9月18日(木)
- 『日蝕 (新潮文庫)』
- 平野 啓一郎
- 新潮社
- 420円(税込)
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- 『理由 (新潮文庫)』
- 宮部 みゆき
- 新潮社
- 935円(税込)
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- 『双頭の鷲〈上〉 (新潮文庫)』
- 佐藤 賢一
- 新潮社
- 830円(税込)
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読売ウイークリー(9月28日号)を読んでいたら、「BE BACK HIGH SCHOOL」というコラムがあり、この号では福岡県立東筑高校に通っていた平野啓一郎が取り上げられていた。ようするに、著名人の高校時代を振り返るという企画である。
この福岡県立東筑高校の卒業生には、俳優高倉健やプロ野球仰木彬がいるという。進学校でありながらスポーツも盛んな高校であったようだ。平野啓一郎は集団行動を好まず、帰宅部に徹していたが、学級委員に選ばれると文化祭の出し物を企画しなければならず、平野が考えた「早押しクイズ」は、以降どこかしらのクラスが必ずとりあげる定番企画になったという。
京大法学部在学中に芥川賞を受賞したとき、「授賞式の招待客数がアンバランスにならないよう、40人は呼んでほしい」と関係者から頼まれ、大学生で文壇の知り合いのいない平野は、大学、そして高校時代の仲の良い友達に声をかけると、ほぼ全員が自腹で飛んできてくれたというから、いい話だ。
おやっと思ったのは、そのとき関係者が「授賞式の招待客数がアンバランスにならないように」考えたのは、同時に直木賞を授賞したのが宮部みゆきだったからだというくだりである。あのときに、芥川賞を受賞したのが平野啓一郎だったのか。
実は私、直木賞のパーティに出席したのは、あとにも先にもそのときしかない。柴田錬三郎賞に出席したのも、志水辰夫が受賞したときだけで、山周賞にいたってはいまだ一回も出席したことがないから、業界のパーティというものがどういうものなのか、いまだによくわからない。だからそのとき、会場が大混雑していても、歴史のある文学賞のパーティというのは、こんな感じなのかと思っていた。ところが、いつもはもっと空いているというのだ。近年稀な混雑ぶり、だと言う。それは、「やっぱり宮部さんが授賞したから」という理由だったらしい。
その会場で私は知り合いの編集者を見かけるなり、次々に「すごいんだぜ」とそのときに出たばかりの小説の話をしたことを思い出す。佐藤賢一『双頭の鷲』という長編小説を読んだばかりで興奮していた私は、とにかくこの小説の話をしたかったのである。だからあれは、1999年だ。まるで『双頭の鷲』がその日の主役であるかのように、熱に浮かれて話しまくったことを思い出す。宮部さんが直木賞を受賞したお祝いのパーティであるというのに、まったく失礼なことである。
いや、そのことを思い出した、というだけの話なんだけど。
この福岡県立東筑高校の卒業生には、俳優高倉健やプロ野球仰木彬がいるという。進学校でありながらスポーツも盛んな高校であったようだ。平野啓一郎は集団行動を好まず、帰宅部に徹していたが、学級委員に選ばれると文化祭の出し物を企画しなければならず、平野が考えた「早押しクイズ」は、以降どこかしらのクラスが必ずとりあげる定番企画になったという。
京大法学部在学中に芥川賞を受賞したとき、「授賞式の招待客数がアンバランスにならないよう、40人は呼んでほしい」と関係者から頼まれ、大学生で文壇の知り合いのいない平野は、大学、そして高校時代の仲の良い友達に声をかけると、ほぼ全員が自腹で飛んできてくれたというから、いい話だ。
おやっと思ったのは、そのとき関係者が「授賞式の招待客数がアンバランスにならないように」考えたのは、同時に直木賞を授賞したのが宮部みゆきだったからだというくだりである。あのときに、芥川賞を受賞したのが平野啓一郎だったのか。
実は私、直木賞のパーティに出席したのは、あとにも先にもそのときしかない。柴田錬三郎賞に出席したのも、志水辰夫が受賞したときだけで、山周賞にいたってはいまだ一回も出席したことがないから、業界のパーティというものがどういうものなのか、いまだによくわからない。だからそのとき、会場が大混雑していても、歴史のある文学賞のパーティというのは、こんな感じなのかと思っていた。ところが、いつもはもっと空いているというのだ。近年稀な混雑ぶり、だと言う。それは、「やっぱり宮部さんが授賞したから」という理由だったらしい。
その会場で私は知り合いの編集者を見かけるなり、次々に「すごいんだぜ」とそのときに出たばかりの小説の話をしたことを思い出す。佐藤賢一『双頭の鷲』という長編小説を読んだばかりで興奮していた私は、とにかくこの小説の話をしたかったのである。だからあれは、1999年だ。まるで『双頭の鷲』がその日の主役であるかのように、熱に浮かれて話しまくったことを思い出す。宮部さんが直木賞を受賞したお祝いのパーティであるというのに、まったく失礼なことである。
いや、そのことを思い出した、というだけの話なんだけど。