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佐久間 素子の<<書評>>
暴れ影法師
【集英社文庫】
花家圭太郎
本体 705円
2002/7
ISBN-4087474720
評価:B
帯と解題を見ておもしろそうと思った人、読んで正解。期待どおりの痛快時代小説に出会えるはず。佐竹藩随一の傾き者にして、アウトロー小十郎が、その大ボラ能力を買われて、藩の窮地を救うべく幕府相手の大勝負に抜擢される。大ボラを吹いても、最終的にはあらゆる手段で成し遂げてしまうところがミソで、この小十郎れっきとした有言実行の人なのである。小十郎が魅力的で、脇を固める人々も負けず劣らず魅力的で、ぐいぐい読める。ただねえ、難しいんだよね。私、政治謀略モノ苦手なのだ。加えて、外国の名前は覚えられても、武士の家系図とか覚えられない人だし。あれ?成功したの?と、よくわからないまま終わってしまった。ああ、情けない。
わたしのからだ
【祥伝社文庫】
桐生典子
本体 543円
2002/8
ISBN-439633060X
評価:C
月々の出血の痛みに耐えかね、目をとじると、子宮の壁がはがれおちていくのがわかる。こつこつした肩の骨は何よりも確実で、柔らかい二の腕は何よりも曖昧だ。精巧なオートクチュールの臓器は、そのくせ、気まぐれなこころに動揺して、故障すらひきおこす。私は私のからだについて誰よりもくわしいが、それでも何もわかっちゃいない。著者にしてもそうなのだろう。何もわかっちゃいないのだ。だから、この短編集は不確かな不思議に満ちている。後半にいたっては、妄想が過ぎてほとんどSF。地味でもありきたりでも、貴重なのはやはり前半のリアルだ。静まりかえった世界に、鼓動だけが響くかのような『宇宙に棲む音』が愛しい。
かっぽん屋
【角川文庫】
重松清
本体 571円
2002/6
ISBN-4043646011
評価:C
かっぽん。トイレが詰まったときに使うゴムのあれ、のことかと・・・。方言というのは、実に人間くさいもので、『売春宿』じゃ、伝わりっこないものが、題名から既にあふれでている。というわけで、表題作は、童貞卒業大作戦もので、この作者、このジャンルなら、はずれるはずもない。さらに、小学生の男の子が主人公の『すいか』は、現実のかっぽんから遠い分だけ、切なさもエロも表題作以上に甘酸っぱい。短編集としては、苦肉の策でA面(切ない系)、B面(奇妙な味系)なんて構成してはいるものの、幅広い作風というよりはバラバラじゃん、という印象はぬぐえないまま。B面はあまり楽しめなかったが、ファンは初期の作品も読みたいだろうし、しょうがないか。
帝都異聞
【小学館文庫】
草薙渉
本体 619円
2002/8
ISBN-409410013X
評価:E
「個々の命を使い捨てにしながら、それでも命という存在を引き継ぎ、継続していこうというその大いなる意思とは」何か(感慨)という、本作のテーマをこともあろうに、登場人物の台詞で説明してしまっている点が、小説として致命的。しかも、複数人にくりかえし説明させる、念の入れようで、くどいのなんの。いったい、何のためのストーリー、何のためのディティール、何のためのキャラクターだというのか。読者の読解力をバカにしてるとしか思えない。 出てくるサブキャラを使いきれていないのもお粗末。士族のいじめっこは使い捨て、女性陣はいつのまにかフェイドアウト。ゲームのコマに愛はいらないってことね。
煙で描いた肖像画
【創元推理文庫】
ビル・S・バリンジャー
本体 680円
2002/7
ISBN-4488163033
評価:B
同時代ということもあって、どうしてもアルレーの『わらの女』と比べてしまいたくなる。どちらも、美貌と悪知恵を武器にして成り上がっていく悪女を、ビッチどころか気品すら漂う女性として主役にすえている。容赦のないアルレーに比べると、バリンジャーのクラッシーに対するまなざしは優しい。その優しさは、哀れで愚かな小動物を見るものであって、現代の感覚からすると首をかしげたくもなるのだが、実にこれこそが本書の個性であり、魅力であろう。女の写真を見て、勝手に盛り上がり、これまた現代の感覚からするとストーカーそのものの執拗さで、彼女を追う青年の視点が、ロマンティックな予感すらはらむ。見事な展開、鮮やかなラスト。名作の風格である。
首切り
【ハヤカワ・ミステリ文庫】
ミシェル・クレスピ
本体 880円
2002/7
ISBN-4151734511
評価:C
突然ふりかかるリストラ。管理職向け人材バンクの登録試験にのぞむべく16人の男女が小島に集う。もう若くないが、能力に自信はある。むろんプライドもあるから、皆せっぱつまっている。閉じた空間で、ストレスの多い状況で、信じる者もなく、ゆがみだす。ひずんでいく。あとはまっさかさま。非常にブラックなのである。しかも、意地が悪い。何がこわいって、正気と狂気の境がどこだかわからないところなのだが、採用されるべく、あらゆる言動に計算をはたらかせる姿ですら、部外者からみれば狂ってるといえなくもないのだ。その姿を滑稽と呼ぶこともできるが、こんな時代、彼らを誰が笑えよう。あー、何だかやりきれない。
ウィーツィ・バット
【創元コンテンポラリ】
フランチェスカ・リア・ブロック
本体 480円
2002/7
ISBN-4488802036
評価:A
くるりの『ワールズエンド・スーパーノヴァ』という曲をご存じだろうか。淡々としたビートにのせて、サビらしきサビもないシンプルなメロディで、まごうことなき今の空気を切り取ってのけた奇跡の名曲である。すっかり醒めて、あきらめきっていて、退屈で、それでも音楽には体が反応して、一緒に踊ればつながるような気がして。ささやかな希望は、幻想かもしれないけれど、今の所そこにちゃんとある。キッチュなおとぎばなしというパッケージの本書は明るくていい加減で、主人公のウィーツィは脳みそ足りてる?ってな感じの女の子である。で、何故くるりなのかというと、ウィーツィもまた、醒めて、あきらめきっていて、退屈しているからなのだ。深刻に悩むわけでもなく、当たり前に絶望していて、でも踊り続ける。その先に希望はある、というか、その先にしか希望をみつけられない、そのささやかさが、とてつもなく今っぽい。脳天気なハッピィがひたすらいとおしい。シリーズ5冊読んでナンボと思っていたけれど、今回再読してちょっと考えを改めた。傑作。
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