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2007年11月 水まんじゅう丸飲み号

 本誌第4号を古書店の目録で入手した坪内祐三は、編集後記の「ぼくは一軒の書店に5時間いたのが記録だけど、いつか弁当持参で一日"遊び"に行きたいと思っている」という一文を読んで思った。よおし、この「めぐろ」という人の夢をオレが かなえてやろうではないか! というわけで、本の雑誌11月号は本誌特命顧問・目黒考二と坪内祐三のふたりがジュンク堂池袋本店で一日遊んで対談したのだ 特集! 午前11時から午後6時半まで、売り場を徘徊しては対談をするという怪しい企画がいざ、スタート。予算3万円で、ふたりは何を買ったのか。ツボメ グ丸一日ドキュメント対談を読んでくれぃ!

 新刊めったくたガイドは三橋曉がジョゼフ・ウォンボー『ハリウッド警察25 時』を警官文学の到達点!と絶賛すれば、牧眞司はジョン・バンヴィル『海に帰る日』があれば、プルーストの大長編に挫折しても大丈夫、と太鼓判。大森望が デイヴィッド・ブリン『キルン・ピープル』のバカミスっぷりに面白いじゃん!と手を打てば、大矢博子は本格ミステリへの愛がたっぷり『インシテミル』をニ ヤニヤ堪能。永江朗が『日本橋バビロン』で店と街と家族の歴史を重ねて読めば、東えりかは石井光太『神の棄てた裸体』を本年下半期最大の収穫とイチオシ!  そして北上次郎は南極横断隊の陰に隠れた迫力満点の冒険行におっとびっくり! さあ、読書の秋本番、事実は小説よりも奇なりか、どんどん読んで確かめよ う!

 今月のお楽しみは、マンセー・ムーノー対談。大槻ケンヂと高野秀行のマンセー・ムーノー人間が活性化する「ムー脳」 のおもむくままにUMAからUFOまで、謎と真実を語り合う6ページだ。さあ、あなたも炭化したムー脳を活性化させて、マツドドンを探してに出発しよう!  さらに、図書館戦争に挑戦のキムラ弁護士、ついに上野で絵本探偵の使命を果たした吉野朔実、殺人鬼は星座で決まる、と断言する柳下毅一郎と連載陣もいっ そうのパワー・アップ! 秋も深まり、読書欲も増進、スポーツの秋はさておき、本の雑誌11月号で読書三昧なのだあ!

目次

今月の一冊

吉野朔実劇場/絵本探偵とうとう上野で 吉野朔実
悪党どもの肖像/ウェスタンの原点『ヴァージニアン』 吉野 仁
ヒーローたちの荒野/藤沢周平『蝉しぐれ』の違和感 池上冬樹

特集:ツボメグ丸一日書店で遊ぼう対談!

☆本誌顧問・目黒考二と坪内祐三の二人がジュンク堂書店池袋本店全十フロアで一日遊んで(予算は三万円)対談する、秋の知力体力強化特集だ!

マンセー・ムーノー人間対談/「ムー」はプロレスである!大槻ケンヂvs高野秀行
大英帝国のパンフレット 鏡明
南の話/行ってはいけないところ 青山南

新刊めったくたガイド

『ハリウッド警察25時』は警官文学の到達点だ! 三橋曉
プルーストを読まずとも大丈夫、ここに『海に帰る日』がある 牧眞司
ブリン『キルン・ピープル』のバカミスっぷりが楽しい! 大森望
本格ミステリへの愛たっぷり『インシテミル』をニヤニヤ味わう 大矢博子
店と街と家族の歴史を描く『日本橋バビロン』 永江朗
下半期最大の収穫 石井光太『神の棄てた裸体』 東えりか
南極横断隊の陰に隠れた凄絶な冒険行 北上次郎

終戦直後の東京を舞台にしたD・ピースの衝撃小説 穂井田直美
物語へ続く暗喩としてのヘアヌード 神谷竜介
新藤兼人書店開店準備に燃える! 田口久美子
名手・菅浩江のロボットSF『プリズムの瞳』 山岸真
アラッチェーラって何なんだ? 近藤庄太郎
駄菓子屋で売られていた(?)ジュニア・ミステリ 森英俊
旧字旧かなを気軽に勉強するのだ 渡邊十絲子
活気に満ちた沖縄の市場の文化誌 川上賢一

坪内祐三の読書日記/『HB』はとても素敵なリトル・マガジンだよ 坪内祐三
サブカルチャー創世記/ローリングストーン日本語版 津野海太郎
トヨザキ社長の「寄らば斬る!」/藤谷治の33章に拍手喝采だ! 豊崎由美
自在眼鏡/永江朗の新刊の隣に置く本は何だ!?他 
コラム
 ・今月の林カケ子 林カケ子
 ・ミミ中野のこれいただくわ ミミ中野
 ・古本屋セドロー君の午後 向井透史
日本SF戦後出版史/核戦争小説『レベル・セブン』の巻 高橋良平
岸和田DNA/健全なる身体に健全なる恋は宿る 中場利一
“雑誌”を徹底検証する『+DESIGNING』がすごい 柴口育子
南極探検もびっくりの秘境駅巡り 高野秀行
エゲツなくも悲しい『バッド・チューニング』 霜月蒼
殺人鬼は星座で決まる!? 柳下毅一郎
掲載図書索引

続・棒パン日常/言語感覚 穂村弘
三角窓口/『アサッテの人』の初版が読みたい! 他  
長島千尋のうきうき道場 長島千尋

「図書館戦争」の弁護士的読み方 ローヤー木村
歩く旅/大人の桃源郷 沢野ひとし
今月のお話/岩手県浮いたり沈んだりのジグザグ旅 椎名誠
後記

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