9月7日(金)

多摩に住んでいる友人から誘われて、きのう、彼の家の近所にあるスパに行った。台風が関東に接近していて、その日の夜半には直撃するという日だったので、がらがらかと思ったら、予想していたよりも客がいる。その大半は老人と中年女性だったが、こんな雨の中をやってくる客がいるとは意外だった。

そのスパは高台にあるので、風呂に入ると、晴れた日なら新宿から八王子までが一望できるらしい。見晴らしのいい風呂なのである。もっともこの日は雨だったので、全体的に曇っていたから、何にも見えず。風呂の外では、上のほうから膨大な水(湯?)がどどーっと流れ落ちていたので、すごいなこの温泉、と言うと、「あれは雨水だよ」と友人。ふーん。

実は私、温泉が苦手である。旅打ちに行くときも「温泉に泊まろうよ」という競馬友達の言に首を振り、いつもビジネスホテルにしているくらいだ。それにだいたい、温泉は競馬場から遠い。近くのビジネスホテルに泊まるのがいちばんいい。いつだったか、福島競馬場に行ったとき、飯坂温泉の宿を競馬友達が素早く予約したので反対できず、仕方なくそこの宿に泊まることにしたが、予約した本人の到着が遅く、仕方なく何度も風呂に入っているうちに、のぼせてしまったことがある。この日も、15分もはいっていると、もうだめで、あとは二階の中華レストランでビール。

温泉が苦手なのにスパに行ったのは、彼としばらく逢っていなかったからだ。彼は近くの大学で教えている身で、ただいま夏休みなのである。私はずっと夏休みのようなもんだから、こうして平日の午後、スパで会えるのは嬉しい。古い友人と逢うのはいい。余計な話もせず、揺れる木々を見ながらビールを飲み、数時間でスパをあとにした。別れ際に、中国帰りの彼が、お土産にTシャツをくれた。北京オリンピックのTシャツだという。もう売ってるようだ。しかしXXLだというのだ。お前なあ、私がいくらデブでも、XXLはないだろ。「いや、中国のは小さいから」。本当かなあ。家に帰ってから、そのTシャツを出してみると、本当にぴったり。私がXXLの人間にはなったのではない。中国のTシャツのサイズは小さい、ということを強調しておく。