9月10日(水)インバウンド需要

朝ランし、滝のような汗をシャワーで流してから出社。今日も相変わらずの暑さ。

午前中、某所より依頼されたムックの編集案を某編集チームと練る。企画が通れば相当面白いものができあがると思うけれど、作るのはかなり苦労するだろう。

午後、銀座の教文館さんへフェア用に頼まれた本を届けにいく。

T店長さんから伺ったインバウンドのお客様が購入する本の話がたいへん興味深く、お店を出てすぐメモしてしまった。まさかそんなところにインバウンド需要があったとは。刺激溢れる情報はやはり売り場にあるのだ。

本を買って帰る。

西村亨『自分以外全員他人』(ちくま文庫)
町健次郎『奄美妖怪考』(笠間書院)
中村きい子『女と刀』(ちくま文庫)
斎藤たま『死ともののけ』(角川ソフィア文庫)
横山勲『過疎ビジネス』(集英社新書)

9月9日(火)声

昨日よりいくらか気温が下がったものの湿度ムンムンで蒸し暑い。いつになったら体に負担を感じない日がやってくるのだろうか。

9月の新刊『鉄道書の本棚』の見本が出来上がってきたので、市ヶ谷の地方小出版流通センターへ初回注文の短冊とともに持っていく。先月、高知四万十川を旅してきた担当のKさんから中村きい子『女と刀』(ちくま文庫)を薦められる。

午後、会社に戻り、ZOOMを繋げてフォークシンガーの品品さん(世田谷ピンポンズより改名)と打ち合わせ。尾道の古本屋・弐拾dBの藤井さんにご紹介いただいたのだ。本はデータではなく、縁とハートで作るのが私の作法。

本日が初対面(オンライン上ではあるけれど)のため緊張を抱えて話していると、品品さんはさすが歌を歌う人で、イヤフォンから聞こえてくる声に芯がある。

その声にしびれながら単行本の企画の話をする。

9月8日(月)不眠

週末実家で介護をしていると日曜日の夜がまったく眠くならないのだ。

理由ははっきりしており、運動量が足りないのだった。日曜日以外は毎日ランニングと営業で2万歩近く歩いていおり、それが日曜日となると母親の車椅子を押して散歩してもせいぜい5千歩くらいに減ってしまう。これでは到底体力が有り余ってしまうのだ。

悶々と夜を過ごし、4時頃やっと睡魔が訪れる。

寝不足を抱えつつ春日部から出社。9月だというのに肌が焦げるような暑さだ。

新刊の〆と本の雑誌の納品があるというかなり神経を使う一日になるため、心にはちまちを巻いて勤しむ。

どちらも3時には無事終了し、早速「本の雑誌」を駒込のBOOKS青いカバさんにお届けにあがる。

夜、九段下の「現来酒家」にて講談社の編集と営業の人と飲む。本作りと本を売ることの真剣トークに酒を飲むのも忘れて聞き惚れる。

9月7日(日)我慢

幾分涼しく感じたので掃除を後回しにして、1ヶ月ぶり以上に母親を外に連れ出し、父親のお墓参りに出かける。

しかし涼しく感じたのは日陰だけで、陽の当たるところは肌を焦がす暑さだった。それでも風が吹いていたので日陰を伝いながら30分ほど車椅子を押す。

家にもどり、掃除をしているとドアのチャイムが鳴る。母親の友達がマグロの刺身を買ってきたからとお裾分けをいただく。今夜はカレーの予定だったが、急遽マグロ方面に変更となる。

浅草で生まれ育ったおばさんの話はたいそう面白く、苦労話が笑い話として語られ、聞いてるこちらが元気になっていく。こういう年の取り方をせねばと思いつつ、先日の長崎旅行のお土産を渡すと、「まだマグロ分には届いてない」と突っ込まれ、爆笑する。

昼にチャーハンを作り、夜まで本を読んで過ごす。

息子から我慢できなくて、等々力に来たとLINEが届く。

私も我慢できないが、実家で母親の見守りをしている。

9月6日(土)罪悪感不要 

先週は旅行にいっていたので、2週間ぶりの週末実家介護。来週末はお茶丸ブックマーケットで、10月は下鴨、神保町とあり、11月もいくつかのイベントが予定されている。その間、介護施設に預けっ放しにしている母親に申し訳ない気持ちが湧いていたのだが、午後お茶を飲みにやってきたお隣の山本さんにこう話していたのだ。

「ここに帰ってきてだれも来ないでぼんやりしてるなら施設でみんなとガチャガチャ遊んだりしている方が楽しいよね」

私の耳はダンボ並みに大きくなり、心のレコーダーにその言葉をしっかり刻んだ。罪悪感なんて持つ必要はないし、今後もしかすると完全施設という道が開けるかもしれない。しかし裏を返せば私と過ごす週末は面白くないということでもあろう。

複雑な気持ちで話を聞いていると、反対側のお隣さんは両親と兄を亡くした70代のお兄ちゃん(私が子供の頃のイメージ)がアパートに引っ越し、来月には取り壊しになるという。

この家もあと数年でそういうことになるのかもしれない。

« 前のページ | 次のページ »