4月19日(日)春の神保町ブックフェスティバル

春の神保町ブックフェスティバル2日目。

こうして土日に本を売る際は、母親を介護施設に預けっ放しにしている。

罪悪感は抱かぬようになったものの、母親に面倒をかけている分、たくさん本を売らねばならないという妙な使命感が湧いてくる。

昨日に引き続き『本屋の人生』の著者伊野尾さんと、そして昨日は宇都宮のイベントで本を売っていたビーナイスの杉田さんも助太刀に現れ、一緒に本を売ってくださる。

2日目の今日もすごい人出で、ときおり2人3人とお会計が重なってしまう。レジをしている浜田があわあわする中で、私が暗算で釣り銭の指示をする。

高校卒業後にアルバイトした八重洲ブックセンターでは、レジひとりに対してサッカー(受け手)が4人おり、複数人が同時にお会計となるとレシートを排出し、暗算で釣り銭を渡していたのである。まさかあの経験がこうして活きようとは。そしてこうしたイベント販売も前職の医療系出版社の学会販売で慣れていたのだ。人生無駄なことなんてひとつもないということだろう。

終了の5時までまったく人出が途絶えることなく、春の神保町ブックフェスティバルは大盛況で終了となる。

4月18日(土)イベント

一年半ぶりの神保町ブックフェスティバル一日目。初めての春開催ということで、集客を不安視する人もいたけれど、11時の開始早々から人の波はまったく途切れず、まるでお正月の浅草寺のような大賑わいとなる。

神保町ブックフェスティバルに本の雑誌社が初めて出店したのは、事務所を神保町に移転した2012年のことだ。

当時は助っ人アルバイトに画板を首から下げてもらい駅弁売りのようにブックカバー売り歩いてもらったり、読者や知人とワゴン越しにおしゃべりする時間があった。

それが今ではひたすらお会計するばかりである。コロナ明けの再開以来ぐっと人出が増えたような印象だ。

この人出を見て、「本はイベントでしか売れなくなった」と悲嘆に暮れる声が聞こえてくる。その気持ちもわかるけれど、最近、私はこの主語が間違っているのではないかと考えている。

「本は」ではなく、「人が」なのだ。

人が、イベントを求めているのだ。

そしてイベントに行ったら、何かを消費する。ラーメン博ならラーメンを、パンフェスならパンを。

本がイベントでしか買われなくなっているのではなく、人はイベントで物を買う、のだ。

だからイベントの売上と日常の売上を同一線上で捉えなくていいのではと思っている。

4月17日(金)原価計算

朝、デザイナーさんから本日入稿の新刊に使う用紙案がメールで届いた。カバー、表紙、帯などに使う紙をひとつずつ確認していくと、事前にいただいていた表紙のラフをみてイメージしていたのと異なる紙が指定されていた。

あれ? これでいいのかなと思い、自分の持っていたイメージを伝えると、デザイナーさんもそのイメージだったのだが、原価を気にして安い紙を提案してきてくれたのだった。

実は私は本の原価計算というのを疑っている。刷り部数で計算して意味があるのだろうか? それならたくさん刷ったら原価率は当然下がる、そうでなければ上がる。しかし、結局売れなければその数字はまやかしでしかない。

ならばその本が、もし装丁の力によって読者の手に届く数が変わるような本であるならば、変にケチるのは逆効果であろう。

デザイナーさんに本当に使いたいと思っている紙を聞き、それを印刷所に伝えた。

夜、新刊2点を入稿する。

4月16日(木)コスパ

直行で中井の元伊野尾書店に伺い、お願いしていた『本屋の人生』のサイン本ピックアップする。

かつて伊野尾書店だったところは本も棚も撤去され、がらんどうになっていた。やけに広く感じるその店内で、しばし伊野尾さんと話す。

一旦会社に戻ったのち、白山から歩いて本の店&companyさんに納品にあがる。店主の末竹さんとお話していると、高校生や大学生が本を買いに来て、谷川俊太郎や幸田文の本を買っていくらしい。最近の小説を薦めてみたら漫画みたいだからといって興味を示さなかったという。

その話を伺って、自分は「コスパ」という言葉を誤解していたことに気づいた。若い人が安くて短時間で楽しめるものを「コスパがいい」と評価しているのかと思ったけれど、一度読んでおしまいならそれはコスパは悪いのかもしれない。長く、ときには一生、何度も楽しめるもののほうが、ずっとコスパがいい。そういうものをしっかり選んでいる若い人たちが増えているのかもしれない。

4月15日(水)WOWOW

イラストレーターの信濃八太郎さんとWOWOWに赴く。今作っている本がWOWOWの番組を礎にした本で、その販売を協力していただけるとのありがたい打ち合わせなのだった。

話を伺うとWOWOWに入社する人は、映画が好きな人、音楽が好きな人、サッカーが好きな人、そしてテニスが好きな人が多いそう。

そう話す担当の方も部類の映画好きで、とても楽しそうに仕事の話をしていて、たいへん好感を抱く。

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