5月18日(月)

 3ヵ月で10キロ減量したあと、体重計はぴたりと止まって動かない。それまでと同じダイエットをしているのに、1ヵ月間まったく変化なしなのだ。この間に減った10キロは2年間に増えた分なので、つまりは短期間についた余分な重さである。だから簡単に落ちたとも言える。ところがこの先は長い年月の間に増えた分であるから、そう簡単には落ちない。そういうことではないのか。

 これ以上体重を落とすためには、やはり運動を取り入れなければだめなのか。しかし運動せずに過食を続けてきたから太ったのであり、運動をして痩せてもいずれ運動しなくなるのは目に見えているから、そうすると絶対にリバウンドする──という説を信じているので、なるべく食事制限だけで体重を落としたいのである。

 でも、もうこれ以上は無理かなあ。油断すると、せっかく10キロ減ったというのに、こっそり1キロくらい増えていたりするのだ。だから、ダイエット生活を続けているのは体重を減らすというよりも、ただいまの体重をキープするためだったりするのである。なんだか目標が小さいような気がする。これじゃあなあ。もう少し落としたいなあ。でも無理かなあ。で、ちょっと弱気になっていたら知人からメールがきた。これがすごくいいメールだったのでご紹介したい。

「停滞期というのは、必ずその後に痩せられる試練の時間である」

 というのだ。おお、素晴らしい。

 本当にその通りなのかどうかは知らないが、これほど励まされるメッセージはない。そして体重がぴくりとも動かない1ヵ月間が過ぎ、2ヵ月目に入ったとき、その時を待っていたかのように、体重計の針がぴくんと1キロ下に動いたのである。おお、本当だ。

 このまま順調に減量が続いていくのかどうか、それはわからない。年内はこのまま続けると決意したので私は続けていくが、その後のことは年末にまた決めたいと思う。

 ところが毎年ゴールデンウィークに冬物をしまい、夏物を出すことにしているのだが、夏のズボンをだしてみると、なんとぶかぶか。そうか、10キロ痩せたんだから、去年履いていたものは使えないのは仕方ないか。仕方ないので買いに行くことにした。

 その具体的な数字を書くのは恥ずかしいが、勇気をふるって書くと、私のウェストのサイズは36インチだった。91センチである。だから、その一つ下のサイズ、すなわち35インチのズボンを履いてみたのである。ところがまだ緩い。で、店員さんを呼んで、もう一つ下のサイズにするときつくなりますかと尋ねてみた。するとその彼は、私のウェストまわりをさっと見るなり、「いや、32インチでしょう」と言うからびっくり。

 36インチのズボンがぶかぶかになって買いに行ったのである。ところが、35インチで少し緩いから、もう一つ下の34インチかなあと思ったのである。それなのに店員氏は、33インチを飛ばして32インチをすすめるのである。それはいくらなんでも無理だろうと思ったから、なんとぴったり。

 つまり、36インチからいきなり32インチへのダウン。32インチというのは81センチである。つまり体重が10キロ減るのに合わせてウェストが10センチ細くなったのである。世間の人に比べれば、これでもまだ太めであることは事実だが、いやあびっくりしました。

 しかし、これからこの体型に合わせてズボン以外の洋服を全部買い直さなければならないとは面倒くさい。中年になりかけのころ毎年のように太って、そのたびに洋服を買い直し、余分な出費がかさんだものだが、痩せるのも同様なのである。そこでひらめいた。体型が変わるたびに洋服を買い直すからいけないのだ。全部捨てずに取っておけば、たとえば65キロ用、70キロ用、75キロ用、80キロ用、85キロ用、90キロ用と6パターンくらい揃えておけば、どれほど急激に太っても、あるいは痩せても、いつでも万全の態勢ではないか。夏物、冬物と揃えなければならないから、膨大なスペースを必要とし、現実的には無理な話なんだけどね。