11月16日(火)最近買った本

日活アクション無頼帖
『日活アクション無頼帖』
山崎 忠昭
ワイズ出版
1,890円(税込)
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ロマンポルノと実録やくざ映画―禁じられた70年代日本映画 (平凡社新書)
『ロマンポルノと実録やくざ映画―禁じられた70年代日本映画 (平凡社新書)』
樋口 尚文
平凡社
945円(税込)
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評論家入門―清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書)
『評論家入門―清貧でもいいから物書きになりたい人に (平凡社新書)』
小谷野 敦
平凡社
798円(税込)
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変見自在 偉人リンカーンは奴隷好き
『変見自在 偉人リンカーンは奴隷好き』
高山 正之
新潮社
1,470円(税込)
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いつかは恋を (講談社文庫)
『いつかは恋を (講談社文庫)』
藤田 宜永
講談社
660円(税込)
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さよなら、ベイビー
『さよなら、ベイビー』
里見 蘭
新潮社
1,680円(税込)
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Hotwax責任編集 映画監督・舛田利雄~アクション映画の巨星 舛田利雄のすべて~
『Hotwax責任編集 映画監督・舛田利雄~アクション映画の巨星 舛田利雄のすべて~』
舛田 利雄
シンコーミュージック
3,990円(税込)
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老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)
『老人と宇宙(そら) (ハヤカワ文庫SF)』
ジョン スコルジー
早川書房
924円(税込)
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遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)
『遠すぎた星 老人と宇宙2 (ハヤカワ文庫SF)』
ジョン・スコルジー
早川書房
966円(税込)
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(1)山崎忠昭『日活アクション無頼帖』(ワイズ出版/2007年9月刊)
(2)樋口尚文『ロマンポルノと実録やくざ映画』(平凡社新書/2009年7月刊)
(3)小谷野敦『評論家入門』(平凡社新書/2004年11月刊)
(4)高山正之『偉人リンカーンは奴隷好き』(2010年8月刊)
(5)藤田宜永『いつかは恋を』(講談社文庫/2010年11月)

 以上が先週金曜日と今週月曜日に買った本だ。すべてちょっと前に出た本である。ぴかぴかの新刊は、藤田宜永『いつかは恋を』だけ。もっともこれも、2007年に出た本の文庫化だから、まったくのオリジナル新刊ではない。「夫亡き後、ちいさな町工場を細々と営む久美子は57歳。心と躰に乾きを覚えながらも、邪心を振り払うがごとく健気に生きてきた。(略)抑えた筆致の中に色気が漂う、おとなの恋物語」という表4の内容紹介を読んで、面白そうじゃん、と買ってきてしまった。女手一つで町工場を営む50代のヒロインを主人公にした小説をこの数年以内に読んだ記憶はあるけれど、あちらのお相手は同級生だった。こちらのお相手はタクシー運転手だというから、たぶん違う小説だろう。ということは未読なんだと気がついて買ったというわけ。

 新刊紹介で生計を得ている職業上、どうしても新刊を読むのが中心になり、旧刊はなかなか読むことが出来ない。たとえば、里見蘭の新刊『さよならベイビー』(新潮社)が面白かったので、あわてて日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞した『彼女の知らない彼女』(2008年11月刊)を読むということが最近あったばかりだが、それは妙な言い方になってしまうけれど、新刊鑑賞のための読書である。純粋な旧刊読書とは言いがたい。文庫解説を書くときなどに忘れてしまった過去の作品や未読の作品を読むことと同じ意味にすぎない。

 新刊紹介業で生計を得ていると残念ながらそれ以外に旧刊を読むことは少ない。新刊は山のようにあるのだから、しかもあとからどんどん出てくるから、それらを読むのが先決になり、旧刊は後回しになってしまうのである。

 ちなみに、ここでいう「旧刊」とは、3カ月以上前に出た本で、まだ新刊書店に置いてある本のこと。古書店で買う本は「古本」(つまり絶版になっているもの)。それが正しい定義というわけではなく、私はそう使い分けているということにすぎないが。

 最近、旧刊を意識して読むようにしているのである。面白いものが結構多いのだ。だから新刊書店の棚を見ていくのが愉しい。忙しいときは新刊コーナーしかチェックできないけれど、時間のあるときは既刊本の棚をなるべく見ることにしている。

 どうして新刊のときに読まなかったのだろうと反省はするけれど、遅すぎるということはない。手に取るのが遅すぎたので、どこにも書評を書くことは出来ないけれど(その時期はすでに逸している)、それは仕方がない。

 たとえば、これは先月買ってきた本だが、舛田利雄・佐藤利明・高護『映画監督 舛田利雄』(シンコーミュージック・エンターテインメント/2007年11月刊)も面白かった。舛田利雄が松竹で撮った『剣と花』(1972年公開、立原正秋原作、渡哲也主演)を銀座の封切館まで観に行ったほどのファンなのである。もっともこの本を読むまで、それが松竹で撮った第一作だとばかり思っていたが、三作目とのこと。これでは、ファンとは名乗れない。

(1)も新刊書店の映画本のコーナーにあったもので、山崎忠昭はつい先日スカパーで見たばかりの『危いことなら銭になる』の脚本を書いた人だ。そのときの共同脚本が池田一朗。もちろんのちの隆慶一郎である。

(2)と(3)は新書棚を見ていたときに見つけたもの。(3)の著者、小谷野敦の本はすべて読んでいたつもりでいたが、これは未読のような気もしたので買ってしまった。

(4)は週刊新潮のコラムをまとめたもので、このシリーズも早くも5冊目だ。

 この(1)から(4)までは、書評用に買ったのではなく、個人的な趣味で買ったものだが、最近なんだかこの手のものが増えているような気がする。

 ところで最近いちばん面白かった「旧刊」は、ジョン・スコルジーの『老人と宇宙』3部作だ。第1部『老人と宇宙』(2007年2月刊)、第2部『遠すぎた星』(2008年6月刊)、第3部『最後の聖戦』(2009年6月刊)の3作だ。すべて内田昌之訳、ハヤカワ文庫。

 今年の9月に第4部『ゾーイの物語』が出たので、それでは最初から読もうと第1部から手に取ったのだが、いやあ実に面白かった。これを新刊のときに語りたかった。いまからでは遅いんだけど。