5月5日(火)有原拾太郎『陰の書店員になりたくて!2 松本死闘篇』

思いのほか疲れていたようで晴天なのにまったく走る気力が湧いてこず、終日ベッドに寝転んでぼんやり過ごす。

そんな中、昨日の文学フリマで唯一手にすることができた本、有原拾太郎『陰の書店員になりたくて!2 松本死闘篇』(トロッコ出版)を読み出したところ、これがめっちゃくちゃ面白く一気に読んでしまった。

とある大手書店チェーンの社員だった著者が、新宿店の閉店から松本に新規店をオープンする際に店長に任命されるところからの苦闘が記されている。

仕事柄、書店員さんにはたくさん接しているものの店長という業務(苦労)はほとんど知る機会がなく、お金や人事の管理はともかく(この書店の採用試験も掲載されており興味深い)まさか店長が提携先の駐車場や健康診断をしれくれる病院を探したりしているとは露とは思わず驚いた。

著者は若干腰がひけたように働いているものの、実は前作の『陰の書店員になりたくて! 論理棚学論考』(トロッコ出版)同様、今作でも元棚主義から地域一番店への売場の変更や、先輩から「狂ってる」と言われた本の意味に捉われずに工学的に売り場を作るために照明を落とした店内を徘徊して考えるなど、しっかり突き詰めて働いており、大変興味深い書店論にもなっている。

これから書店店長になる人のバイブルになるであろうし、現在書店店長をしている人の肩をそっと抱いてくれる本でもある。

5月4日(月)文学フリマ

文学フリマの曜日を勘違いしていたのに気づいたのが金曜日の夜のこと。娘が月曜日の天気を心配しており、なぜにと思ったら文学フリマじゃん!と指摘されたのだった。

てっきり火曜日だと思っていたので阿鼻叫喚。なにせ月曜日の朝まで私は実家におり、母親の介護の送り出しをせねばならない。車がやってくるのは8時50分なのだ。それから東京ビッグサイトに向かったのでは会場設営に間に合わないのである。

というわけで朝7時過ぎ、妻がやってきて、母親の送り出しを任せる。わが遊びのため妻に迷惑をかけてしまったことにうなだれる。

今回の文学フリマ東京は、高野秀行・内澤旬子エンタメノンフ文芸部で出店しており、ということは内澤さんも小豆島からやってくるのだ。

三人とも日頃から本を刊行して生活を成り立たせている身であり、要するに出版は仕事なのであるけれど、こうしてGWの真ん中に高い移動費や忙しいスケジュールを調整し、自ずと一同集結しているのはいったいなんなんだろうか。

とどのつまり高野さんも内澤さんもそして私も、紙の本、紙に印刷され束ねられたものを愛しており、もはや愛しているというよりは本自体が自分そのものであり、本を作り、売ることしか自分の存在を確認できないのではなかろうか。

閉会の5時までしっかり本(ZINE)を売り、お会計係として手伝いに来てくれた娘と帰る。充実の一日。こんな素敵な場を運営していただいている方々に深く感謝。

5月3日(日)カレンダー

母親がじーっとカレンダーを見つめている。日付も曜日の感覚もなかろうにと思うのだけれど、こういうときはなぜか頭がすっきり冴え渡っており、今週がゴールデンウィークであることをしっかり認識している。

母親の発する「水曜日まで休みなのね」という言葉の裏には「水曜日まで自分は自宅にいれるはず」という想いが込められており、それを否定することになる私の心を深くえぐってくる。

「おれは仕事だよ」と嘘をつくと(文学フリマに出店するから嘘でもないのだが)、「じゃあ私はここで一人で留守番してればいいのね」と、できもしないことを言われ、さらに深く心をえぐられる。

深呼吸をひとつして、母親の顔を見ずに「明日は朝、介護の車が迎えにくるよ」と伝える。

5月2日(土)辻村深月『ファイア・ドーム』

  • ファイア・ドーム (上)
  • 『ファイア・ドーム (上)』
    辻村 深月
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    2,090円(税込)
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  • ファイア・ドーム (下)
  • 『ファイア・ドーム (下)』
    辻村 深月
    小学館
    2,090円(税込)
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二泊三日の週末実家介護の間に読もうと持ってきていたプルーフ、辻村深月『ファイア・ドーム』が息つく暇もない面白さで、上下900ページを一気読みしてしまった。

手垢のついた慣用句で大変恥ずかしいのだけれど、ページを捲る手が止まらないどころか、一行一行読み進むのがもどかしいほどで、しかし最初の一行から最後の一行まで何度もクライマックスが押し寄せる圧巻の物語。日本小説史に名を刻む超ウルトラ大傑作であり、ここまで傑作の小説を私は今まで読んだことがない。

発売は6月5日(金)となっているので、その週末は予定を入れずにいた方がいい。レンジでチンして食べられるものも用意しておくといいだろう。

本が発売されたら私も購入してもう一度読む。10年に一冊、いや30年に一冊の大傑作を迎える準備をしっかりしておこう。

5月1日(金)物販必需品

朝、メールをチェックすると、いつぞやインタビューいただいた「出版フィールドワークプロジェクト」の原稿が届いており、その修正にとりかかる。これが結構一大事で、10時過ぎまでかかってしまい、それから出社。

今日からGWでもいいのではないかと考えていたのだが、ひとまず会社に顔を出すと、京都新聞の営業マンIさんが顔を出す。他の出版社もカレンダーどおり働いているらしい。

帰りに100円ショップに立ち寄り、先日ビーナイスの杉田さんに教わった透明の養生テープを購入する。物販でとても役立つらしい。

物販必需品といえば、ガムテープ、養生テープ、両面テープ、コインケース、手提げ金庫、電卓、カッター、領収書、返送用の送り状、敷き布あたりだろうか。

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