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新冨 麻衣子の<<書評>>
翳りゆく夏
【講談社】
赤井三尋
定価 1,680円(税込)
2003/8
ISBN-4062119897
評価:B
大手新聞社・東西新聞のスキャンダルがある週刊誌に報じられた。それは東西新聞に新卒採用が決まった朝倉比呂子が、二十年前におこった誘拐事件の犯人の娘だということだった。3か国語を操り、試験をトップで通過した比呂子への期待は上層部からも熱く、東西新聞社長自ら比呂子やその家族へのフォローを行うとともに、社内では内密に20年前の事件を洗い直すよう指示が出る。悪運が重なって社内で立場を追われていた梶が直々に社長の指令を受け、昔のつてをたどりながら事件を見つめ直していくが―。
目新しさはないけど、文句なしにおもしろい、というのが率直な感想。これがデビュー作というのが意外なくらいだし、完成度も高い。だけどやっぱり、江戸川乱歩賞受賞作とはいえ、話題になるにはインパクトが弱いな、というのも率直な感想。
くらのかみ
【講談社】
小野不由美
定価 2,100円(税込)
2003/7
ISBN-4062705648
評価:B
〈かつて子どもだったあなたと少年少女のための“ミステリーランド”〉!その第一弾のうちの一冊が本書である。ちょっとノスタルジックな挿絵とカバー(箱付きだ)。中身も沼やら蔵やら冒険する箇所の多彩な田舎での少年少女たちの謎解きで高感度大。
私が小学校のときには、江戸川乱歩とか、アルセーヌ・ルパンものとかシャーロック・ホームズとかが、図書館で本を借りる子どもたちの中で人気があった。わたしはルパンが大好きで、その他にも名前すら覚えてないが、古い海外のミステリーを読んでた記憶がある。中学校の図書館は校舎と別棟の古い木造建築で、蔵書は少ないけれど落ち着ける場所だった。自分の直感だけで本を選んで、読みたい本はたくさんあった。そんなときをつい思い出してしまうっていうのも宣伝コピーにのせられたせいかなぁ?
スポーツドクター
【集英社】
松樹剛史
定価 1,785円(税込)
2003/8
ISBN-4087753247
評価:A
〈痛む箇所を痺れさせ、気にならないようにしてしまう。できすぎた身体、できすぎた心。その傷に真正面から向き合う、それがスポーツドクター。〉という帯の言葉から、なんだか重たい内容を想像してしまったが、意外にも軽めのタッチで読みやすい。いや、ストーリーは自分を極限まで追い込むスポーツ選手と、その問題に正面から取り組むドクターの物語なので、重いテーマではあるんだけど。ちょっとのんびりしたドクター・靫矢、病院の手伝いをする正義感の強い高校生・夏希、靫矢に恋する看護婦・英子など、キャラクターの〈いい人ぶり〉が深刻なストーリーを柔らかくくるんでくれている。わりとやわらかい一冊です。
1985年の奇跡
【双葉社】
五十嵐貴久
定価 1,785円(税込)
2003/8
ISBN-4575234729
評価:AA
なにこれ!おもしろいぞ!ストレートな甲子園青春ものかと思われる表紙を裏切って、冒頭からいきなり部員同士の大げんかだ。しかもその原因は、おニャン子クラブの新田がいいか、国生がいいかっていうんだから…、リアリティありすぎ。グラウンドは異常に狭いわ、部員は全員へたくそだわ、なにより〈ホントに申し訳ないが、僕たちの優先順位は一に女の子、二に夕ニャン、三、四がなくて五でも六でもなく、七か八くらいに野球がくる〉というやる気ゼロの都立小金井高校野球部。そこへ強豪校にスカウトされたものの肘を壊したエース沢渡が転校してくる。沢渡と同じ中学で部長のオカはじめお気楽野球部員たちは彼をマネージャーとして野球部に引っ張ってくる。ところが沢渡の肘が完治していたことが発覚し…。まあ、その先は読んでからのお楽しみ。けっして熱血野球小説ではない。笑えて、こころあったまる青春小説だ。応援歌はもちろん、「セーラー服を脱がさないで」!!
疾走
【角川書店】
重松清
定価 1,890円(税込)
2003/8
ISBN-4048734857
評価:AA
うーん、重松清、レベルアップ。なんて言ったらおこがましいだろうか。でも確かに、これまでの作品より大きなスケールの物語であることは間違いない。
これは貧しい村に生まれたシュウジという男の半世紀だ。精神のバランスを失った兄に、ギャンブルにはまった母に、走ることを奪われた少女に、未来のない土地開発に浮かされた故郷に、自分を裏切った仲間に、人を裏切る自分に、おのれの優しさ故、そのすべてに傷付き、ただひたすら進むシュウジの生はあまりに切ない。最初から最後まで〈おまえは〉と語りかける文章が、さらにこの物語を神々しくしている。読みごたえ抜群の一冊です。
蹴りたい背中
【河出書房新社】
綿矢りさ
定価 1,050円(税込)
2003/8
ISBN-4309015700
評価:B
主人公のハツは高校に入ってからというものの、クラスの人間と上手く調和できず孤独感をもてあます少女。同じくクラスから浮いている男子・にな川が大ファンであるモデル、〈オリチャン〉とハツが中学時代に偶然会ったことがある、という事実でハツとにな川はささやかな交流を持つようになるが…。
前作の『インストール』も読んでるけど、この著者の伝えたいことってすごく言葉にしにくくて、わかるような、わからないような、微妙な、本当に微妙なところを突いてくる。だけど、主人公の心の動きを描写した下りなんかを読んでると、何かをもてあまして、何かを取り繕うことに必死な、そんな思春期の心の動きがうまく描かれているなあと思う。この人の、もうちょっと長いのを読んでみたいなあ。