6月14日(火)競馬場に持っていくもの

 競馬週刊誌「ギャロップ」で、競馬場に持っていくものという取材を受けることになった。私はキャリアカートを7〜8台持っているのだが、その写真を撮りたいというのだ。ただいま使っているキャリアカートは、昨年暮れに東急ハンズで買ったもので、本来は1泊用の旅行カート。カバンを台から離すことが出来るのが特徴で(私は離さないけど)、これが競馬用にちょうどいい大きさなのである。種牡馬辞典2冊に双眼鏡、筆記用具、眼鏡入れ、折り畳みレインコート、バインダーにティッシュにタオル、眼鏡拭き、その他もろもろを、ちょうどぴったり収容できる便利カートだ。

 筆記用具は、町田の東急ハンズで買った便利な筆箱に入れている。この筆記用具入れ、つまり筆箱は机の上に立てて置くことが出来る。便利グッズとしてテレビで紹介されたのを見て、その翌日すぐ買いに行った。

 このカバンつきキャリアカートの他に重宝しているものもある。ポケットの多い洋服を着ているときならいいのだが、上着を脱ぐ季節になると、さまざまなものを収容するポーチやポシェットのようなものが必要になる。サインペンに携帯電話に小銭入れに馬券入れ。ポロシャツを着る季節になると、それらをしまうものが必要になるのだ。ズボンのポケットにはしまいきれない。キャリアカートは競馬場との往復に必要だが、競馬場の中を動きまわるときに必要なのが、この物入れだ。

 これも春が来る前に東急ハンズに買いに行った。ズボンのベルトに通して、ちょうど腰のあたりに付けるポーチ。おお、いいじゃんこれと、それ以来ずっと気にいって使っていた。ところがつい先日、違うものを探して仕事場の中を探検していたら、なんと私がこの春、町田の東急ハンズで買ったものとまったく同じものが出てきたのだ。以前も同じものを買っていたんだ。全然、覚えていない!

 似たような商品ということならまだ理解できる。しかし、メーカーも商品もまったく同じ。びっくりして、また隠しちゃいました。

 競馬関連の話題をもう一つ。今朝は早く目が醒めたので、CATVで録画していた『喜劇 駅前競馬』を見た。WOWOWやCATVで最近は昔の映画をばしばし録画しているのだが、観るのに追いつかず溜まる一方。こういうときに観ておかなくちゃな。

『喜劇 駅前競馬』は1966年公開の東宝映画で、駅前シリーズの一本だ。森繁久弥が薬膳屋の主人、三木のり平が銭湯の主人、フランキー境が予想紙の発行者、それぞれの細君が淡島千景、乙羽信子、大空真弓だ。関西から来た詐欺師が藤田まこと、その恋人が野川由美子、上山競馬の調教師が伴淳三郎。これが主要キャストである。

 今から四十五年前の映画だから、みんな若々しい。内容的にはどうってことのない映画だが、それを観ているだけで、複雑な気持ちになる。主要キャストの大半が亡くなったいま観ると、この人たちにも若いときがあったんだと当たり前のことに感心するのである。

 映画の舞台は大井競馬場と上山競馬場だが、いまはなき上山競馬場には1970年代半ばに行ったことがある。場内には「伴淳三郎の店」と看板のついた食堂があったことを思い出す。この映画でも上山競馬場の調教師を演じていたが、伴淳三郎と上山は深い関係にあるのかもしれない。

 ところで、この『喜劇 駅前競馬』に映った上山競馬場のスタンドはうらさびれていて、私の記憶とは違っている。中央競馬の競馬場ほど立派ではないにしても、もう少しきちんとしたスタンドだったような印象があるのだが、これほど儚げな建物だとは意外だった。そして、あのとき一緒だった友はどうしているのだろうか、と突然思い出すのである。