9月11日(金)暑苦しいメール

4時50分起床。またも雨。走れずうんざり。ベッドからでて、リビングでゲラを広げる。昨夜に引き続き、10月下旬刊行の増山たづ子『ふるさとにまさるふるさとはなし』の確認作業に勤しむ。原稿の世界にどっぷり浸かる、というよりは原稿が私の身体に入ってくる。

7時になって、家族みな起き出してきたので作業終え、8時47分に出社。すぐにまたゲラを広げて、作業再開。改めて思うがすごい文章だ。言葉の力がまったく違う。軽やかだけれど重い。40年前に書かれた文章だが、これは今の世に読まれるべき文章だ。これは多くの人に届くはず、届けなければならない。

その熱い想いを今現在、唯一共有できるのは一緒に本を作っているデザイナーの松本さんで、松本さん宛に暑苦しいメールを送ってしまう。いい迷惑。

1時半に原稿チェックを終える。体の芯からマグマのように興奮が湧いてくる。読んでほしい人の顔がどんどん浮かぶ。服部文祥さん、スズキナオさん、栗原康さん、そしてときわ書房の日野さんなどなど。これはすごい本になると確信する。

その興奮を一旦胸にしまい、9月下旬発売の沢野ひとし『神保町ものがたり』の初回注文〆作業に勤しむ。今回もエラーなく登録できる。

3時過ぎ、渋谷の大盛堂書店さんに納品に伺い、一旦会社に戻って、次は駒込のBOOKS青いカバさんに納品へ。

夜、ROTH BART BARONのライブチケット当選のメール届く。半年生きる希望を手にする。ひとつ(といっても2DAYS2公演)は札幌のため、すぐに宿とホテルを予約する。ついでに講演の依頼を受けていた1月の宿とホテルも予約する。こういうのが一番苦手なので娘にIT介護をしてもらう。

9月10日(木)渡辺沈没『僕は馬券よりも人生に賭けたい』

UNITÉ・鴨葱書店の大森さん、一冊!取引所の渡辺さん、そして140Bの青木さんという書店、取次、出版社の面々で「本を読者に届ける」ために作った4Bという結社から送り出す本第2弾の渡辺沈没著『僕は馬券よりも人生に賭けたい』ができあがってくる。

大森さん、渡辺さん、青木さんは京都でそれを受け取り、私はひとり神保町で受け取る。LINEで感想を語り合い、開封動画なども送られてくる。

本っていいなあ、としみじみ思う。

本は読む楽しさがあるのは当然だけれど、書いた人、作った人、売った人、買った人、読んだ人、さまざまな人との出会いがあり、その出会いによってまた新たなことが始まる。

渡辺さんさんの座右の銘である「本の近くにいるといいことがある」は、まさしくそのとおりだ。

「本を届ける」というのはそういうことなのだ。

僕は馬券よりも人生に賭けたい.jpg

9月9日(水)浅草地下商店街

午後、事務の浜田と浅草公会堂へ。10月に刊行する本のイベントの打ち合わせ。前日の搬入がNGということになり頭抱えるも、モリモト印刷のSさんに相談すると「了解っす」と納品を受け持ってもらえる。この人は本当に頼りになる。

打ち合わせ終えて、同席していたキンマサタカ氏と飲みにいく。連れて行かれたのが映画『PERFECT DAYS』で、主人公の役所広司が毎晩飲みに行っていた浅草地下商店街の焼きそば屋。激しく感動するが、キンさんは映画を観ていないらしく、「あっ、そうっすか。僕チューハイ」と言って、まったく反応せず。

9月8日(火)「本の雑誌」10月号

  • 本の雑誌520号2026年10月号
  • 『本の雑誌520号2026年10月号』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    880円(税込)
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午前中、デザイナーの松本さんと野部博子さんがやってきて増山たづ子『ふるさとにまさるふるさとはなし』に収録する写真選び。ここで選んだ写真を10万枚のプリントから探し出さねばならず、さらにそれをデジタルスキャンせねばならずで尻に火がついているのだけれど、松本さんは一枚一枚丁寧に選んでいく。いい本を作るにはその丁寧さが必要なのだ。

昼、『本を売る技術』の矢部さんが神保町にいらしたので、すずらん通りのTeaHouse TAKANOでランチ。断られたらどうしようと思いつつ、ハムサンドに入っているきゅうりを抜いていただくお願いをしたら、一瞬不審がられたがOKいただく。きゅうりはすずむし同様に苦手なのだ。

会社に戻ると「本の雑誌」10月号が中央精版印刷から届いていたので、ツメツメ作業に勤しむ。

9月7日(月)またね

介護施設からの迎えの車に乗せられた母親が手を振りながら言う。

「またね」

またね、がある幸せ。
またね、がある苦しみ。

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