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唐木 幸子の<<書評>>
グッドラックららばい
【講談社】
平安寿子
本体2,500円
2002/7
ISBN-4062113228
評価:A
前作『パートタイム・パートナー』は幇間そのものの男が主人公で今ひとつだったので、如何なものかと思って読み始めたのだが、この著者、ものすごい脱皮。これは大笑いの面白本だ。中年夫婦に娘二人の一見、平凡な家族が主人公だが、何と言っても話を引っ張っているのは次女の立子だ。無理してお嬢様学校に通う目的はひたすら金持ち男を捕まえて結婚すること。その果てしない上昇志向と必死の世渡りは実を結ぶのか、こういう女はいったい、どんな男と結婚するのか。嬉しいのは章が変わるごとに5年10年はあっという間に過ぎて、次から次に立子の人生の進み具合がわかることだ。他にも、長女の積子の駄目男好きはどうにかならんのか、家出した母は父を裏切っているのかいないのか、そもそも一体どこで何をしているのか。浮かぶ疑問の全てがグッドタイミングでアッサリと明かされていく。そして読後は、「私の人生もまだ何かあるかも」と不思議に力づけられたのだった。
滅びのモノクローム
【講談社】
三浦明博
本体 1,600円
2002/8
ISBN-4062114585
評価:C
なんなんだろう、このストーリーが繋がらない感じは。【釣り】と【CM業界】と【戦争】と【政治】というテーマの食い合わせが悪いんじゃあないだろうか。並々ならぬ著者の素材への意気込みも感じられるし、この人にしか書けない世界を形作っているように思うのだが、いかんせん、延々としていて、わー面白い!という魅力に欠ける。読んでいて期待するテンポで話が展開しないんだもんなあ。著者が誠実に書き込みすぎるのかも。しかし巻末の江戸川乱歩賞授賞リストを見て今更ながら授賞作家のその後の活躍ぶりのレベルの高さに驚く。この著者も作品を重ねるうちに、読者を唸らせる作家に脱皮して行くのだろうか。ちなみに、小説現代9月号に掲載された著者初めての短編『メドゥサの毛鉤』(やはり釣りが絡むのだ)は、美形の若い女が駅から逃げていく書き出しがなかなか加速が効いていて、著者が一歩、輝かしい世界へ踏み出した雰囲気が感じられた。
MOMENT
【集英社】
本多孝好
本体 1,600円
2002/8
ISBN-4087746046
評価:B
昔、好きだったなあ、TVの『必殺仕事人』。三田村邦彦も、あの頃は無口に駆けて行ってシュピーンっとひと刺しで仕事をしてカッコ良かったのだが。と、それはともかく本書は、殺人でこそないが、死を前にした人の願い事を何でもかなえてくれる現代版の仕事人のお話だ。自分の身では何も出来なくなった患者たちの願いが渦巻いている病院が舞台。これがちょっとあざとい。こんな頼りなさそうなよく知らない人間に軽く頼めるようなもんじゃあないんじゃないのか、死を前にした人の願いって。食道癌で急死した私の恩師の最後の言葉は、「せめて・・・」だった。せめて何だったんだろう、と当時は色々に考えたが、やはり他人に頼めることではなかったことだけは確かだ。と私事を交えて難癖をつけつつも、非常に読みやすい本ではあるのでB。前に『ALONE TOGETHER』を読んだ時も感じたが、この作家、もしかして関西人を寄せ付けへんとこあるのと違うか。主人公がスマートにラクしすぎる人生が気に食わぬ。
パーク・ライフ
【文藝春秋】
吉田修一
本体 1,238円
2002/8
ISBN-4163211802
評価:B
芥川賞を受賞した表題作をさしおいていうのもなんだが、後半に収められている『flowers』が、より心に残るものの多い小説だった。純文学とはあまり縁のない私も、淡々とした話に吸い寄せられて実に複雑な読後感を得た。運送会社に就職した主人公は、不気味なくらい恥知らずな男・望月とペアを組むことになる。この望月は、同僚の妻と平気で関係を結んだり下品な深夜TV番組に出演したりする怪しい男だ。この望月に翻弄される気持ちを通して、主人公の人となりが語られていく流れが素晴らしい。しかし実はこの物語の中心は、主人公と妻・鞠子との微妙な夫婦関係にある、と私は見た。幸せな妻なら乏しい月収の多くを投じてパークハイアットだのウエスティン(うわ、田中康夫みたい)だのと豪華ホテルを泊まり歩くのを趣味にしたりしないな。鞠子が徐々に生活態度を変えていく様が痛々しい。この『flowers』は表題作の3年も前に文学界に発表された作品らしい。やはり力のある作家なのだろう。
ツール&ストール
【双葉社】
大倉崇裕
本体 1,800円
2002/8
ISBN-457523446X
評価:A
ここ数ヶ月、若い男性作家の放つオーラに圧倒されっぱなしである。新人賞、とか処女作、とか言うと多少は用心しながら読むのだが、小説推理新人賞受賞作の本書は全くその心配がない。常日頃、若い男のことを、何をどこまで考えてるんやろ、とあなどりがちの私だが、ちょっと反省、大いに尊敬。収められた5編の短編とも導入部が実に巧みだ。買い換えたばかりの携帯電話に間違い電話がかかってきて、一方的に「問題が発生したから今すぐに待ち合わせ場所に来い」と言われて、普通、あのー、さっきの間違い電話でしたよ、と言いに行くか? そこを主人公の筋金入りのお人好し・白戸修は行くのだ。その行動が実に自然に描かれるので、なんだよバカバカしい、と放り投げることなく読んでいける。荒唐無稽な話を面白いと読者に思わせる、それは大変な才能だ。出来不出来はあるものの、どのストーリーにも思いがけない真相が用意されている。著者がどんな人か、あんまり知りたくないので、小説誌に写真入りでドーンと出たりしないで欲しいが、もう出てる?
黒頭巾旋風録
【新潮社】
佐々木譲
本体 1,700円
2002/8
ISBN-4104555010
評価:B
この作品でうなったところはただひとつ。物語の最終コーナーで絶体絶命の大ピンチに陥った黒頭巾を雄々しく救いにやって来たその人は! 大層、意外な人物なのである。そうか、この人は最初からなにもかも承知で、陰になり日向になりして黒頭巾を助けていたのだなあ、そう言えばあんなシーンもこんなシーンも思い返されるなあ・・・・としか書けないが、これは読んでのお楽しみである。黒頭巾というのは、蝦夷へ侵攻した松前藩の武士や商人に痛めつけられるアイヌの人々の苦難を助けに、どこからともなく現れて悪人どもを懲らしめる、まあ、スーパーマンである。そのスーパーマンが遂に捕らえられて拷問されて、いざ磔の刑に処されようとしたそのとき!・・・・・・ 読んでのお楽しみだな、やっぱり。
洞窟
【発行アーティストハウス・発売角川書店】
ティム・クラベ
本体 1,000円
2002/8
ISBN-4048973258
評価:B
黄緑色の表紙カバーにいかにも、後から貼りましたっ!という感じの水色の丸いシール。もしかして、うっかりカバーに印刷してしまった真相にかかわる文言を隠すためにこのシールを貼ったのでは、と思って爪を立てて剥がしてみたのは私だけだろうか。当然、シールの下は何もなくて少しがっかりしたのだが、本書は独特の雰囲気を持ったサスペンスだ。地質学者のエイホンが何故か、麻薬の詰まったトランクを下げてラタナキリ(麻薬を20グラムでも持ち込んだら死刑の国)にやってきて、絶望と恐怖の中、取引き場所に向かう。冒頭から緊張感いっぱい。そこで出会った謎の中年女性は一体誰? 話はここから時空間的にワープしてベルギーやアメリカに舞台は移り、エイホンも少年になったり大学生になったりする・・・・が、ヨーロッパものの常で、それほどの起伏は感じない。せめてエイホンを語り手にしてくれればもう少しわかりやすかったんだが。
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