6月1日(月)

『週刊文春』6月4日号の椎名誠「風まかせ赤マント」に次のような記述が出てくる。後ろのほうだ。

「知り合いの文芸評論家が3ヵ月前に見たときの半分ぐらいになっている。大丈夫かお前! 聞けば太りすぎたので涙の必死のダイエットをしたのだという。リンゴしか食わないそうだ。朝、昼そういうものにすると夜は普通に食っていいという。ぼくはダイエットは関係ない人生なのでぼんやり聞いていた。また3ヵ月後に会おうねといって別れた。リバウンドが楽しみだ」

 あのね、「3ヵ月前に見たときの半分ぐらいになっている」のならば、3ヵ月前はいまの倍あったということだ。倍はねえよ。
 先日、池林房の飲み会に行ったら、横の席で椎名が飲んでいたのである。昨年の暮れに久々に会ったとき、「どうしたのお前」と私の顔を見るなり言われ、それ以来だから、それは驚くだろう。

 ただし、椎名の文章に訂正を加えておく。「必死のダイエット」はしていない。むしろ楽しんでやっている。これが一つ。もう一つは、朝昼リンゴしか食わないというのも間違い。リンゴは朝のみ。昼はサラダと小さなパン1枚って言ったのになあ。しかもそのとき、リバウンドには注意しろよ、と言ったのに、楽しみにしているとは知らなかった。そうか、楽しみかあ。

 自分が他人にどう思われたいか、ということがある。尊敬されたい、鋭いやつと思われたい、愛されたい、懐が深いと思われたい──いろいろある。逆の場合は、嫌われる、バカだ、才能がない、ケチ、というのもあるが、よほどのヘソ曲がりでないかぎり、こちらを選ぶ人はいない。

 で、私が何を選ぶかということだが、私は「受けたい」と思っている。「ウケてなんぼ」なのである。これが、他人にどう思われたいのかのトップ。ウケない人生はつまらない、と思っているのだ。
 だから、リバウンドしたほうがウケるのか、と思うと心は千々に乱れるのである。