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3月25日(土)トレーニングマッチの時間を間違える一日

  • ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]
  • 『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い [DVD]』
    トム・ハンクス,サンドラ・ブロック,トーマス・ホーン,バイオラ・デイビス,ジョン・グッドマン,スティーブン・ダルドリー,セリア・コスタス,マーク・ロイバル,ノラ・スキナー,ジョナサン・サフラン・フォア,トム・ハンクス
    ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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 6時起床。昨日、久しぶりに3杯も生ビールやらレモンハイを飲んだもんだから、頭が痛く内蔵も不調な様子の上、睡眠不足も重なって気分が優れず。やっぱり酒は身体へのダメージが大きい。烏龍茶にしておけばよかった。

 しかし、昨日の飲み会であったK出版社のFさんは、もうすぐ59歳だというのに、逃げ切ったとか、後進に譲るとか一切言わず、また思い出話に華を咲かせるわけでもなく、いかに本を届けるか今も最前線に立ち、誰よりも考え、行動していた。出版業界にも、自分の人生にも、まったく諦めていない。目標。

 こたつに寝そべりながら、まだ〆切は先なのだけれど重石になっている、まさかの連載依頼をいただいた「浦和マガジン」2回めの原稿を書き始めてみる。先月書いておいたものがつまらなく思え、もうひとつ別の話を書き進む。それでも納得いかず、また別のテーマで書き直す。これだという気がしてきたので、朝食。バナナ、ヨーグルト、コーヒー、青汁。

 息子が起きてきたので、大原練習場で行われる浦和レッズ対東京国際大学のトレーニングマッチに誘うも、友だちと遊ぶと断られる。中学校で別れ別れになってしまう友だちと過ごす時間を邪魔するわけにはいかない。というわけで走って大原練習場へ。おおよそ6キロ。やけに人が少ない。ポケットからスマホを取り出し確かめると、なんと試合は11時から。てっきり10時キックオフだと思っていた。11時キックオフで試合を観ていたら、息子のお昼ごはんを作れなくなってしまう。泣く泣くUターンして、帰宅。走ってもスッキリせず。

 友だちを連れて息子が帰ってきたので、チキンライスとラーメンを作り食べさせるていると、パート仕事を終えた妻が帰宅。すぐに買い物へ出かける。市場のような魚屋さん「角上」ではホタルイカを、隣のスーパー「ヤオフジ」ではそら豆を買い物かごにいれる。好き嫌いの多い私には数少ない季節の味。帰り道にお気に入りのパン屋さんとなった「天然酵母のパン MOKO」で食パンとバターロールを購入。昼食にトーストす。

 昼食後、屋根裏部屋のベッドに横になり、荻生田浩『山と過ごした一日』(西田書店)を読み進める。なんでもない山を登った際に胸中に浮かんだことを記した山岳エッセイなのだけれど、これがとても味わい深く、なんていったらいいんだろうか、山岳版「孤独のグルメ」といったところか。

 昨日の疲れが残っていたのかいつの間にか眠ってしまっており、目を覚ましたら4時半。やっと回復。
 そういえば「ベストセラー」とともに借りていたDVDがあったなと、「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」を観始めると一気に引き込まれる。9.11をテーマにしながらも、芸術性とエンターテイメントを兼ね備えた奇蹟のような映画。苦しい。でも美しい。そしてあたたかい。すぐにBlu-rayを注文するも2000円以下で送料がかかるので、欲しいものリストに入れておいたJ.J.Cale「Naturally」も一緒にカートに入れる。

 最愛のテレビ番組「路線バスの乗り継ぎの旅」が新メンバーでスタートするも、途中で観るのをやめる。やっぱりこれは太川陽介と蛭子能収というキャスティングを私は愛していたのだ。

 22時、高橋克彦『水壁』(PHP研究所)を読みつつ、就寝。

3月24日(金)千葉の大きさを感じた一日

 このまましていると本屋大賞と本の雑誌厄よけ展に全仕事を絡めとられてしまいそうなので、エイヤッと外へ飛び出す。

 息子の卒業式で、校長先生が「原口元気選手を見習って」と式辞を述べたときには笑いを堪えるのに必死だったが、その話のなかで「試合に出られなくても練習を続けた」という話は胸に響いた。そうだ。結果なんて関係ないのだ。営業マンはいかに本屋さんに顔を出すかだ。

 というわけで以前より訪問したいと考えていた、ときわ書房千城台店さんとときわ書房志津ステーションビル店さんなどを訪問。どちらのお店も地元に密着したお客様のためにのなかに、キラリと自分の想いがこめられた"人"を感じさせる本屋さんだった。そういう本屋さんはやっぱり心地よい。

3月23日(木)『不時着する流星たち』について語り合う一日

 4月22日から町田市民文学館ことばらんどで行われる「本の雑誌厄よけ展」のチラシが届く。不思議なのはこれだけ立派なチラシが用意されているのに、ネット上ではまったく告知がされていないということ。もしかするとまだネットが普及していないのかもしれない。仕方なくすべて打ち込んで、WEB本の雑誌に掲載する。

 本屋大賞と本の雑誌厄よけ展の準備で一日が終わる。

 夜、角川のブルドーザーヘンミーに誘われ、SANKOUENへ。見知った書店員さんとともにいかに小川洋子の『不時着する流星たち』が面白いか語り合いながら、「肉汁大餃子」を頬張る。

3月22日(水)息子の卒業式に列席する一日

 息子の小学校卒業式に列席するため会社を休む。
 内澤旬子さんに選んでもらったバーニーズニューヨークのスーツを着ているので、堂々と過ごす。

 一緒に写真を撮ろうと女の子に声をかけられ、恥ずかしがって逃げる息子の耳を引っ張って説教。

「お前な、それ一生後悔すんだぞ。あのとき写真撮って、その後電話してたら人生変わってたかもって」

 夜はサッカースクールの卒団試合。私と子どもたちの「サッカーデイズ」も本日をもって卒業。これからは自分で頑張れ。

3月21日(火)新江ノ島水族館で無脊椎動物を観察する一日

 宮田珠己さんの新連載「無脊椎水族館」の取材のため新江ノ島水族館へ。館内はあふれんばかりの人で、家族連れやカップルはもちろん若い女の子のグループも多く、水族館ブームを実感す。

 以前より、これから石拾いブームが来きますとか迷路温泉の時代がすぐそこまで来ているとかジェットコースターはすでにブームになっているとかブームを熱望していた宮田さんに、「ついに今度こそブームに乗れますね!」と興奮気味に話しかけたら、「いやこの子たちは本買わないでしょうから、地味にひとりで来ている人をターゲットにしましょう」とバッサリ。むむむ?

3月19日(日)「北の国から」に打ちのめされる一日

 DVDマガジン「北の国から」の3話と4話観る。今、暮らしている自分の人生があまりに嘘っぽく思え、打ちのめされる。どの登場人物も何かを抱えている。自分に何かがあるだろうか。何かがない、ということはそれだけ真剣に生きていないのではないか。自分に嘘をついているのではないか。

 打ちのめされたので、息子を引き連れてランニング。7キロ。自分が小学生のとき7キロなんて走れただろうか? いや走れなかった。中学校のサッカー部に入って初めて5キロ走らさせられた時、それは永遠に続くような気がした。息子は軽々と、そして私に背中を見せ走り続ける。

 夜、ツタヤに行って、DVD借りてくる。「ベストセラー」観る。ヘミングウェイやフィッツジェラルドを見出した編集者パーキンスとまだ無名だったトマス・ウルフの本作りのやりとりを描いた映画なのだが、これは休日に観る映画ではなかった。我が日常と変わらず。

3月18日(土)息子の自転車を購入する一日

  • 神々の山嶺 上 (愛蔵版コミックス)
  • 『神々の山嶺 上 (愛蔵版コミックス)』
    谷口 ジロー,夢枕 獏
    集英社
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  • 神々の山嶺 中 (愛蔵版コミックス)
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    谷口 ジロー,夢枕 獏
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  • 神々の山嶺 下 (愛蔵版コミックス)
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    谷口 ジロー,夢枕 獏
    集英社
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 もうすぐ中学校に入学する息子の自転車を買いに行く。休みのたびに家の前にずらりと並んだ友だちの自転車を眩しそうに見つめていた息子は、今日でお別れとなる22インチの小さな自転車に乗って風を切るように自転車屋さんに向かう。

 ピカピカの自転車を前に「赤ならなんでもいい」と立派な浦和レッズサポに成長し、父ちゃんは涙が止まらない。ギアー付きを買ってやりたいところだが、スピードが出ると飛ばして事故るのではないかと心配になり、何もついていない赤いママチャリを購入。26インチ。次は自動車の免許だろうか。

 5日ぶりのランニング。まだまだ走りたい気持ちを抑えて20キロ。お風呂は身体の外側についた汚れを落とす行為だが、ランニングは身体の内側を綺麗にする行為。走り終えると心がすっきりしている。

 最近、近所に見つけた美味しいパン屋「天然酵母 MOKO」でパンを買い求め、昼食。噛めば噛むほど小麦の香りが口内広がり幸せになる。

 昼食後はベッドに寝転がり、先々週小山の進駸堂中久喜本店さんで購入したコミック版『神々の山嶺』谷口ジロー/夢枕獏を読む。強烈。どっぷり。どんな山岳映画や写真集より山を大きく感じる。

3月17日(金)連休を夢見る一日

  • 本の雑誌おじさん三人組が行く! (別冊本の雑誌18)
  • 『本の雑誌おじさん三人組が行く! (別冊本の雑誌18)』
    本の雑誌編集部
    本の雑誌社
    1,980円(税込)
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  • 「北の国から」全話収録 DVDマガジン 2017年 2号 3月28日号【雑誌】
  • 『「北の国から」全話収録 DVDマガジン 2017年 2号 3月28日号【雑誌】』
    講談社
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  • 水壁(すいへき) アテルイを継ぐ男
  • 『水壁(すいへき) アテルイを継ぐ男』
    高橋 克彦
    PHP研究所
    1,870円(税込)
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 3月5日日曜日に桶川であった「埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本」とのトークイベントから「本のフェス」を挟み続いた13連勤がやっと終わる。疲労困憊息も絶え絶え。明日からの三連休が待ち遠しい。

 残す台風は、本屋大賞の発表会と本の雑誌展。目の前の仕事をひとつひとつクリアし乗り越えていくしかないのだけれど、本の雑誌展は会期も長く、イベントもたくさんあるので終わりが見えない。

 そもそも私の仕事はいったい何なんだろうか。考えれば考えるほど机をひっくり返し、ゴミ箱のひとつやふたつ蹴飛ばしたくなるので、一昨日、今野書店さんで買い求めた『果鋭』黒川博行(幻冬舎)を読み始める。

 直木賞を受賞した「疫病神」シリーズ以上に今や新作待ち遠しい「堀内・伊達」の元刑事による『悪果』『繚乱』に継ぐシリーズ3作目。もはや名人芸ともいえる関西弁によるやりとりからパチンコ業界の闇を追うストーリーが一気に動き出し、疲れもぶっ飛ぶ。

『本の雑誌おじさん三人組が行く!』搬入。
 好奇心の赴くまま、浜本、宮里と行った出版業界社会科見学&珍道中記。社内では妙に見下されており不愉快なのだけれど、私はかなり面白い本だと思っている。

 営業。各書店さんに立ちはだかる『騎士団長殺し』の山と壁が気になる。春になれば雪解けするのか、それとも大きな雪崩を起こすのか。

 夜、東京堂書店さんにて山口正介さんと宮田昭宏さんによるトークイベント「誰も知らない父・山口瞳」を拝聴。隣の席には『Y先生と競馬』の著者・坪松博之さんがおり、山口瞳さんを敬愛する私にとってこれほど贅沢な時間はない。昨年末から配信の始まった『山口瞳電子全集』(全26巻)を購入するか大いに悩む。

 拝聴後、これから大阪に向かうという坪松さんと別れ、三連休用に『「北の国から」DVDマガジン VOL.2』(講談社)と『水壁 アテルイを継ぐ男』高橋克彦(PHP研究所)を買って帰る。

2月27日(月)マネージャーに就任した一日

  • ソーメンと世界遺産 ナマコのからえばり (集英社文庫)
  • 『ソーメンと世界遺産 ナマコのからえばり (集英社文庫)』
    椎名 誠
    集英社
    572円(税込)
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  • 本屋、はじめました: 新刊書店Title開業の記録
  • 『本屋、はじめました: 新刊書店Title開業の記録』
    良雄, 辻山
    苦楽堂
    1,760円(税込)
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 朝、通勤電車のなかで今日やるべき仕事を手帳に書き出しているのだが、本日は欄をハミ出し、明日、明後日のページまで書き進んでしまう。手帳はハミ出せても実際の仕事はハミ出せぬ。

 せめて電車のなかだけでも息抜きしようと椎名誠『ソーメンと世界遺産』(集英社文庫)を読む。相変わらずこの「サンデー毎日」連載のエッセイ「ナマコのからえばり」シリーズは、椎名イズム全開で面白い。

 出社! と同時にまなじりを決してデスクワークに勤しむ。やればできるやればできるやればできると念じるも時間と集中力の限界を感じ、明日でもいいんじゃないかと思い出し営業に出かける。荻窪のTitleさんを訪問すると平日の午後3時なのに、お客さんがいっぱい。

 店主の辻山さんに「すごいですね」と声をかけると「普通のことを普通にやっているだけなんですけどね。それだけみんなが普通にできない状況になっているってことじゃないですかね」といつものクールな調子でつぶやかれるが、私の知っている多くの書店さんも「普通」かあるいは「普通以上」にやっているんだけれど、なかなかこうもいかない。一年間の記録『本屋、はじめました』(苦楽堂)を購入し、中央線沿線を営業。

 夕方、神保町に戻り、高野秀行さんと打ち合わせ。『謎の独立国家ソマリランド』の発表以降、各所からイベントや講演、取材の依頼が高野さんに殺到しているのだけれど、これまですべて高野さん自身で対応していた。しかし、このままでは執筆活動に支障が出るということで、その辺の対応をすべて私が引き受けることにする。

 これまで営業、編集、取締役(本の雑誌社)に、理事(本屋大賞実行委員会)と発行人(208GATE)とあった肩書きにマネージャー(高野秀行)が加わる。

 一旦会社に戻り、デスクワークを若干進めたのち、東京駅の黒塀横丁へ。

 M書店Sさんと飲む。同席した出版社の営業マンが、私が最も憧れている書店販促紙『ベレベレ通信』の発行元ベレ出版の方で、その制作秘話を伺おうと思ったものの、なんと鹿島アントラーズサポとのことで撃沈。

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