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└2001年5月
天使はモップを持って
近藤史恵 (著)
【文春文庫】
税込690円
2006年6月
ISBN-4167716011
>> Amazon.co.jp
>> 本やタウン
久々湊 恵美
評価:★★★☆☆
新入社員、梶本大介と魔法みたいにオフィスビルをピカピカに掃除する清掃員キリコのちょっとしたミステリ物。といっても、本当に日常でよくありそうな風景や事件を解決するといったものです。短編仕立てになっていて、ネズミ講にはまってしまう社員やセクハラなどのエピソードなどなど。どれも「ああ、ありそう。」と思わせるような事件を清掃員という、会社員とは違った視点、ゴミ箱という視点から事件を解決へと導きます。
登場人物たちが何だか甘えんぼさんが多いような気がして、ちょっと子供っぽいなあなんて思ったのだけれど、キリコのキャラクターが結構好きになりました。いい女だなあ。サバサバとしたところがとってもカワイイ。是非ウチもピカピカ掃除して欲しい…。なんて。
ただ、最後の話がズッコケでした。オシャレにまとめているようで、なんかベタだな。アレレ。といった感じで。もっと軽い話でサラリといったほうがよかったんじゃないかなって。
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松井 ゆかり
評価:★★★★☆
「日常の謎」系ミステリーといえば、北村薫さんや加納朋子さんなどの名前がまずあがるかと思うが、実はいちばん読者を選ばないのはこの近藤史恵さんによる「キリコシリーズ」ではないだろうかと密かに思っている。例えば北村さんの描く女性像には男性の理想が入り過ぎてる気がするし、加納さんの作品は一見スィートなだけにその向こうに隠された鋭い棘にたじろいでしまうときがある(いや、どちらもおもしろいんですけど)。
その点、この「キリコシリーズ」は潔い印象だ。もちろん人間関係のドロドロなども出てくるのだが、隠そうとかオブラートでくるんで表現しようとか、あるいは逆に偽悪的に誇張しようという作為なしに、それらは厳然と存在するものとしてきっちり描かれる。ミステリーファンとしては、キリコと語り手の大介がホームズとワトソン的なコンビなのもうれしい。
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西谷 昌子
評価:★★★★☆
オフィスで起こる小さな事件を解決していくミステリー。軽い読み物のようで、不思議な魅力がある小説だ。盗難などの小さい事件か起こり、清掃作業員のキリコが謎を解く。OLたちの抱く不満や、複雑な感情が解き明かされていく。それぞれに鬱屈を抱えながら、重い雰囲気を見せないOLたちの様子は、「ああ、こんな職場ありそうだな」と思わせられる。彼女らがそれぞれに抱く小さな悪意に共感できる人も多いのではないだろうか。会社組織の中でうまく動けずにいる彼女らに対して、若くてオシャレな清掃作業員・キリコはとても自由だ。そんなキリコが謎を解くと、犯人もなんとなく救われているような気がする。キリコはビルだけでなく、オフィスに溜まった鬱屈をもガス抜きしてきれいにしているようだ。そのせいか読後感が非常に爽やかで、次作もぜひ読みたいと思わせられた。
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島村 真理
評価:★★★★★
オフィスで起こる事件を鮮やかに解決するのは掃除の天才キリコ。新入社員の大介とともに平和なオフィスを守るのです。この話好き。特に、若い女の子が素晴らしいお掃除能力を発揮して、それに誇りを持っているから。
たかがお掃除と舐めてはいけない。汚れには人の気持ちが見え、掃除によって清められてこそ仕事に張り切れるってものだから。そういう、当たり前のことはすぐ忘れがちになる。キリコは身をもって思い出させてくれる。チラッと披露されている、キリコがお掃除という仕事につくきっかけ。これが映画「バクダッド・カフェ」だというから洒落ています。私もこの映画は大好きだ。
後半のムムムなラストに翻弄されてしまいました。これは続編があるとか。彼女の過去とかわかるのかな?それとも現在進行形の話なのか。とにかく、キリコに出会ってから、お掃除に愛情がこもってきたような気がする。
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浅谷 佳秀
評価:★★★☆☆
何といってもキリコちゃんだ。彼女は主人公の梶本大介が勤めるオフィスの清掃作業員なのだが、おばちゃん、ではなく20歳前の女の子なのだ。可愛くて、お洒落で、しかも働き者。仕事は完璧にこなす。ビル1棟を一人で綺麗にしてしまうのだ。そんな子おるかい、と突っ込みを入れたくなる。しかも彼女、主人公の勤務するオフィスで生じるさまざまなトラブルを鮮やかに解決してゆく。部外者なのによくぞそこまで。斬新な、というよりは、突飛な、といった方が似つかわしい設定ではある。
物語は8つの短編からなるが、第1話で主人公がこのキリコというヒロインに出会い、書類の紛失話から、殺人事件、不倫騒動などの話が進むのと並行してだんだん彼女に惹かれてゆき、そしてクライマックスが最終話、というラブ・ストーリーとなっているのがミソだ。
最終話にちょっとした仕掛けがあって、おいおい、と不安を募らせておいて、いい落ちをつけてくれる。だけどちょっとあざといかな。
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荒木 一人
評価:★★★☆☆
短編八編からなる、軽い謎解きミステリ。軽い内容、読みやすい文体、短い文章。あっと言う間に読める。読後感は、すっきり!
主人公キリコは、お洒落で、小麦色の肌を持つ十代の女の子。髪の毛を赤茶色にブリーチし、耳に3つも4つもピアスをぶら下げている。そして、会社の清掃作業員。新入社員、梶本大介をおじさんと呼ぶ。そんなキリコがオフィスで起こる8つの事件を解決する。
小さな会社の小さな悪意。日常的によくある些末な事だが人はそのままでは居られない。解決するのが、今風の女の子でも縋りたいものだろう。あまりに見事に解決しすぎるので現実感は皆無なのは、私がおじさんより、おじさんだからであろう(笑)。
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水野 裕明
評価:★★☆☆☆
あるオフィスビルの清掃を担当する一風変わった女性が探偵役をつとめ、書類の不思議な紛失とか、綺麗に掃除されたはずのトイレが毎朝、黒い液体で汚されるという“日常の謎”を解決していく連作ミステリー短編集。殺人事件も起こるが、墜落死という事故とも事件とも考えられるようなもので、通常のおどろおどろしい殺人は起こらないので、血の苦手な人も安心な作品である。近藤史恵という作家は歌舞伎の世界を舞台にした人間の心の闇をしっとりねっとり、じんわり描くという印象を持っていたので、ちょっとこの軽さと読みやすさ、取っつきやすさに驚かされた。とは言え、読み進むほどにやっぱり普通の人の心の中にある闇(それは悪意や嫉妬、不満と言っただれもが持っているものなのだが……)を巧みに描き出している。残酷な殺人をテーマしているのではないだけに、かえって誰もがもっていそうな心の奥の闇が身近に思えてより恐ろしいとも感じた。典型的な日常の謎ミステリーの入門編としては読みやすく、お奨めではないだろうか。
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