« 前のページ | 次のページ »

1月31日(木)

 通勤読書は、絲山秋子『夢も見ずに眠った。』(河出書房新社)。いつもなら読書の合間に気になるスマホもまったく見ずに一心不乱に読む。

 こういう表現豊かな小説を読むと、スマホから得られる条件反射的娯楽の貧しさにはっきりと気付かされる。やはり読書にはスマホじゃ到底味わえない面白さがたくさんつまっているのだ。

『夢も見ずに眠った。』は、とても初読だけですべてを受け止められるような小説ではなく、これから何度も読み返す本となるだろう。

 沢野ひとし『中国銀河鉄道の旅』の見本を持って取次店を廻る。

 見本出しを無事終えた後、仕入れ窓口の方と雑談していると、「参考までになんですが、これ、どのカバーがいいと思いますか?」と色味の異なるカバーラフを見せていただく。おそらく出版社の人が悩んで相談しているのだろう。

 私はその中で一番売り場で目立ちそうなものを指差したのだけれど、意見は二分されているそうで、もうひとつ人気なのは売り場ではあまり目立たなそうだけれど家に置いておくとおしゃれに見えるものであった。

 つい営業目線で、売り場での印象でカバーや帯を選んでしまうことが多いけれど、本を買うときはその本を持っている自分の姿や家のテーブルの上に置いてある様子、あるいは読み終えた後に本棚に並んでいるところを想像しているわけで、それには目立つことだけではダメであり、持っておきたいと思わせることと両立したデザインが当然必要なのだった。

 一旦会社に戻り、また営業。夕方、母親に電話をすると灯油が切れて寒いという。慌てて直帰し、車を走らせ実家へ。ガソリンスタンドで灯油を入れ、父親を見舞う。熱は下がったらしく一安心だが、退院はまだ先とのこと。

 一人だとろくに食事をとらない母親とともに母親行きつけのとんかつ屋へ。今日で最後というカキフライ定食を食べながらいろいろと話す。

« 前のページ | 次のページ »