7月13日(月)直納

実家のある武里から神保町へ。10時9分に出社。パソコンの電源を入れる前に事務の浜田が「今日忙しいですか?」と聞いてくる。

月曜日に忙しくないビジネスパーソンなどこの世にいないだろうと思ったが、浜田は「新宿の紀伊國屋書店さんから『口開け酒場ひとり呑み』の注文がありまして、なんだか週末で売り切れてしまったと」。そこまで聞いたところで30冊をトートバッグ二つに詰めて両肩にかけて会社を飛び出した。

10時55分、紀伊國屋書店さんの地下にある仕入れに納品。紀伊國屋書店さんは本日電気設備の点検だとかで、開店は12時だそう。売り切れ時間を極力減らせたことに満足して帰社。

12時半に祥伝社の営業であるB氏が来社。宇佐美まこと『白と黒のソナタ』の重版が上がったということでわざわざ持ってきてくれたのだった。その帯には私のコメントとして「2026年のベスト1確定!」がデカデカと印刷されている。しばし本の売り方について談義。

午後は丸善丸の内本店さんに追加注文いただいた「本の雑誌」8月号を直納に伺う。半年ほど前に毎月追加になるのでと定期部数を増やしていただいたのだが、先月の7月号と今回とさらに追加をいただく。うれしい。

その後、銀座の教文館さんではじまった「新潮文庫真夏の"裏"50冊」フェアを覗きにいく。

7月12日(日)麻宮好『四十年目の春』

  • 四十年目の春 (単行本文芸フィクション)
  • 『四十年目の春 (単行本文芸フィクション)』
    麻宮好
    祥伝社
    2,200円(税込)
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    HMV&BOOKS

朝起きたら浦和レッズの柴戸海が契約解除されていてなんじゃそりゃと叫ぶ。

掃除を後回しにして朝早く母親の車椅子を押して、父親のお墓参りと散歩。それでも足を止めると汗が噴き出す。そろそろ散歩も難しい季節。

持ち帰った仕事もやる気が出ず、「最後泣いちゃいました。」と精文館書店中島新町店の久田さんからおすすめいただいた麻宮好『四十年目の春』(祥伝社)を読む。泣き虫の私は最後どころかそこかしこで涙をこぼしてしまった。

『四十年目の春』は、たくさんのLOVEが詰まった小説だ。家族愛、兄弟愛、そして夫婦愛。時代小説の良さが、存分に発揮されている。

清四郎という弱き父親に、わが父の姿を思い出す。それに輪をかけて弱い私も重ねてしまう。まるで自分のことのように感じられる小説だ。

そこかしこに大切な言葉も散りばめられており、これは何度も読み返す本になるだろう。

7月11日(土)追いかけっこ

週末実家介護のため、朝、施設に母親を迎えに行く。かれこれ2年半、こうしてほとんどの週末を介護で過ごしているのだった。

自転車に乗って一の割のマルエツに買い物に行き、並びにある惣菜屋さんのあけぼので今晩のおかずにメンチカツとコロッケを買う。

帰宅途中、母親の親友であるWさんとばったり。Wさんは毎週にように母親のところに遊びにきていたのに、今年に入ってからほとんど顔を見せずにいたのだが、足を悪くしたのと来週には心臓弁膜症で手術するらしい。

母親より元気だった人が追い越すように体調を崩していく。80代とはそういう時間なのだ。

7月10日(金)正味

  • 四十年目の春 (単行本文芸フィクション)
  • 『四十年目の春 (単行本文芸フィクション)』
    麻宮好
    祥伝社
    2,200円(税込)
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    HMV&BOOKS

4時起床。朝ラン6キロ。本日のランリス(ランニングリスニング)は、ぼくみんのPodcast。『本をひらく』の共著者大森皓太さんが出演しており、ゲームの話が大変面白い。

走りはじめは清々しい空気だったが走り終えるころは汗滴る真夏。シャワーを浴びて、ゆで卵とトーストの朝食をとりながら、W杯フランス対モロッコを観戦。

観戦中、精文館書店中島新町店の久田さんから「3年前に出た『月のうらがわ』がよかったので時々気にしてたんですけど、新刊の『四十年目の春』(麻宮好/祥伝社)がまた、すこぶるよきで!最後泣いちゃいました。」とメッセージが届く。この最強のフランスを観ていない人類というのが多く存在することを思い出す。

2リットルのペットボトルの水をすずらん通りのツルハドラッグで買って(84円)、9時57分に出社。

午前中は細々としたデスクワークに勤しむ。

2日ほど昼メシを抜いたので、奮発してみさち屋でとんかつと唐揚げの定食。100円値上げで1200円となっている。ランチスタメンからメジャーリーグに移籍してしまった。

午後、駒込のBOOKS青いカバさんに「本の雑誌」の納品にあがると、久しぶりに店主の小国さんがいらして長話。

小国さん、常々思っていたのだけれどと、版元は新刊と既刊の正味を変えたらいいのではと。刊行から何年も経った本は版元も書店も売るのが大変なんだからそれは正味を下げて互いに売る気を掻き立てたら良いのではと。

なるほどすごいアイデアだ。倉庫に眠っている本は結局いつまで経っても表に出ることは少ない。置いておくだけでお金はかかるのだから版元にとってはかなりの負担になっており、ならばたとえば刊行から2年ごとに正味が2%下がっていくとか、刊行から5年経った本は正味をどーんと下げるなど刺激を与えるのは必要かも。

最近営業に出ていると正味の話になることが多い。このような提案のほか、実際に正味の交渉となることもある。今のところみんな独立系書店での話だけれど、営業を続けて30年以上になるがこういう感じははじめてだ。わくわくしてくる。

カバさんを後にして、汗をかきながら目黒さんのお墓まで歩いていく。線香をあげ、本の雑誌8月号をお供えする。煙が青い空にすっと上がっていく。

7月9日(木)校正ゲラ

  • 口開け酒場でひとり呑み
  • 『口開け酒場でひとり呑み』
    倉嶋紀和子
    本の雑誌社
    1,980円(税込)
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    HMV&BOOKS

4時起床。昨日に引き続き某所から依頼を受けている案件にとりかかる。

それやりながら夜のうちにデザイナーの松本さんから届いていた新刊の装丁ラフを著者の服部文祥さんに転送する。服部さんも早起きなのですぐに感想と提案が返ってくる。編集者であり、かつては版元営業もされていた服部さんだけに注文のしにくいタイトルに不安を覚え、書名と副題を入れ替えることとする。『本のある世はすばらしい How wonderful life is while Books're in the world.』。

8時過ぎまでかかって、どうにかすべて終える。

9時半に出社。もはや今日の仕事は終えた気分なのだが、就業時間はこれからなので、仕事に励んでいると、服部文祥さんから再校の著者校が戻ってくる。あれれ、ゲラをB4用紙に出力して送ったはずなのになんでこんな小さな荷物なんだ?と首を傾げながら封筒をあけると、なんとなんと紙を切って折って貼って四六判に製本されているのだった。こんなゲラ(著者校正)見たことない‼︎  これは写真を撮ってXでポストせねば!と思ったけれど、先日三宅香帆さんが校正ゲラをポストして炎上していたので、ぐっと堪える。刊行イベント等があったら是非とも展示し見ていただきたい。

驚いていると八戸から読者の方がいらっしゃる。八戸の本屋さんの様子とヴァンラーレ八戸の話を伺う。

13時に倉嶋紀和子さんが来社され、本日搬入の『口開け酒場でひとり呑み』にサインをしていただく。「隙あらば呑む」という座右の銘をしたしめつつ130冊で1時間15分。早い。

そのサインしている間に信濃八太郎さんがやってきて、個展会場での売上伝票を届けてくださる。6日間で28冊の売上。信濃さんは日本一の版元営業かもしれない。

みな帰られたところで、今度は宮崎から読者の方がやってくる。推し活ついでというので何を推し活しているのかと伺うと佐野元春だという。そういえば今夜丸の内のコットンクラブでスポークスポークンワーズがあったのだった。しばし佐野元春談義に花を咲かせる。

夕方、『口開け酒場でひとり呑み』と『ミニシアターをたずねて』を持って神田明神へ。売れますように、重版かかりますようにと神頼みに勤しむ。

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