、中止を知らずに大井まで行ってしまったらしい。みんな、大変なのである。

 結局、日曜もだらだらと読書するだけで終わってしまった。1週間が7日になって、仕事が進んだかというと、そんなことは全然なく、逆に先週に書く予定の原稿が1本、こぼれてしまった。1週間が5日のほうが、仕事ははかどるのである。いつもなら、土日の競馬が1週間のアクセントになっていて、特に週末に負けたりすると(これが多いんだが)、よし仕事がんばろうと思うのだが、そういう区切りがなくなると、もうホントに、困ってしまう。

 今回の中止が1週だけのものなのか、しばらく続くのかわからないが(36年前は2ヵ月間中止になったという)、1週間は7日、というサイクルがそんなに続いたらどうなるのか。どうしたらいいのか、まったく途方に暮れるのである。